すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品の数々をご紹介します。
「諸国瀧廻り」は「冨嶽三十六景」と同じ頃に描かれた8枚
岐阜県郡上市に今も残る、落差60メートルの雄大な滝・阿弥陀ヶ滝を、北斎は不思議な表現方法で描きました。滝口上流の水の流れは上から流れを見下ろしたように描き、流れ落ちる滝は正面から捉えて描いています。複数の角度から見た北斎の視線が、一枚の傑作を生みだしたと言えるでしょう。また、滝のそばには休憩をしているような人々も描かれていて、張り詰めた緊張感をほぐしてくれるような構成になっています。
この作品は、4月24日から始まる企画展「変幻自在!北斎のウォーターワールド」の前期に出展されます。
北斎の代表作の一つ「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は「グレートウェーブ」の愛称で今や世界中で愛されています。変化する水の姿を捉えるのは難しいものですが、刹那の水の動きを表現した北斎の作品の数々は、彼の鋭い観察眼や、幅広い画法を習得した痕跡を物語っています。本展では、「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を全期間を通して展示するほか、「諸国瀧廻り」シリーズ全点を前後期に分けて展示します。北斎の描いた水が一堂に会する“ウォーターワールド”を、ぜひ、お楽しみください。
[とき]4月24日(火曜日)から6月10日(日曜日)までの午前9時半から午後5時半まで
*入館は午後5時まで
*休館日を除く
[ところ]すみだ北斎美術館(亀沢二丁目7番2号)
[入館料]
- 一般=1,000円
- 高校生・大学生・65歳以上の方=700円
- 中学生・障害のある方=300円
*団体割引あり
[申込み]期間中、直接会場へ
[問合せ]すみだ北斎美術館 電話:03-5777-8600(ハローダイヤル)
[問合せ]文化芸術振興課文化芸術・国際担当 電話:03-5608-6115 http://hokusai-museum.jp