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すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2022年3月21日号 SDGs特集号

SDGsの取組は、企業やその事業内容によっても様々です。今回、区内に会社を構える企業4社に、SDGsに関する多彩な取組や、その活動にまつわる(おも)いを聞きました。
[問合せ]SDGs未来都市政策調整担当 電話:03-5608-6231

シャンプーやボディソープなどの化粧品原料の開発・製造・販売を行うDOC Japan。その事業におけるSDGsの考え方について伺いました。「日本は元々、SDGsに対して親和性の高い国だと思います。近江商人の“三方良し”の考え方など、私たちの心の中にあったものが、SDGsというグローバルな統一目標として明確になった、という感覚があります。特にこの1年、2年でSDGsの認知がさらに広まり、化粧品の原料にもSDGsの話題が及ぶようになってきました。」会社設立に当たり他社との差別化を図る中、天然の原料を中心としたアプローチで製品展開を行ってきた同社。「私たちがご提案する原料は、天然だからという理由ではなく、原料としてパフォーマンスが良いことを前提にお勧めしています。そこへ近年は、化粧品メーカー様の中でも“環境に配慮した原料を”という意識が高まり、天然由来のものが選ばれる頻度が上がってきたと思います。例えば弊社では、ジャガイモデンプンや、マメ科のタラという植物から採れるタラガムという原料などを扱っています。生産段階から、環境負荷や食料供給に影響のない材料であることも確認して調達をしています。」

同社の事業では、研究開発や特許の取得も重要となります。「特許出願に関する助成や、産業技術研究センターの利用助成など、区のサポートはありがたいですね。」また同社は、区の「すみだリーディングファクトリー」でSDGs推進部門に選定されています。「選定の背景の一つに、ツバキ種子油に関する事業があります。このツバキ種子油は東京都利島村で生産されており、弊社では持続可能な素原料の確保、そして伝統産業の継承への貢献を目的に、収穫作業のお手伝いとして大学生の派遣を行っています。今後区内の大学とも連携し、この事業も継続的に行えたらと期待しています。」区のサポートをうまく活用して事業活動を発展させることで、素原料生産者の事業継続や、伝統産業を未来へと受け継ぐ活動へとつながっています。

アサヒユウアスはアサヒグループが2022年1月に新たに始めた会社で、様々な企業とSDGsに関わる活動を行っています。「すみだモダン」に認定された“森のタンブラー”もその一つ。「アサヒとパナソニックが共同開発した“森のタンブラー”は、植物繊維を活用した世界初のエコカップです。こちらをはじめ様々な活動が認められて“すみだモダンブルーパートナー”の認定を受けました。2021年には、この“森のタンブラー”を活用したごみ削減の実証実験も実施しました。対象店舗に“森のタンブラー”を持参すると、テイクアウト商品購入時に割引が受けられるなどの特典を用意し、プラスチックごみの削減へとつなげる試みです。」ほかにも、衣料品業界との共創事業など、業界の垣根を越えて様々な取組を行う同社。「我慢や無理を強いるようでは、サステナビリティの取組が生活に根付くことは難しいと考えます。生活者にとってすごく身近な“衣”や“食”を通じて、おしゃれに楽しく続けられる取組を広めたいと思っています。」

また同社では、次世代に向けたサステナブルなライフスタイルを提案する「UPCYCLE B」プロジェクトにも取り組んでいます。区内にある「東京隅田川ブルーイング」では、廃棄コーヒー豆を使った「蔵前BLACK」や、“パン耳”をアップサイクルした「蔵前WHITE」といったサステナブルクラフトビールが誕生してきました。この活動では、廃棄物の削減・有効活用を推進しながら、障害のある方の多様な就労機会を生み出すことで、地域経済の活性化をめざしています。「SDGsへの取組は、地域が一丸となることでより大きく広がる可能性を持っています。例えば1つの商店街で、ドリンクはタンブラーを、お(そう)(ざい)はお弁当箱などを持参して購入する活動を行えば、大幅なプラスチックごみの削減が期待できます。地域全体が“量り売りの街”となるイメージです。」同社が業界の垣根を越えて様々な活動を実施してきたように、私たちも「一緒にやろうよ」と声を掛け合うことで、それが地域の大きな活動へとつながっていくのかもしれません。

スポーツクラブの運営や介護・リハビリ事業など様々な事業を展開するルネサンス。「私たちはSDGsという概念が生まれる前から、“生きがい創造企業”という企業理念のもと、事業活動を通して社会に貢献してまいりました。スポーツクラブでは子どもから大人まで幅広い層に向けたスクールなどを運営しています。一方で、そのノウハウを()かし、介護リハビリに特化した“元氣ジム”というデイサービス事業も行っています。このような事業を通じて、多くの方の健康を支援していきたいと考えています。」また同社は、区からの受託事業として、区の健康施策にも携わっています。「例えば、当社の施設を使って開催する、高齢者向けの水中ウォーク教室などがその一つです。そのほか、区の介護予防事業に携わるボランティアを育成する介護予防サポート講座なども実施しています。」このように、幅広い健康づくりに関する事業を継続することが公共の福祉にも還元されており、企業と区が連携することで健康で豊かなまちづくりが加速していきます。

現在は働き方の多様化など様々な変化によって、健康面の課題も多様に。そんな中、同社は健康経営®の普及・啓発を支援する「健康経営会議実行委員会」の事務局を担っています。「会議では、コロナ禍での健康づくりや働き方のあり方について提言をさせていただいています。また区内の企業に向けて体力測定や健康セミナーを行うなど、“健康経営”の実践も支援しています。」最近では、より多様な環境で暮らす方々に向けた事業展開も行っています。「スポーツインストラクターによるオンラインレッスンの動画配信を実施しています。このような取組は、地方で暮らす方はもちろん、感染症対策として外部の人の受け入れが難しくなっている介護施設などでも活用されています。」多様化する健康課題にいち早く目を向け、時代や地域のニーズに合わせた取組が、私たちの健康を支えています。

備考1:「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

花王と消費者をつなぐ「販売」という最終プロセスを担う、花王グループカスタマーマーケティング。同社は昨年1月社会コミュニケーション部門を新設し、清潔・美・健康分野での花王の知見を活用した、様々な啓発活動を行っています。花王は、生活者の持続可能なこころ豊かな暮らし「Kirei Lifestyle」が何よりも大切だと考え、その実現に向けた取組がSDGsへの貢献にもつながっていると考えています。「例えば、洗剤やヘアケア製品、全身洗浄料などは、現在8割から9割が詰替えタイプを購入いただいています。この詰替えパウチは特殊な素材のためこれまではリサイクルが難しかったのですが、その詰替えパウチのリサイクルにも取り組んでいます。また主力商品の一部では、100パーセント再生プラスチック容器を使ったものも販売しています。メーカーの責任として、これらプラスチック製包装容器の回収とその水平利用への取組を今後さらに強化したいと考えています。」

区内でも、これまで様々な啓発活動を行っています。「弊社は、以前からすみだ環境フェアに出展しています。昨年は、花王国際こども環境絵画展の入賞作の展示を行いました。今後は、お子さんが参加しながら環境について学べるクイズなど、イベントも実施していければと思っています。」このほか、社員自らが講師となって、様々な啓発セミナーも実施。保育園や幼稚園での手洗い講座、小学校・中学校、高校でのプラスチックごみ講座、大学や介護施設でのメイク講座など、幅広く展開しています。「コロナの感染拡大状況に応じて、オンライン講座や、感染症対策をしっかり行っての出張講座を開催しています。花王の持つ知識・知見を活用し、ご要望に合わせて暮らしに役立つ情報を提供しています。また、提供する場もさらに増やしていきたいと考えています。」積み重ねてきた、清潔・美・健康への取組は、商品としてだけではなく、様々な形で私たちの生活を豊かにしてくれています。

このページは広報広聴担当が担当しています。