すみだ区報2020年7月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第24回は、京島で三善豆腐工房を営む傍ら、食育活動にも熱心に取り組まれている平田慎吾さんです。

平田慎吾さん(押上在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

前回のすみだ人の佐伯さんと同じく、食育活動に取り組んでいます。毎年10月に、地域のお客さんや豆腐職人の仲間たちで、取引先の農家へお邪魔する枝豆収穫のイベントを開催しています。お豆腐の原材料である大豆について知識を深め、自分自身で収穫することで、普段食べているお豆腐ができるまでにどれだけ手間暇がかかるのかを理解してもらいます。

そして、なんと言っても採れたての枝豆の抜群の美味(おい)しさと、大豆畑に広がる豊かな里山を楽しんでもらいたいですね。普段都会で生活している子どもが、イベントの合間に畑で泥だらけになって遊び、自然と触れ合っている姿を見ると(うれ)しく感じます。いつもとは違う環境で遊ぶことで、実は枝豆に細かい毛が生えていることなど、小さな発見もあります。自然の中で、子どもにそのような体験をしてもらうことに意味があると考えています。

ほかには、文花児童館で毎年、お豆腐作りの体験を行っています。どちらも、イベントの終わりに子どもたちと親御さんの笑顔が見られ、とても喜んでいただけるので毎回やりがいを感じています。

食育の講義をしているところです。お豆腐はどうやって出来るのか、分かりやすく説明します。「職人魂で熱く語っちゃいます」と平田さん。
子どもたちと一緒に枝豆を収穫。みんな普段見られない土が付いた枝豆や虫に大はしゃぎだそうです。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

15年くらい前の話になりますが、当時は枝豆収穫のイベントに加えて、農家の田んぼを借りて田植えや稲刈り体験もやっていて(稲刈り体験は東日本大震災をきっかけに休止)、バスを貸し切って総勢50人くらいでワイワイ楽しく活動していました。毎年このような活動をしている中で、ある時、区役所(保健計画課)の職員から「平田さんのやっている活動は、まさに〝食育〞事業でやろうとしていること。ぜひ、区の食育活動に協力してもらえないか。」というお話があり、それがきっかけで、食育推進委員になりました。

当時、〝食育〞という言葉も一般的にあまり知られていないような頃で、私のような活動をしている人が、あまり区内にいなかったのかも知れません。そういった経緯で、区の食育事業の立ち上げ時から参加させていただいています。

Q. 平田さんは、すみだのどんなところが好きですか?

やっぱり、〝地縁が強い地域〞だということですね。昔からの顔見知りということもありますが、地域で何かをやるとなると、自然とつながり、協力ができる関係です。最近は高齢化が進み、地元のお祭りをするにしても一苦労ですが、青年部を立ち上げるなど活性化を試みています。

そう言えば私は、地元ではいつまで経っても若手扱いで、「慎吾ちゃん」と呼ばれていますよ。例えば、サラリーマンとして会社を定年になった人でも地元に戻ったら〝新人〞。私のような地元で育った人間や、会社を定年になり地域に入ろうとされる方にとっても、新しく墨田区に来られた方にとっても、いつでもつながりたい時につながれる土地柄であると良いと思いますね。

次回登場してくださるのは・・・

京一旭町会長、高木神社の氏子総代、四丁目睦の会長として地域の祭礼、伝統行事の継承にご尽力されている渡邉伸一さんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223