○墨田区中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例
昭和53年9月30日
条例第30号
(目的)
第1条 この条例は、中高層建築物の建築に係る計画等の事前公開並びに紛争のあっせん及び調停に関し必要な事項を定めることにより、良好な近隣関係を保持し、もって地域における健全な生活環境の維持及び向上に資することを目的とする。
(平14条51・一部改正)
(1) 中高層建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第2条第1号に規定する建築物で、高さが10メートルを超えるもの(東京都中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例(昭和53年東京都条例第64号)が適用される中高層建築物を除く。)をいう。
(2) 特定中高層建築物 中高層建築物のうち、延べ面積が1,000平方メートルを超えるもの(次号に掲げるものを除く。)又は高さが15メートルを超え、20メートル以下のものをいう。
(3) 特別特定中高層建築物 中高層建築物のうち、高さが20メートルを超えるものをいう。
(4) 紛争 中高層建築物の建築に伴って生ずる日照、通風及び採光の阻害、風害、電波障害等並びに工事中の騒音、振動等の周辺の生活環境に及ぼす影響に関する近隣関係住民と建築主との間における紛争をいう。
(5) 近隣関係住民 隣接関係住民及び周辺関係住民をいう。
(6) 隣接関係住民 次に掲げる者をいう。
ア 中高層建築物の敷地境界線からその高さと等しい水平距離の範囲内に居住する者
イ 冬至日における真太陽時の午前8時から午後4時までの間に中高層建築物から受ける日影が2時間以上となる範囲内に居住する者
(7) 周辺関係住民 次に掲げる者をいう。
ア 前号に掲げる者を除き、中高層建築物の敷地境界線からその高さの2倍の水平距離の範囲内に居住する者及び当該範囲内にある土地又は建築物に関して権利を有する者
(8) 建築主 中高層建築物に関する法第2条第16号に規定する建築主をいう。
(9) 設計者 中高層建築物に関する法第2条第17号に規定する設計者をいう。
(10) 工事監理者 中高層建築物に関する法第2条第11号に規定する工事監理者をいう。
(11) 工事施工者 中高層建築物に関する法第2条第18号に規定する工事施工者をいう。
(12) 解体工事 建築物その他の工作物の全部又は一部を解体する工事をいう。
(平14条51・平28条19・一部改正)
(区長の責務)
第3条 区長は、紛争を未然に防止するよう努めるとともに、紛争が生じたときは、迅速かつ適正に調整するよう努めなければならない。
(当事者等の責務)
第4条 建築主、設計者、工事監理者及び工事施工者は、中高層建築物の建築に際しては、周辺の生活環境に及ぼす影響に十分配慮するとともに近隣関係住民からの問合せ等に誠意をもって対応する等、良好な近隣関係を損なわないよう努めなければならない。
2 建築主及び近隣関係住民は、紛争が生じたときは、相互の立場を尊重し、互譲の精神をもって、自主的に解決するよう努めなければならない。
(平14条51・平28条19・一部改正)
(標識の設置等)
第5条 建築主は、中高層建築物を建築しようとするときは、近隣関係住民に建築に係る計画の周知を図るため、当該建築敷地の見やすい場所に、墨田区規則(以下「規則」という。)で定める手続をしようとする日の15日前(特定中高層建築物の建築にあっては30日前、特別特定中高層建築物の建築にあっては60日前)までに、標識を設置しなければならない。ただし、区長が特に必要があると認めるときは、当該標識を設置した日から規則で定める手続をしようとする日までの期間を短縮することができる。
2 建築主は、前項の規定により標識を設置したときは、速やかに、その旨を規則で定めるところにより、区長に届け出なければならない。
(平14条51・平28条19・一部改正)
(説明会の開催等)
第6条 建築主は、中高層建築物(特別特定中高層建築物を除く。)を建築しようとする場合においては、当該建築に係る計画及び工事の内容について、次の各号に掲げる者に対し、説明会を開催し、又は戸別訪問による説明を行わなければならない。
(1) 隣接関係住民(第2条第6号ウに掲げる者を除く。)
(2) 周辺関係住民及び第2条第6号ウに掲げる者で、当該計画についての説明を受けたい旨を申し出たもの
(1) 前条第1項の規定により標識を設置した場合 当該標識を設置した日から15日以内に当該特別特定中高層建築物の建築に係る計画の内容についての説明会
(2) 工事施工者を決定した場合 当該特別特定中高層建築物の建築に係る工事の内容についての説明会
(3) 前条第1項の規定により標識を設置した後に当該建築敷地において解体工事を行う場合 当該解体工事の内容についての説明会又は戸別訪問による説明
(平14条51・全部改正、平28条19・一部改正)
(あっせん)
第7条 区長は、建築主と近隣関係住民との双方から紛争の調整の申出があったときは、あっせんを行う。
2 区長は、前項の規定にかかわらず、建築主又は近隣関係住民の一方から調整の申出があった場合において、相当な理由があると認めるときは、あっせんを行うことができる。
3 区長は、前2項の規定によりあっせんを行うときは、双方の主張の要点を確かめ、紛争が解決されるよう努めなければならない。
(平28条19・一部改正)
(あっせんの打切り)
第8条 区長は、当該紛争について、あっせんによっては紛争の解決の見込みがないと認めるときは、あっせんを打ち切ることができる。
(調停)
第9条 区長は、前条の規定によりあっせんを打ち切った場合において、必要があると認めるときは、当事者に対し、調停に移行するよう勧告をすることができる。
2 区長は、前項に規定する勧告をした場合において、当事者の双方がその勧告を受諾したときは、調停を行う。
4 区長は、調停を行うに当たって必要があると認めるときは、調停案を作成し、当事者に対し、期間を定めてその受諾を勧告することができる。
5 区長は、調停を行うに当たっては、墨田区建築紛争調停委員会条例(昭和53年墨田区条例第31号)に基づく墨田区建築紛争調停委員会の意見を聴かなければならない。
(調停の打切り)
第10条 区長は、当事者間に合意が成立する見込みがないと認めるときは、調停を打ち切ることができる。
2 前条第4項の規定による勧告が行われた場合において、定められた期間内に当事者の双方から受諾する旨の申出がないときは、当該調停は打ち切られたものとみなす。
(手続の非公開)
第11条 あっせん又は調停の手続は、公開しない。
(平14条51・追加)
(出頭)
第12条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者の出頭を求め、その意見を聴くことができる。
(平14条51・旧第11条繰下)
(関係図書の提出)
第13条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、当事者に対し、関係図書の提出を求めることができる。
(平14条51・旧第12条繰下)
(工事着手の延期等の要請)
第14条 区長は、あっせん又は調停のため必要があると認めるときは、建築主に対して、期間を定めて工事の着手の延期又は工事の停止を要請することができる。
(平14条51・旧第13条繰下)
(公表)
第15条 区長は、次の各号のいずれかに該当し、かつ、必要があると認めるときは、その旨を公表することができる。
(3) 建築主が、正当な理由がなく、第6条第4項の規定による報告を行わないとき。
(5) 建築主が、正当な理由がなく、前条の規定による工事の着手の延期又は工事の停止の要請に従わないとき。
2 区長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ、公表の対象となる者に対してその旨を通知し、意見陳述の機会を与えなければならない。
(平14条51・全部改正・旧第14条繰下)
(平14条51・旧第15条繰下、平28条19・一部改正)
付則
この条例は、規則で定める日から施行する。
(昭和53年規則第41号により昭和53年10月12日から施行)
付則(平成14年12月9日条例第51号)
1 この条例は、平成15年4月1日から施行する。
2 この条例による改正後の墨田区中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例(以下「新条例」という。)第5条、第6条及び第15条の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後に、新条例第5条第1項の規定により設置する標識に係る中高層建築物の建築について適用し、施行日前にこの条例による改正前の墨田区中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例第5条第1項の規定により設置した標識に係る中高層建築物の建築については、なお従前の例による。
付則(平成28年3月30日条例第19号)
1 この条例は、平成28年4月1日から施行する。
2 この条例の施行の際現にこの条例による改正前の第5条第1項の規定により標識が設置されている中高層建築物の建築に係る手続、説明会の開催等については、この条例による改正後の第5条及び第6条の規定にかかわらず、なお従前の例による。