○墨田区特定法定外公共物等管理条例

平成29年12月11日

条例第44号

(目的)

第1条 この条例は、区内に存する特定法定外公共物等の管理及び利用に関し必要な事項を定めることにより、特定法定外公共物等の適正な管理を図り、もって公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「特定法定外公共物等」とは、次に掲げるもので、一般公共の用に供するものをいう。

(1) 区有地における道(道路法(昭和27年法律第180号)又は墨田区有通路条例(平成29年墨田区条例第45号)の適用を受けるものを除く。以下同じ。)及びこれに付属する工作物、物件又は施設(以下「工作物等」という。)

(2) 区有地における河川法(昭和39年法律第167号)の適用又は準用を受けない河川、水路、溝きょ(暗きょ化されたものを除く。以下同じ。)その他これらに類するもの及びこれらに付属する工作物等

(3) 前2号に掲げるもののほか、区が管理する道及び水路、溝きょその他これらに類するもの並びにこれらに付属する工作物等で墨田区規則(以下「規則」という。)で定めるもの

(私権の制限)

第3条 特定法定外公共物等を構成する土地及び工作物等については、私権を行使することができない。ただし、所有権を移転し、又は抵当権を設定し、若しくは移転することを妨げない。

(区長の責務)

第4条 区長は、特定法定外公共物等を常に良好な状態に維持し、適正な利用が図られるよう努めるものとする。

(区域の決定等)

第5条 区長は、特定法定外公共物等について、幅員、延長及び面積(以下「区域」という。)を定めるものとする。ただし、国有財産特別措置法(昭和27年法律第219号)第5条第1項第5号の規定により国から譲与を受けた土地を含む特定法定外公共物等で、区長が認めるものは、この限りでない。

2 区長は、必要があると認めるときは、前項本文の規定により定めた区域を変更することができる。

(路線の指定等)

第6条 区長は、第2条第1号又は第3号の道及びこれらに付属する工作物等(以下「管理道路」という。)のうち必要と認めるものについて、起点及び終点を定めた位置(以下「路線」という。)を指定するものとする。

2 区長は、必要があると認めるときは、前項の規定により指定した路線の全部若しくは一部を廃止し、又は変更することができる。

(告示)

第7条 区長は、第5条第1項の規定により特定法定外公共物等の管理を開始し、若しくは同条第2項の規定により区域を変更し、又は前条第1項の規定により路線を指定し、若しくは同条第2項の規定により路線を廃止し、若しくは変更したときは、規則で定める事項を告示するものとする。

(台帳)

第8条 区長は、特定法定外公共物等について、台帳を整備し、及びこれを保管するものとする。

(禁止行為)

第9条 何人も、特定法定外公共物等に関し、みだりに次に掲げる行為をしてはならない。

(1) 特定法定外公共物等を損傷し、又は汚損すること。

(2) 特定法定外公共物等に土石、竹木、汚物等を堆積し、又は投棄すること。

(3) 特定法定外公共物等に汚水等を排出すること。

(4) 特定法定外公共物等に車両、船舶等を放置し、若しくは放置させ、又は放置し、若しくは放置させようとする者に協力すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、特定法定外公共物等の保全又は利用に支障を及ぼすおそれのある行為をすること。

(利用の禁止又は制限)

第10条 区長は、次の各号のいずれかに該当するときは、特定法定外公共物等の構造を保全し、又は利用に対する危険を防止するため、区間を定めて特定法定外公共物等の利用を禁止し、又は制限することができる。

(1) 特定法定外公共物等の破損、決壊等の理由により利用が危険であると認めるとき。

(2) 特定法定外公共物等に関する工事(特定法定外公共物等の改築又は修繕に関する工事をいう。以下同じ。)のため、やむを得ないと認めるとき。

2 区長は、前項の規定により特定法定外公共物等の利用を禁止し、又は制限しようとするときは、禁止又は制限の対象その他規則で定める事項を記載した標識を設置するものとする。

(占用の許可)

第11条 特定法定外公共物等において占用(特定法定外公共物等に工作物等を設け、継続して特定法定外公共物等を使用することをいう。以下同じ。)しようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ区長に申請し、その許可を受けなければならない。許可を受けた事項を変更しようとするときも、同様とする。

2 区長は、特定法定外公共物等の管理のため必要があると認めるときは、前項の許可(以下「占用許可」という。)に際し、条件を付すことができる。

(国等の特例)

第12条 国又は地方公共団体が特定法定外公共物等を占用しようとするときは、前条第1項の規定にかかわらず、あらかじめ区長と協議し、その同意を得れば足りる。

(占用物件の維持管理等)

第13条 占用許可を受けた者(以下「占用者」という。)は、設けた工作物等を常に良好な状態に維持し、及び管理しなければならない。

2 区長は、占用者に対し、前項の規定による維持管理の状況について必要な報告を求めることができる。

3 占用者は、前項の報告を求められたときは、速やかに当該工作物等の状況を調査し、区長に報告しなければならない。

(占用料)

第14条 占用者は、占用料を納めなければならない。ただし、国又は地方公共団体が特定法定外公共物等を占用するときは、この限りでない。

2 占用料の額、減免及び徴収方法については、墨田区道路占用料等徴収条例(昭和47年墨田区条例第12号)の例による。

(占用者の氏名等の変更)

第15条 占用者は、氏名又は住所(法人にあっては、その名称、代表者の氏名又は主たる事務所の所在地)を変更したときは、遅滞なく区長に届け出なければならない。

(権利の譲渡等の制限等)

第16条 占用者は、占用許可に基づく権利を他人に譲渡し、貸し付け、又は担保に供してはならない。ただし、あらかじめ区長の許可を受けたときは、この限りでない。

2 占用者について、相続、合併又は分割があったときは、相続人、合併後に存続する法人、合併により設立された法人又は分割により占用許可に係る事業を承継した法人は、占用者が有していた占用許可に基づく地位を承継する。

3 前項の規定により地位を承継したものは、その旨を速やかに区長に届け出なければならない。

(原状回復)

第17条 占用者は、特定法定外公共物等の占用の期間が満了した場合又は占用を廃止した場合は、速やかに特定法定外公共物等を原状に回復し、区長の確認を受けなければならない。ただし、区長が原状に回復することが適当でないと認めるときは、この限りでない。

(区長以外の者の工事)

第18条 区長以外の者は、特定法定外公共物等に関する工事又は特定法定外公共物等の維持(以下「工事等」という。)を行おうとするときは、その工事の設計及び維持の計画について、あらかじめ区長の承認を受けなければならない。

2 区長は、特定法定外公共物等の管理又は利用のため必要があると認めるときは、前項の承認(以下「工事等の承認」という。)に際し、条件を付すことができる。

(工事原因者に対する工事施行命令等)

第19条 区長は、特定法定外公共物等に関する工事以外の工事(以下「他の工事」という。)により必要を生じた工事等又は特定法定外公共物等を損傷し、若しくは汚損した行為若しくは特定法定外公共物等の補強、拡幅その他特定法定外公共物等の構造の現状を変更する必要を生じさせた行為(以下「他の行為」という。)により必要を生じた工事等を、他の工事の執行者又は他の行為の行為者に施行させることができる。

2 区長は、他の工事又は他の行為により必要を生じた工事等の費用については、その必要を生じた限度において、他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一部を負担させることができる。

(監督処分)

第20条 区長は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、占用許可若しくは工事等の承認を取り消し、その効力を停止し、若しくはその条件を変更し、又は工事若しくは行為の中止、特定法定外公共物等に存する工作物等の改築、移転若しくは除却、当該工作物等により生ずべき損害を予防するために必要な措置を講ずること、若しくは特定法定外公共物等を原状に回復することを命ずることができる。

(1) この条例又はこの条例の規定に基づく規則若しくは処分に違反している者

(2) 占用許可又は工事等の承認に付した条件に違反している者

(3) 偽りその他不正な手段により占用許可又は工事等の承認を受けた者

2 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、占用者又は工事等の承認を受けた者に対して、前項に規定する処分をし、又は同項に規定する措置等をとることを命ずることができる。

(1) 特定法定外公共物等に関する工事のため、やむを得ない必要が生じたとき。

(2) 特定法定外公共物等の構造又は利用に著しい支障が生じたとき。

(3) 前2号に掲げる場合のほか、特定法定外公共物等の管理上の事由以外の事由に基づく公益上やむを得ない必要が生じた場合

3 区長は、前2項の規定により措置等をとることを命じようとする場合において、過失がなくて当該措置等を命ずべき者を確知することができないときは、当該措置等を自ら行うことができる。この場合において、区長は、相当の期限を定めて、当該措置等を行うべき旨及びその期限までに当該措置等を行わないときは、区長が自ら当該措置等を行う旨を、あらかじめ告示するものとする。

4 区長は、前項の規定により工作物等を除却したときは、当該工作物等を保管するものとする。

5 区長は、前項の規定により工作物等を保管したときは、当該工作物等の占有者、所有者その他当該工作物等について権原を有する者(第9項において「工作物等の占有者等」という。)に対し当該工作物等を返還するため、規則で定めるところにより、規則で定める事項を告示するものとする。

6 区長は、第4項の規定により保管した工作物等(管理水路(第2条第2号に規定する河川、水路、溝きょその他これらに類するもの及び同条第3号に規定する水路、溝きょその他これらに類するもの並びにこれらに付属する工作物等をいう。以下同じ。)に存在していたものに限る。以下この条において同じ。)が滅失し、若しくは破損するおそれがあるとき、又は前項の規定による告示の日から起算して3月を経過してもなお当該工作物等を返還することができない場合において、規則で定めるところにより評価した当該工作物等の価額に比し、その保管に不相当な費用若しくは手数を要するときは、規則で定めるところにより、当該工作物等を売却し、その売却した代金を保管することができる。

7 区長は、前項の規定による工作物等の売却につき買受人がない場合において、同項に規定する価額が著しく低いときは、当該工作物等を廃棄することができる。

8 第6項の規定により売却した代金は、売却に要した費用に充てることができる。

9 第3項から第6項までの規定による工作物等の除却、保管、売却その他の措置等に要した費用は、当該工作物等の返還を受けるべき工作物等の占有者等の負担とする。

(違法放置等物件に対する措置)

第21条 区長は、第9条第2号又は第5号の規定に違反して、管理道路を通行している車両から落下して管理道路に放置された当該車両の積載物、管理道路に設置された看板その他の管理道路に放置され、又は設置された物件(以下この条において「違法放置等物件」という。)が、管理道路の構造に損害を及ぼし、若しくは交通に危険を及ぼし、又はそれらのおそれがあると認められる場合であって、次の各号のいずれかに該当するときは、当該違法放置等物件を自ら除却することができる。

(1) 当該違法放置等物件の占有者、所有者その他当該違法放置等物件について権原を有する者(以下この条において「違法放置等物件の占有者等」という。)に対し、前条第1項の規定により措置等をとることを命じた場合において、当該措置等をとることを命ぜられた者が当該措置等をとらないとき。

(2) 当該違法放置等物件の占有者等が現場にいないために、前条第1項の規定により措置等をとることを命ずることができないとき。

2 前条第4項から第9項までの規定は、前項の規定により区長が違法放置等物件を自ら除却した場合について準用する。この場合において、同条第4項第5項及び第7項から第9項までの規定中「工作物等」とあるのは「違法放置等物件」と、同条第6項中「工作物等(管理水路(第2条第2号に規定する河川、水路、溝きょその他これらに類するもの及び同条第3号に規定する水路、溝きょその他これらに類するもの並びにこれらに付属する工作物等をいう。以下同じ。)に存在していたものに限る。以下この条において同じ。)」とあるのは「違法放置等物件」と、「当該工作物等」とあるのは「当該違法放置等物件」とそれぞれ読み替えるものとする。

(監督処分に伴う損失の補償)

第22条 区長は、第20条第2項第2号又は第3号の規定による処分に関し、当該処分により損失を受けた者があるときは、その者に対して通常受けるべき損失を補償するものとする。

(立入調査)

第23条 区長は、特定法定外公共物等に関する調査、測量若しくは工事又は特定法定外公共物等の維持(以下「調査等」という。)のためやむを得ない必要がある場合は、その職員を、調査等に係る特定法定外公共物等に隣接し、又は近接する他人の土地に立ち入らせることができる。

2 前項の規定により他人の土地に立ち入ろうとする場合においては、あらかじめ当該土地の占有者にその旨を通知するものとする。ただし、あらかじめ通知することが困難な場合は、この限りでない。

3 第1項の規定により他人の土地に立ち入る職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(用途廃止)

第24条 区長は、特定法定外公共物等が次の各号のいずれかに該当する場合は、当該特定法定外公共物等としての用途を廃止するものとする。

(1) 現況が機能を喪失し、将来においても機能回復する見込みがない場合

(2) 代替施設の設置により、当該特定法定外公共物等を存置する必要がない場合

(3) 前2号に掲げるもののほか、区長が特定法定外公共物等として存置する必要がないと認める場合

(過料)

第25条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。

(1) 第9条の規定に違反した者

(2) 第10条第1項の規定に違反して特定法定外公共物等を利用した者

(3) 第20条第1項及び第2項の規定による区長の命令に違反した者

(両罰規定)

第26条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関し前条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の過料を科する。

(委任)

第27条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。

(墨田区公共溝渠管理条例の廃止)

2 墨田区公共溝渠管理条例(昭和28年墨田区条例第8号)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の際、現に一般公共の用に供している管理道路及び管理水路については、この条例の施行の日以後は、この条例に規定する特定法定外公共物等とみなす。この場合において、当該管理道路及び管理水路の区域については、第5条の規定にかかわらず、第7条の規定による告示がなされるまでの間、この条例の施行の日の現況により管理することができるものとする。

4 この条例の施行の日前に、墨田区有通路条例による改正前の墨田区有通路条例(昭和44年墨田区条例第8号)第8条の規定により準用する同条例の規定により区長に対して行われた許可の申請その他の行為及び付則第2項の規定による廃止前の墨田区公共溝渠管理条例の規定により区長に対して行われた許可の出願その他の行為又はこれらに対し区長が行った許可その他の行為は、この条例の相当規定により区長に対して行われた申請その他の行為又は区長が行った許可その他の行為とみなす。この場合の占用料は、第14条第2項の規定にかかわらず、当該許可に係る期間が満了するまでの間は、なお従前の例による。

(墨田区私道整備助成条例の一部改正)

5 墨田区私道整備助成条例(昭和58年墨田区条例第13号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

墨田区特定法定外公共物等管理条例

平成29年12月11日 条例第44号

(平成29年12月11日施行)