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更新日:2019年5月3日
取材日:2019年4月24日
担当者:経営支援課 宮里
有限会社岩井金属金型製作所(墨田区八広1-4-3)
マンションやお店が立ち並ぶ曳舟川通りから路地に入ってすぐのところに、新築されたモダンな建物が建っていました。その建物は今年2月に建設された「岩井金属金型製作所」の新工場でした。今回、取材するにあたり、金属プレス工場ということで機械がガチャンガチャンと音を立てて稼働している風景を想像していたので、おしゃれな建物を目の前にして思わず通り過ぎそうになりましたが、建物の中に入るとそこには、職人2、3人が慣れた手つきでプレス機を動かしており、その姿はまさしくイメージしていた町工場そのものでした。今回は同社の3代目である岩井保王さんにお話しをお伺いしました。
1階が工場で2、3階が住居の住工一体型の新工場
3代目・岩井 保王 さん
金型の設計から試作、量産、二次加工まで一貫してできる対応力
岩井金属金型製作所は、現社長の祖父である 岩井 巳之吉 氏が1935年に墨田区本所にて創業しました。当時は鈴の金型を製作し、空襲のため茨城に逃れた後、1950年に現在の八広の場所で再スタートしたとのことです。以降、ライターケースの金型など、深絞りの型を多く取り扱っていました。現社長の 岩井 保王 氏が入社してからは、「金型だけではだめだ」と思い、プレス加工の技術を身に着けました。またワイヤーカット放電加工機やマシニングセンタの導入により、プレス以外の二次加工も行えるようになり、仕事の幅を広げていきました。
同社の強みは、金型の設計から二次加工までワンストップで行うことで、コストの削減と顧客のニーズに合わせた対応が実現できる点にあります。また、スタッフ全員がセッティングから加工、検査までの一連の流れを対応できるように、作業のマニュアル化と技術の承継にも積極的に取り組んでいるそうです。最近では工具を収める棚を自分で設計し、新工場に設置することで作業の効率化を図っています。常に先を見据える岩井さんの前向きな姿勢がうかがえました。
ワイヤーカット放電加工機
整理された工具
新たなチャレンジで新時代を切り拓く
新工場の設立にあたっては、老朽化がきっかけとなりましたが、それ以上に「他の人がやらないことをやってやる。」というチャレンジ精神があったようです。新工場のコンセプトは「工場らしくない工場」。スタイリッシュな外観はまさにそれを表現しているように感じました。
今後はさらに、材料の調合などを行う化学分野や機械製造など新しいことにも挑戦し、「将来的にはここを中心に、サテライト工場を増やしていきたい。」と熱い想いを語ってくれました。
令和のスタートとともに、下町の町工場が新たな拠点から、新たな時代を切り拓いていく可能性を感じました。
岩井さん、お忙しい中、貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。
取材先情報
有限会社岩井金属金型製作所
〒131-0041 東京都墨田区八広1-4-3
ホームページ:http://iwaikinzoku.com/(外部サイト)
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