誰もが幸せに生きるため、生まれながらに平等に持っている人権。一口に人権と言っても、その種類は様々です。皆さんのすぐ近くにある人権について、考えてみてください。
[問合せ]人権同和・男女共同参画課人権同和担当 電話:03-5608-6322
日本では、性別による固定的な役割分担意識がいまだに残っており、政治・経済活動や意思決定への参加機会における男女間格差が、諸外国と比較して大きいなど、男女共同参画という観点で、様々な課題が存在しています。また、ストーカー行為や配偶者・交際相手等から受ける暴力(ドメスティック・バイオレンス)は重大な人権侵害です。
女性と男性が互いにその人権を尊重し合い、性別に関わりなく、仕事・家庭・地域のあらゆる分野での参画機会が確保され、個性と能力を発揮できる社会の実現をめざしましょう。
同和問題(部落問題)とは、日本社会の歴史的発展の過程で形作られた身分制度や歴史的・社会的に形成された人々の意識に起因する差別が、様々な形で現れている日本固有の重大な人権問題です。現在もなお、同和地区(被差別部落)の出身という理由で様々な差別を受け、基本的人権を侵害されている人々がいます。
このような差別をなくすためにも、私たち一人ひとりが同和問題について正しく理解し、差別を許さないことが大切です。
国は、毎年12月10日から16日までを「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」としています。これまで、北朝鮮から拉致被害者数名の帰国が実現しましたが、まだ帰国できていない拉致被害者については、十分な情報が提供されておらず、いまだ安否が確認されていません。
また、拉致問題の実態が明らかになってからは、国内に在住している韓国・朝鮮籍の人への嫌がらせなどの人権侵害が発生しています。
我が国の国民的課題であるこの問題について、正しい理解と認識を深めていくことが大切です。
子どもに関わる人権問題を解決するためには、家庭・学校・地域・関係機関等が連携し、子どもの人権について話し合い、理解する機会を多く設け、人権尊重の視点から取組を進めることが必要です。やがて社会の担い手となっていく子どもの健やかな成長を図るため、社会全体で支援していくことが大切です。
自立の意思がありながら、失業や家庭問題などの事情により野宿生活を余儀なくされている路上生活者(ホームレスの人)たちがいます。偏見や差別から、路上生活者たちへの嫌がらせや暴力事件などの人権侵害が発生しています。
路上生活者の置かれている状況や自立支援の必要性について理解を深め、偏見や差別をなくすことが大切です。
高齢者は、高齢という理由で社会参加や雇用の制限、賃貸住宅の契約拒否を受けたり、判断力の低下等から特殊詐欺被害や消費者被害に遭ったりすることがあります。また、介護の負担や認知症への理解不足により、親族等からの暴力・無視・財産奪取といった虐待を受けることがあります。
高齢者が、年齢を重ねることに喜びを感じ、住み慣れた地域で安心して暮らすために、私たち一人ひとりが高齢者の人権について考えていく必要があります。
12月3日から9日までは障害者週間です。障害のある方が自分らしく当たり前に生きたいと思っても、社会には取り除かなければならない様々なバリア(障壁)がいまだに存在しています。そのバリアは、障害のある方の側にではなく、障害のある方が暮らしているまちのあり方、制度のあり方、接する人の心のあり方に存在します。
私たち一人ひとりが自分の心の中にあるバリアを取り除き、障害のある方とない方が共に生きる、真のバリアフリー社会をめざしましょう。
性同一性障害とは、「からだの性」と「こころの性」が一致していないため、社会生活に支障がある状態を言います。体の性・性自認・性的指向などは、人により様々で、偏見や嫌がらせを受けて悩んでいる人々がいます。また、性的指向は、自分の意志で変えたり、選んだりできるものではないと言われています。
性の多様性について認め、正しく理解することで、偏見や差別をなくしていくことが必要です。
区では、職員が性的マイノリティーの人の人権を理解するため、専門家による研修を行いました。
今回紹介した人権以外にも、日常生活を振り返ってみると人権を取り巻く様々な問題があります。たとえば、外国人の人権問題や、犯罪被害者とその家族の人権問題、インターネット上でのプライバシーの侵害・
間違った知識や偏見で相手を傷つけ、人権を侵害することがないよう、一人ひとりが人権についてより深く理解し、お互いを思いやることが重要です。
様々な人権について掲載している冊子「人権感覚」をご覧ください。