すみだ区報（墨田区のお知らせ「すみだ」）　2021年12月11日号

　区では、区の予算と収入・支出の状況を年2回公表しています。今号では、2年度の各会計決算と3年度上半期の財政状況をお知らせします。なお、詳細は区ホームページでもご覧になれます。
［問合せ］財政担当　電話：03-5608-6232

備考1：端数処理により数値の合計が合わない場合があります

　2年度一般会計の歳入面では、特別区交付金は大幅に減少したものの、特別区税や国・都支出金の増収、特別区債の活用などにより、全体として前年度決算額を上回りました。こうした中で、新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に対応するため、「墨田区新型コロナウイルス感染症政策パッケージ」として、様々な対策を実施してきました。結果として、2年度の一般会計歳入歳出決算は、60億5,090万円の黒字決算となり（図1）、また、3つの特別会計も黒字決算でした（表1）。
　この決算を、自治体の財政状況を判断する指標でみると、財政の弾力性を示す経常収支比率は、82.9パーセント（前年度79.8パーセント）でした。また、公債費に充当した一般財源の割合を示す公債費負担比率は、3.3パーセント（前年度3.1パーセント）でした（図2）。

　2年度一般会計歳出決算額を人口27万5,975人（3年4月1日現在）で割った、区民1人あたりの金額55万8,278円の使い道は下表のとおりです。

国民健康保険特別会計

歳入	国民健康保険料	59億7,788万円	22.8パーセント
歳入	国・都支出金	161億8,511万円	61.6パーセント
歳入	繰入金・その他	40億9,290万円	15.6パーセント
歳入	歳入合計	262億5,589万円	100.0パーセント
歳出	保険給付費	154億8,726万円	61.2パーセント
歳出	国民健康保険事業費納付金	80億5,801万円	31.9パーセント
歳出	総務費・その他	17億4,320万円	6.9パーセント
歳出	歳出合計	252億8,847万円	100.0パーセント

介護保険特別会計

歳入	介護保険料	45億9,312万円	19.2パーセント
歳入	国・都支出金	84億6,792万円	35.4パーセント
歳入	支払基金交付金	53億5,863万円	22.4パーセント
歳入	繰入金・その他	54億6,972万円	23.0パーセント
歳入	歳入合計	238億8,939万円	100.0パーセント
歳出	保険給付費	192億2,288万円	87.1パーセント
歳出	総務費・その他	28億4,616万円	12.9パーセント
歳出	歳出合計	220億6,904万円	100.0パーセント

後期高齢者医療特別会計

歳入	後期高齢者医療保険料	25億9,319万円	42.7パーセント
歳入	繰入金・その他	34億8,510万円	57.3パーセント
歳入	歳入合計	60億7,829万円	100.0パーセント
歳出	広域連合納付金	53億8,434万円	90.0パーセント
歳出	総務費・その他	5億9,859万円	10.0パーセント
歳出	歳出合計	59億8,293万円	100.0パーセント

　

令和3年度の額は9月30日現在の数字です。

　新型コロナウイルス感染症の影響により、景気動向は不透明であり、感染状況が内外経済に与える影響には十分注意する必要があります。今年度の区政運営においては、区民の皆さんの安心・安全の確保など、緊急性の高い需要に対して迅速に対応するとともに、行財政改革による一層の財政健全化を進め、強固な財政基盤の構築に努めています。
　3年度上半期の収支状況は下表のとおりです（表2）。

会計区分	予算現額	収入額	支出額
一般会計	1,273億2,940万円	535億4,945万円（42.1パーセント）	481億4,424万円（37.8パーセント）
国民健康保険特別会計	257億9,100万円	117億3,126万円（45.5パーセント）	95億2,990万円（37.0パーセント）
介護保険特別会計	220億5,300万円	118億4,300万円（53.7パーセント）	90億958万円（40.9パーセント）
後期高齢者医療特別会計	59億7,500万円	28億5,989万円（47.9パーセント）	20億5,736万円（34.4パーセント）

備考1：収入額・支出額欄の（　）内の数字は、それぞれの予算現額に対する割合です。

＊国が定めた「統一的な基準」による財務書類（表3から表6）を公開します。

　会計年度末（基準日）時点で、区がどのような資産を保有し、その資産がどのような財源で賄われているのか、将来支払わなければならない負債がどのくらいあるかを示した表です。2年度は、資産合計が約3,998億円（A）、負債が約545億円（B）、差し引きで純資産は約3,453億円（C）となりました。

【資産の部】

借方	2年度末
固定資産	3,617億9,538万円
・有形固定資産（土地、建物等）	3,413億2,062万円
・無形固定資産（ソフトウェア等）	4億4,888万円
・投資その他資産（出資金等）	200億2,588万円
流動資産	379億 5,207万円
・現金預金	126億8,207万円
・未収金	27億9,155万円
・短期貸付金	2,795万円
・基金	227億9,938万円
・徴収不能引当金	△3億4,887万円
資産合計（A）	3,997億4,745万円

【負債・純資産の部】

貸方	2年度末
固定負債	466億7,592万円
・地方債	273億8,000万円
・長期未払金	32億9,513万円
・退職手当引当金	141億6,668万円
・その他	18億3,412万円
流動負債	77億8,919万円
・1年内償還予定地方債	25億346万円
・未払金	4億7,282万円
・賞与等引当金	13億3,262万円
・預り金	32億2,046万円
・その他	2億5,983万円
負債合計（B）	544億 6,511万円
純資産合計（C）	3,452億8,235万円
負債・純資産合計	3,997億4,745万円

　

　行政サービスに要したコスト（費用）と、受益者負担等の収益を示した表です。2年度は、純経常行政コストが約1,808億円（C）に対し、臨時損失が約3億円（D）、臨時利益が約7億円（E）でした。その結果、純行政コストは約1,804億円（F）となりました。このコストは区民の皆さんの税金や国および都からの交付金などで賄われています。

区分		総額
経常費用 業務費用	人件費（職員給与費、退職手当引当金繰入額等）	204億3,972万円
経常費用 業務費用	物件費等（物件費、減価償却費等）	340億9,867万円
経常費用 業務費用	その他の業務費用（徴収不能引当金繰入額等）	10億2,229万円
経常費用 移転費用	補助金等	900億3,920万円
経常費用 移転費用	社会保障給付	381億1,094万円
経常費用 移転費用	その他	19億3,414万円
経常費用	計（A）	1,856億4,496万円
経常収益	使用料及び手数料	21億6,112万円
経常収益	その他	27億2,011万円
経常収益	計（B）	48億8,123万円
純経常行政コスト	（C）＝（A）－（B）	1,807億6,373万円
臨時損失	資産除売却損	3億854万円
臨時損失	計（D）	3億854万円
臨時利益	資産売却益	2億4,812万円
臨時利益	その他	4億3,688万円
臨時利益	計（E）	6億8,500万円
純行政コスト	（F）＝（C）＋（D）－（E）	1,803億8,726万円
区民1人あたりの行政サービスに要したコスト		約65万円

備考1：区民1人あたりの行政サービスに要したコストは、3年1月1日現在の人口1人あたりで、算出しています。なお、公共施設の整備などの資産形成につながる支出は含まれません。

　貸借対照表（表3）の「純資産合計」に計上されている数値の1年間の変動を示した表です。元年度末の純資産残高が約3,388億円（A）に対し、2年度末の純資産残高は約65億円（B）増加し、約3,453億円（C）となりました。

区分	金額
前年度末純資産残高（A）	3,387億9,790万円
純行政コスト	△1,803億8,726万円
財源	1,868億3,092万円
財源 税収等	954億4,538万円
財源 国県等補助金	913億8,554万円
無償所管換等	4,079万円
本年度純資産変動額（B）	64億8,445万円
本年度末純資産残高（C）= （A）＋（B）	3,452億8,235万円

　

　一会計年度において、資金がどのように調達・活用されたかを、3つの区分に分けて示した表です。業務活動収支で、2年度は約110億円の余剰（A）が生じました。これが、道路・学校等の公共施設整備や、基金の積立・地方債の償還などの投資・財務的活動の財源となっています。2年度の資金収支は約2億円のマイナス（D）となったものの、歳計外現金が約4億円の増額（H）となったことから、年度末現金預金残高は、約127億円（J）となっています。

区分	金額
業務活動収支 業務支出（人件費、物件費、補助金、社会保障給付等）	1,790億1,798万円
業務活動収支 業務収入（税収、補助金、使用料及び手数料等）	1,899億8,388万円
業務活動収支 臨時支出（災害復旧事業費等）	0万円
業務活動収支 臨時収入	0万円
業務活動収支 計（A）	109億6,589万円
投資活動収支 投資活動支出（公共施設等整備費、基金積立金等）	167億1,575万円
投資活動収支 投資活動収入（資金売却、基金取崩等）	49億4,197万円
投資活動収支 計（B）	△117億7,378万円
財務活動収支 財務活動支出（地方債償還）	32億1,628万円
財務活動収支 財務活動収入（地方債発行）	38億1,700万円
財務活動収支 計（C）	6億72万円
本年度資金収支額（D）＝（A）＋（B）＋（C）	△2億718万円
前年度末資金残高（E）	91億4,121万円
本年度末資金残高（F）＝（D）＋（E）	89億3,403万円
前年度末歳計外現金残高（G）	33億3,017万円
本年度歳計外現金増減額（H）	4億1,786万円
本年度末歳計外現金残高（I）＝（G）＋（H）	37億4,803万円
本年度末現金預金残高（J）＝（F）＋（I）	126億8,207万円

　主要な公共施設における施設全体のコスト（人にかかるコスト、管理運営にかかるコストなど）の状況を明らかにし、区民1人あたりの税金充当額など単位別のコストを示した表です。これらのコストをもとに、より効率的・効果的な管理運営に努めていきます。

施設名称	すみだ女性センター	社会福祉会館	みどりコミュニティセンター	本所地域プラザ	八広地域プラザ	すみだ生涯学習センター	すみだトリフォニーホール	すみだ北斎美術館	スポーツプラザ梅若	墨田区総合体育館
施設全体のコスト	1億579万円	1億571万円	9,682万円	7,932万円	1億2,288万円	3億8,629万円	9億553万円	3億1,904万円	4,977万円	10億3,290万円
区民1人あたりの税金充当額	379円	380円	352円	288円	446円	1,402円	3,173円	812円	172円	3,749円

施設名称	すみだスポーツ健康センター	すみだ産業会館	いきいきプラザ	横川橋保育園	あおやぎ保育園	文花児童館	押上駅前自転車駐車場	錦糸町駅北口地下自転車駐車場	錦糸町駅南口地下自転車駐車場	すみだ郷土文化資料館
施設全体のコスト	2億1,227万円	7,526万円	5,406万円	2億9,952万円	3億2,760万円	5,637万円	1億919万円	1億3,790万円	4,829万円	1億2,456万円
区民1人あたりの税金充当額	764円	246円	136円	1,047円	1,137円	205円	212円	297円	106円	450円

備考1：広く区民に利用されている公共施設のうち、原則として受益者負担のある施設や利用者が相当数ある施設から、20施設を選定して作成しました。
備考2：各施設の行政コストなど詳細については、区ホームページをご覧ください。
備考3：区民1人あたりの税金充当額は、令和2年4月1日現在の人口1人あたりで、施設全体のコストから収入を差し引いた金額を算出したものです。

　財政状況を早期に把握し破綻を防ぐため、下表の4区分による健全化判断比率を算出しています。2年度決算では、4区分全てが国の定める早期健全化基準を下回り、区の財政が健全であることを示しています。

区分	墨田区	早期健全化基準（参考）
実質赤字比率	－	11.25パーセント
連結実質赤字比率	－	16.25パーセント
実質公債費比率	△1.2パーセント	25.0パーセント
将来負担比率	－	350.0パーセント

備考1：2年度決算では、全ての会計で黒字となったため、実質赤字比率・連結実質赤字比率は算出されませんでした。また、将来負担比率は、充当可能財源が将来負担額を上回ったため、算出されませんでした。