すみだ区報2018年1月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション⑫

勝景雪月花 東都品川の雪(小判錦絵)

勝景雪月花シリーズは、3組9枚で構成されています。東都(江戸)、山城(京都)、摂津(大坂)の3地域から雪・月・花の名所をそれぞれ選んで描いたものです。

実物は大変小さな絵で縦12.5cm、横17.2cmしかありません。また、色彩も鮮やかで北斎の版画の中でも群を抜いて濃い色に()られています。

東都の雪景色には品川が選ばれました。品川宿は東海道最初の宿で、街道に沿って、南品川宿、北品川宿、()()(しん)宿(じゅく)の3つの宿場が連なり、物資の通過量や参勤交代での大名の通行数も五街道一を誇りました。北斎はこの大きな宿場を埋め尽くす雪の風景を、江戸一番の雪景色に選んだのでした。ちなみに山城の雪の名所は嵯峨野、摂津の雪の名所は能勢が選ばれています。