すみだ区報2018年5月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション⑯

冨嶽三十六景 (とう)(かい)(どう)(かな)()()()()(大判錦絵)

東海道最大の難所といわれた大井川。西岸には金谷宿、東岸には、画面奥に描かれている島田宿が置かれていました。戦略的な理由から橋も渡し舟も設置されず、唯一、川越え(にん)(そく)たちに担がれることによって、川を渡ることが許されていました。()()に乗る、台に乗るなど、料金によっていろいろな渡河の方法がありましたが、庶民は一番安い肩車で渡河していました。しかし、雨で川が増水すると通行できなくなり、何日も宿に(とう)(りゅう)しなければなりませんでした。北斎は、荒波の中を多くの旅人が渡河する様子を描いています。この作品は、5月22日から始まる「変幻自在!北斎のウォーターワールド」展の後期に展示します。ぜひご覧ください。