すみだ区報2018年10月11日号

特集

区報ジュニアレポーター企画②
エコにつながる?防災につながる?すみだの雨水について考えてみよう!

雨水の達人

雨水をためてみよう!

雨水をためると・・・

向島百花園(東向島3-18-3)内にある茶亭さはらの佐原さんは、雨水市民の会の会員でもあり、自宅や百花園で雨水を活用しています。そんな佐原さんに雨水の活用方法を詳しく教えていただきました。

家庭では、ためた雨水をトイレの水として使ったり、気温が高いときは打ち水をして家の周りの気温を下げたりすることができるそうです。百花園でも打ち水として雨水を()いているそうです。

そして、ここからが重要です。この雨水は非常時、水道水が止まってしまった場合などに沸かせば飲むことができます。雨は地上の水が蒸発した、いわば蒸留水なので、最初の2〜3mmは空気中のちりなどで汚れていますが、そのあとに降ってくるものは非常にきれいなのだそうです。

また、水をためるための方法も教えてくださいました。雨水タンクを買い、業者に雨どいのつなぎかえをしてもらうだけだそうです。設置するときには、墨田区から助成金ももらえるそうです。

雨水市民の会の高橋さんと宮城島さんは、雨水タンクを買わなくてもいいように、雨水タンクの作り方を教えてくださいました。手作りのタンクならば、1万円以下の予算で作ることができます。

一方、良いことばかりではなく大変なこともあるそうです。例えば、タンクと雨どいをつなぐ管が壊れてしまうと雨水をうまく活用できなくなってしまうことです。

みんなで少しずつ水をためれば、雨水が一度に流れ出さないので洪水を抑えることができます。さらに、東京都の飲み水は、みんなが雨水をためればそれだけで足りるそうです。

佐原滋元さん
雨水(左)と水道水(右)
雨水タンク
自分で作れる雨水タンク

雨水市民の会

「雨水利用を進める市民の会」は、平成6年に墨田区で行われた「雨水利用東京国際会議」の実行委員が母体となって7年に設立されました。15年「雨水市民の会」に改名。会員は日本に約120人いて、全国展開しています。12年にバングラデシュで雨水利用を進めて以降は、「スカイウォータープロジェクト」として雨水タンク普及支援事業を実施しています。

また、阪神淡路大震災や東日本大震災の被災地を支援するなど国内外を問わず活躍しています。

雨水市民の会の宮城島 勝史さん(左)と高橋朝子さん(右)