すみだ区報2019年2月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション㉓

三体画譜(絵手本)半紙本1冊(部分)

北斎は、ものを描くには3種類の方法があると考えていました。書道にもある(しん)(ぎょう)(そう)です。規則どおりに描く「真」、普通に描く「行」、規則から外れても味わいがあるように描く「草」。北斎は絵の用途に応じて真行草を描き分けました。例えば本作の猫はどうでしょう。獲物をじっと見上げている猫がいます。北斎は猫といえばこうあるべきという姿を「真」として描きました。また、丸まって眠っている姿を「行」として描いています。それでは、北斎が考える、猫らしい味わいのある「草」の姿とは、どのような猫なのでしょうか。今回の作品は、4月7日まで「北斎アニマルズ」展で展示しますので、直接美術館でお確かめください。