『北斎漫画 草 筆 之 部 』 山 鴞 半紙本
最近、人気が出てきているフクロウ。古代中国では悪い鳥とされていたために、日本でも江戸時代までは嫌われていたと言われています。しかし、江戸の近郊では畑のそばに止まり木を立ててフクロウを飼っていました。農家にとって、作物を食い荒らす野ネズミやモグラを食べてくれるフクロウは、益鳥として大切にされてきたのでした。北斎の絵に描かれたフクロウには、なぜか頭巾がかぶせられています。昼間はじっとしていて動かないフクロウの姿を、老人が居眠りしている姿に重ね合わせたものと思われます。北斎の茶目っ気が発揮されている作品の一つと言えます。この作品は、4月7日まで開催中の「北斎アニマルズ」展で前期後期通して展示していますので、ぜひ、ご覧ください。