すみだ区報2019年5月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション(25)

冨嶽三十六景 尾州不二見原(びしゅうふじみがはら)(大判錦絵)

墨田区には、江戸時代から現代まで、ものづくりを生業(なりわい)とする職人が多く暮らしています。本所で生まれ育った北斎の絵にも、当時の職人たちの働きぶりがよく描かれています。

今回の作品、「冨嶽三十六景 尾州不二見原」にも、大きな桶を作っている職人が生き生きと描かれています。「桶屋の不二」という愛称で呼ばれ人気があるこの作品は、大きな丸(桶)の中に小さな三角形(富士山)が描かれている構図の面白さもさることながら、「何に使うのだろうか?」「この桶屋はどこにあるのだろうか?」といった疑問を今でも抱かせてくれる作品です。この作品は、企画展「北斎のなりわい大図鑑」展の前期(5月19日まで)のみの展示となります。展示期間はあとわずかですので、この機会にぜひ、ご覧ください。