すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します
葛飾北斎「冨嶽三十六景 御廐川岸より両国橋夕陽見」・魚屋北溪「諸国名所伊豆手石の弥陀」(錦絵)
葛飾北斎「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」
魚屋北溪「諸国名所伊豆手石の弥陀」
北斎は御厩の渡しを、北溪は現在の静岡県南伊豆町手石にある手石の弥陀を描いています。北斎も北溪も、水の動きをうねる曲線で表現しており、北溪は北斎が持つ水の表現技法を踏襲したと考えられます。北斎の描いた川の水の動きとは異なり、北溪は海の水の動きを描いているため、より大きな水のうねりを表現しています。また、波を藍と緑で表し、白い波頭には、しぶきを点々で表現するなど工夫をし、より装飾的に表現しています。