すみだ区報2020年3月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション(32)

すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します

葛飾北斎「冨嶽三十六景 御廐川岸より両国橋夕陽見」・魚屋北溪「諸国名所伊豆手石の弥陀」(錦絵)

葛飾北斎「冨嶽三十六景 御厩川岸より両国橋夕陽見」
魚屋北溪「諸国名所伊豆手石の弥陀」

北斎は御厩(おんまや)の渡しを、北溪は現在の静岡県南伊豆町手石にある手石の弥陀(みだ)を描いています。北斎も北溪も、水の動きをうねる曲線で表現しており、北溪は北斎が持つ水の表現技法を踏襲したと考えられます。北斎の描いた川の水の動きとは異なり、北溪は海の水の動きを描いているため、より大きな水のうねりを表現しています。また、波を藍と緑で表し、白い波頭には、しぶきを点々で表現するなど工夫をし、より装飾的に表現しています。