すみだ区報2020年5月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション(34)・(35)

すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します。開館状況は、すみだ北斎美術館のホームページをご確認ください

葛飾北斎「北斎麁画(ほくさいそが)()青葉山郭公初松魚(あおばやまほととぎすはつがつお)(版本)

実際に展示している作品の画像をモノクロにして掲載していますので、予めご了承ください。

北斎の絵手本「北斎麁画」には、初夏の訪れを告げるほととぎすを眺めている人たちが描かれています。タイトルは初夏の景物を詠み込んだ俳人の山口素堂の句です。

中央には、屋根を花で飾り、釈迦(しゃか)像を安置した手桶を持ち市中で銭を乞い歩く願人と呼ばれる人がいます。願人は、4月8日の釈迦の誕生日を祝う灌仏会(かんぶつえ)の時に市中に来ます。ほかにも、左奥に初鰹(はつがつお)を売る棒手振(ぼてふり)、右奥に5月5日の端午のあやめを持った人物などがいます。初夏を彩る人々の往来です。

本図は「大江戸歳事記」展(6月14日まで)で展示します。

すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します。開館状況は、すみだ北斎美術館のホームページをご確認ください

葛飾北斎「新板浮絵三芝居顔見世大入之図(しんぱんうきえさんしばいかおみせおおいりのず)」(錦絵)

実際に展示している作品の画像をモノクロにして掲載していますので、予めご了承ください。

歌舞伎の世界では、11月が正月です。11月には江戸三座(森田座、市村座、中村座)をはじめ、京や大坂の各座で役者の入れ替えがあり、11月からの1年間、各座に専属する役者が決まります。その専属の役者をお披露目する芝居狂言が顔見世狂言です。芝居小屋の表にある役者名と紋が描かれた紋看板は、顔見世狂言の時のみ出される特有のものです。

江戸三座は、天保13年(1842年)に天保の改革で奥浅草に移転しますが、日本橋近くにある堺町、葺屋町、木挽町にあった移転前の様子が描かれています。

本図は「大江戸歳事記」展の後期(5月19日~6月14日)で展示予定です。

問合せ文化芸術振興課文化芸術・国際担当 TEL:03-5608-6115 https://hokusai-museum.jp