すみだ区報2020年6月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながるすみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第23回は、区内で60年以上続くパン屋を営む傍ら、食育活動にも熱心に取り組まれている佐伯信郎さんです。

佐伯信郎さん(立花在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

3代目として区内でパン屋2店(かめぱん・石窯パン工房KAMEYA)を営みながら、すみだ食育goodネットで食育の普及に取り組んでいます。このグループは、単なる「食」にとどまらず、食を通して、人やまち、交流、安心、協働を育むことを大切に活動しています。グループには医療関係者など異なる業種の方が多数参加されていて、「食」の根幹である「命をつなぐ」というところに重きを置いています。

その活動は区内にとどまらず、様々な地域とも交流しています。墨田区は、関係人口や交流人口を増やすことで双方のまちを元気にすることをめざす「特別区全国連携プロジェクト」で、台東区と共に、北海道十勝地域18町村と連携しています。その一部として、私たちも十勝地域の芽室町で「食育」をテーマにワークショップを行い、生産者や消費者と交流して、「すみだの食育」らしく家族のように打ち解けることができました。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

きっかけは、すみだ食育goodネットから相談を受けたことでした。東京スカイツリー®開業時に行われた「すみだまちびらき」イベントに参加予定だったすみだ食育goodネット。そこで販売する「すみだ焼き」というお菓子の試作を重ねていましたが、なかなか上手くいかず、パン屋の私に声が掛かりました。当初の「すみだ焼き」はホットケーキミックスを使用していて、時間が経つと固くなるのが弱点でした。代わりに数種類の小麦粉を用いて試作を重ね、改良に成功。イベント当日も即日完売で、大成功に終わりました。

これを機に、すみだ食育goodネットに参加するようになりました。活動していて一番良いところは、素の自分でいられるところです。また、自分が持っている知識をほかの人と共有でき、自分にはない知識をほかの人からもらうことができます。今後も食育活動を通じ、さらに素の自分を磨き、引き出しを増やしていきたいと思います。

創業当時の様子。お店の前に立っているのは、2代目店主である佐伯さんのお父さん、翰男さんだそうです。
3種類の小麦粉を使った試作時の「すみだ焼き」。墨堤の桜をイメージして、桜の花びらの形をしています。

Q. 佐伯さんは、すみだのどんなところが好きですか?

いい意味で「おせっかい」な人が多いところですかね。私は生まれも育ちも墨田区で、高校に入り区外へ通うと、初めてほかの地域との違いを認識するようになりました。工場がたくさんあって、どこかせわしない感じや「おせっかい」な人が多いところなどなど。仕事に就いてからも遠方のパン業界の方とのつながりばかりで、すみだということを意識することは少なかったです。しかし、食育活動をきっかけに、人のつながりや結び付きの中から生まれる「おせっかい」が大きな力を生む「すみだの地域力」を感じるようになりました。「おせっかい」=「人情」があふれるすみだが大好きです。

次回登場してくださるのは・・・

京島で豆腐屋を経営されていて、佐伯さんと同じく、食育活動に取り組まれている平田慎吾さんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223