すみだ区報2020年6月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション(36)

すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します。

葛飾北斎「画本狂歌(えほんきょうか) 山満多山(やままたやま)(じょう)(版本)

現在の東京ではほとんど見られなくなりましたが、江戸では6月中旬頃が蛍の見頃でした。特に王子(北区)では早い時期から見ることができ、ほかにも谷中の蛍沢(台東区)、高田落合姿見橋(豊島区高田・新宿区西早稲田)辺りなどが蛍の名所として知られていました。本図は、江戸川の高田落合姿見橋付近の蛍狩りの様子です。現在の神田川のうち、江戸時代は神田上水の余水が流れる文京区関口台町から飯田橋の堀までを江戸川と称しました。団扇(うちわ)、虫かご、提灯(ちょうちん)などを持って出かけ、蛍を楽しむ当時の人が描かれています。こちらの企画展「大江戸歳事記」で展示予定です。ぜひ、ご鑑賞ください。

問合せ文化芸術振興課文化芸術・国際担当 TEL:03-5608-6115 https://hokusai-museum.jp