葛飾北斎「東都勝景一覧(とうとしょうけいいちらん)」下(げ) 深川八幡祭礼(ふかがわはちまんさいれい)(版本)
8月15日は江戸に多くあった八幡宮の祭礼日で、各所で祭りが行われました。特に深川八幡(現在の江東区富岡にある富岡八幡宮)の祭礼は賑(にぎ)わい、北斎もその様子を描いています。本図にもあるように、氏子の町々が大きな幟(のぼり)を建てたので、俗に幟祭とも呼ばれました。文化4年(1807年)までは、隔年で深川八幡から本所一之橋の御旅所(おたびしょ)(現在の千歳一丁目辺り)へ神輿(みこし)の神幸(しんこう)を行っていました。現在でも続く富岡八幡宮の祭礼では、神輿の担ぎ手に水を掛けることから、水掛け祭として有名です。本図は、企画展「大江戸歳事記」で、ご覧いただけます(8月30日まで)。