すみだ区報2020年9月21日号

特集

新型コロナウイルス感染症 山本区長が語る 感染拡大を防ぐ体制の強化

概要

新型コロナウイルス感染症に区としてどう立ち向かっていくのか。山本 亨区長が語った、検査をはじめとした感染拡大を防ぐ体制についてお伝えします。
*内容は9月10日現在のものです。感染者数等の最新情報は、区ホームページをご覧ください。

問合せ
▶感染拡大を防ぐ体制=保健予防課感染症係 TEL:03-5608-6191
▶その他=こちらに記載の各連絡先

2度の大きな感染の波を振り返って

区内でこれまでに新型コロナウイルス感染症に感染した方は460人、緊急事態宣言発令中には、病院でのクラスター(感染者集団)も発生しました。誰もが感じる不安を少しでも解消し、皆さんの生活の安全・安心を守るのが区の役割です。

感染症対策について、国や都には助言等をする有識者の組織がありますが、区には保健所があり、現場の最前線に出ている医師や保健師等がいて、感染者数等の報告やデータ分析、提案が私に上がってきます。これまでの学びを()かすとともに、彼らの声やデータをもとに素早く判断し、柔軟に対応していきます。

次の流行への備えは

●検査体制・医療体制
検査や医療の体制は自治体により様々ですが、区では、迅速に感染の有無を特定する検査体制の整備に力を入れています。検査が早くでき、結果が早くわかるということは、感染が広がる前に感染範囲を把握でき、感染拡大の防止につながります。

PCR検査は区が独自に行っており、1日に150人分を検査することができますが、さらに多くの検査ができるよう、区内の医療機関や民間の検査機関との連携を強化しています。

医療体制の面では、区内の医療機関同士の連携・協力が欠かせません。週に1回、区内の医療機関の方々とインターネットによる会議を行い、ベッドの空きや備蓄品の状況等について情報共有し、感染者が今出た場合、どの病院で受け入れが可能か等、打ち合わせをしています。

このように、区と各医療機関が話し合える場を持つことで、感染者の受け入れを円滑に行います。

●区内団体との連携・協力 
区内団体との連携や協力も積極的に行っています。大相撲7月場所では、日本相撲協会との連携で、区内外関係なく全ての部屋の力士や親方の健康状態を毎日把握し、必要があれば、すぐに検査や入院ができる体制を整えました。9月場所も引き続き協力していきます。

このほかにも、集団感染を想定した検査訓練の一環で、向島の芸妓(げいぎ)衆約100人を検査。このように連携を強化することが、区全体の安全を維持することにつながります。

●接触確認アプリ COCOA(ココア)
国が推進する接触確認アプリCOCOAは、プライバシーを確保した上で、アプリ利用者が感染した場合、過去に15分以上、その方の1m以内に近づいたほかのアプリ利用者に通知をするものです。

区では、原則としてこの通知を受けた方全員に、検査を行います。ぜひ、アプリの活用をお願いします(インストール方法はこちらを参照)。

山本区長(左)へ感染状況の報告や分析結果を伝える西塚保健所長(右)。

クラスターの発生を防ぐには

区のPCR検査の陽性率は現在5.1%で、緊急事態宣言中と比べ随分下がりました。また、濃厚接触者の中で感染している人が少ないため、現時点ではクラスターの発生がある程度抑えられていると言えますが、気を緩めてはいけません。

●夜の街対策
全国的にクラスターの多くは、夜の街から発生していますが、区内では、特に錦糸町駅周辺に飲食店等が集中しています。そこで地域の方々等の協力のもと、「新型コロナ感染症 夜のまち対策連絡会」を設置し、予防対策を推進しています。例えば、食品衛生法等に基づく店舗への立入検査の機会に、感染拡大防止のガイドラインに沿った取組を推奨しています。また、ガイドラインを守り対策をしている店舗には、区の専用ステッカーをお渡ししています。

皆さんにも、都や区のステッカーを掲げている店舗を選んで利用していただきたいと思います。

●高齢者施設等への検査をはじめとした支援
今後、高齢者施設や医療機関に対してもクラスター発生防止の支援を強化していきます。施設内の感染者の有無に関わらず、従事する職員や利用者が検査を受けられるような体制を整え、利用者と職員の安全・安心につなげていきます。

いずれの取組も「クラスターは発生"させない"」という強い思いを持って臨みます。

夜のまち対策連絡会による見回り活動。右の赤いボードに掲示されているのは区のステッカー。

感染症に関連した人権侵害等に対して

現在のような不安な状況下では、普段よりも、不確かな情報に左右されたり、攻撃的な感情が生じたりしやすいものです。しかし、だからと言って感染者やその家族、医療従事者等を傷付けることがあってはいけません。

感染等の情報開示の状況も検査等と同様に、自治体により様々ですが、区では、感染が発生した施設名やその後の検査状況・結果等を原則公表することとしています。情報が開示されないと、疑心暗鬼になって不安が増長し、詮索を行ったり、正確ではない情報が拡散したりするからです。個人情報に配慮しながら、素早く情報を開示し、その後の経過も報告していくことで、皆さんの安心につながると考えています。

感染症対策を万全にしていたとしても、誰もが感染する可能性があります。感染者等に対する誹謗(ひぼう)中傷や詮索、根拠のない情報の拡散等は絶対にやめましょう。

最後に

冬には、さらに大きな流行が予想されます。様々な対策を講じ、万全の体制を取っていきます。

また、今回は感染拡大を防ぐ体制を中心にお話ししましたが、生活や経営に大きな影響を受けている区民の皆さんへの支援も行って参ります。

感染症で物理的なつながりが分断されてしまう今こそ、区が掲げる「人と人とのつながり」が大切なときです。一人ひとりがルールを守り、互いの思いやりで「人つながる墨田区」であり続けましょう。

墨田区長 山本 亨