すみだ区報2020年12月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第29回は、お仕事をされている傍ら、区内で点訳ボランティアの活動に熱心に取り組まれている齊藤宮子さんです。

齊藤宮子さん(石原在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

30年ほど前から、点訳ボランティアの活動に取り組んでいます。点訳するものは区立図書館に要望があった様々な本をはじめ、区のお知らせ(本紙)、視覚障害者団体の会報など多岐にわたります。学生が使用する数学や物理・化学・英語といった専門性が高い内容の本もあり、間違いがないように注意しています。また、小学校に点字の出前授業を行うこともあります。点字の仕組みを教える際は、実際に点字を読んでみたり、自分の名前を点字で打ったりする等、分かりやすい体験を取り入れています。授業では、視覚に障害のある方についても触れています。白杖を持つ方は全盲の方だけではなく、一部視野が欠けて見える方や、明るい場所だと見えにくい方など、見え方や症状が人それぞれであることや、音声操作でスマートフォンも使えること等を紹介しています。ほかに、障害のある方にパソコンのサポートをする「パソボラきつつき」と、ひきふね図書館のイベント等を企画運営する「ひきふね図書館パートナーズ」にも参加しています。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

大学を卒業した20代の頃に、区のお知らせに掲載されていた「点訳講習会」を受講したことがきっかけでした。受講後に点訳ボランティア団体に入り、その後、区が主催する「点訳講座(中級)」の〝講師〞を任されることになりました。自分が学ぶつもりでいたので、とても驚きましたが、教えることは最大の勉強になると考えお引き受けしました。点訳を始めた頃は、点字盤を使用した点訳からパソコン点訳へと移行する時代でした。大学の専攻が電子工学だったこともあり、パソコン点訳への過渡期に自分の強みを生かすことができ、楽しかったのが長続きしている理由かもしれません。今、コロナ禍で視覚に障害のある方はとても困っていらっしゃいます。「お手伝いしましょうか」と勇気を出して一声かけて欲しいと願っています。

点字についての出前授業の様子。点字のパターンを「暗号解読」のようなゲーム感覚で教えると、子どもでもスラスラと読むことができます。
「点訳講習会」でのパソコン点訳体験。パソコン点訳は点字盤と比べて、間違えた部分をすぐに修正が出来るので便利です。

Q.齊藤さんは、すみだのどんなところが好きですか?

私は生まれも育ちも墨田区ですので、ほかと比べることは難しいです。祖母から息子の代まで、4代続けて石原で暮らしています。近所は「碁盤の目」のように道が整備されているので、そうでない所へ行くと迷子になりかけます。昔は社長をされている方や、職人さんが多かったのですが、この頃は少数派になりつつありますね。うちの町内会は牛嶋様のお祭りの時は、大きなお神輿(みこし)を出して盛り上がります。残念ながら、今年は開催できませんでしたが、早くも来年のことを考えている方も多いのではないでしょうか。ほかには、普段ボランティア活動をしている中で、私が何か企画などを思い付くと、巻き込まれてくれる人が周りに多くいて、どんどん〝人のつながり〞が生まれていくところが好きですね。

次回登場してくださるのは・・・

外手児童館で午前は児童館業務(乳幼児対応)、午後は学童クラブの運営に携わられている伊藤史晃さんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223