すみだ区報2021年4月11日号

文化・スポーツ

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北斎名品コレクション(46)

すみだ北斎美術館に収蔵されている北斎の名品をご紹介します。

椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)」続編 巻三 石櫃(せきひつ)を破て曚雲(もううん)出現す(版本)

本作品は、曲亭馬琴の代表的な読本の一つで、葛飾北斎が挿絵を担当しました。読本とは江戸時代の小説の一種で、文字のページと数点の挿絵で構成されたものです。物語は、保元の乱に敗北し伊豆大島に配流された後に自害したとされる源為朝が、琉球に渡り活躍するという内容です。本図は、封印されていた石櫃を暴いたところ、百千の雷が一度に落ちたような爆音と共に櫃が八方に砕けて飛び散り、中から妖術師が出現した場面を描いています。吹き飛ばされる岩の破片や人々の描写、放射状の線で衝撃の強さが表現されています。本図は、こちらの「しりあがりサン北斎サン〝クスッと笑えるSHOWTIME!〞」展にて展示されます。