すみだ区報2021年11月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人をつないでいきます。第38回は、エスニックレストラン「cafe POKAPOKA」(八広5-32-9)を経営する傍ら、飲食店仲間と「すみだ食堂」を運営する白鳥兼一さんです。

白鳥兼一さん(八広在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

区内の飲食店有志で、すみだ食堂飲食店の会を立ち上げ、「すみだ食堂」を運営し、現在は8店舗が加盟しています。各店舗が無理なく行うため、実施日の変動があるものの、子どもだけでご飯を食べられる場所を提供する「毎日すみだ食堂」と、誰でも利用できる「月1すみだ食堂」を設けています。

また、子どもが食に興味を持つきっかけになるように、私たち料理人が子どもたちと一緒に料理を作るイベントなども行っています。現在は新型コロナウイルス感染症の影響で全活動を休止していますが、イベントでうどん屋さんを手伝った子どもが「将来はうどん屋さんになる!」と言ってくれるほど、食に対して強く興味を示してくれた姿や参加者の笑顔を見ると、この活動をしていて良かったと感じます。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

子どもの貧困問題に対して、飲食店としてできることがないか考えたことがきっかけです。

数年前にテレビで、貧困でご飯が食べられない子どもや、牛乳とパンだけで過ごす子どものために、子ども食堂を運営する飲食店の取組を知りました。子どもの貧困問題の実情に衝撃を受けた私や仲の良い飲食店仲間で集まり、私たちにもできることがないか、何度も話し合いました。その中で、食事の提供だけでなく、子どもを地域で見守る目を増やすことも必要という話になりました。もしも子どもに元気がなかったり、いつもと違う行動をしていたりしたら「どうしたの?」と異変に気付いて声掛けができるからです。老若男女を問わず参加者同士が交流して、地域で会った時に挨拶できるような関係性を築き、子どもを見守る目が増えてほしいです。

Q. 白鳥さんは、すみだのどんなところが好きですか?

人とのつながりが強いところです。これは本当にすごくて、困りごとを誰かに相談すると、次々とつないでくれ、何でも解決してしまうんです。

最近では、昨年4月の緊急事態宣言が初めて発出されたときです。飲食店が困っていたときに、墨田区商店街連合会が飲食店紹介サイト「すみだテイク!」を作り宣伝してくれました。さらに、SNS上で「お(うち)旨曳舟(うまひきふね)!」と言うグループを作り、盛り上げてくれる方もいました。「お家で旨曳舟!」は、東武曳舟駅・京成曳舟駅周辺のテイクアウトやデリバリーができるお店を、お店・お客さん関係なく、発信・共有し合えるグループです。これらが早々にできたことで、お店・お客さん双方の困りごとが解消されたと思います。こんなことがすぐにできてしまうのも、地域の強いつながりがあるからだと感じます。現在、お店の移転先を探しているのですが、この強いつながりで良縁に巡り合えればいいなと考えています。

地域の交流の場を作る目的で子どもだけでなく、ご高齢の方や地域の方も参加していた「月1すみだ食堂」。多くの方が来てくれ、各自名札を付け名前を呼び合って親睦を深めました。
子どもたちと一緒に料理を作ったイベントの様子。料理を通して食の大切さを伝えます。

次回登場してくださるのは・・・

家庭や飲食店から出された廃食油をエネルギーとして再利用できるよう精製・加工し、循環型の地域社会作りに貢献する染谷ゆみさんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223