すみだ区報2023年2月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人でつないでいきます。第50回は、山草や野草を中心とした文人趣味豊かな江戸花園「向島百花園」(東向島3-18-3)内で「茶亭さはら」を営む、佐原滋元さんです。

佐原滋元さん(東向島在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

向島百花園内で、表情豊かな自然を感じながらホッと一息つける茶屋「茶亭さはら」を運営しています。時期によっては、季節の甘味などもお楽しみいただけます。向島百花園は、文政期(1804年~1830年)に、私の先祖にあたる佐原鞠塢(きくう)が、文人墨客(ぼっかく)たちから協力を得て開園しました。

また、平成19年度からは「一寺言問を防災の町にする会」の事務理事長も務めています。この会では、一寺言問地区を災害に強く、うるおいのあるまちにすることを目的として、地域住民によるまちづくりをめざしています。住民自ら、耐震・不燃化や細街路の拡張等を行う「修復型まちづくり」を進めるとともに、下町の近隣関係を()かした災害時の協力体制をより強くしてきました。その結果、活動開始から10年目に、総務省消防庁が表彰する「防災まちづくり大賞」を受賞しました。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

「茶亭さはら」は母の代から運営していて、私は結婚を機に店を継ぎました。現在は隠居を楽しんでおり店頭に立つことは少ないですが、店頭にいた頃は様々なお客さんと交流がありました。向島百花園の扉に彫られた「春夏秋冬花不断(しゅんかしゅうとうはなふだん)」(意味は「年中花が絶えない」/上部写真参照)のとおり、草花に造詣が深い方なども来園されますね。 

一寺言問を防災の町にする会」は、「わいわい会」という地域住民の有志の会から発足し、当時から〝自分たちが住む地域を災害に強くしたい〞という(おも)いで活動してきました。現在は防災を楽しく学べる子ども向けの動画配信イベントを実施するなど、コロナ禍でも地域のつながりを保つためにインターネットを活用した方法に挑戦しています。

「庭園を歩けば、木々が風に揺れる音や鳥たちのさえずりが聞こえ、まさに都会のオアシスです。様々な草花たちが、皆さんをお待ちしています。」(写真は4年11月に撮影)

Q. 佐原さんは、すみだのどんなところが好きですか?

地域や人とのつながりが深いところです。今や区のシンボルとなった東京スカイツリー®ですが、その建設が決まった当時、建設予定地で投光器を使用してタワーと同じ高さを光で表現する「光タワープロジェクト」を開催しました。〝地元でタワーの高さを体感してみよう〞という想いから、地元有志のメンバーで実行委員会「平成光勧進プロジェクト」を立ち上げ、私は会長を務めました。当日は、まず東京タワーの高さほどの光のタワーを作った後に新タワーの高さを表現し、その迫力を多くの方々に感じてもらえたと思います。区内の様々な場所から見えた光タワーに、完成への想いを()せた方も多かったのではないでしょうか。プロジェクトの開催までには、特殊な照明器具の準備や放つ光の角度の調整等、大変な作業がありましたが、地域で団結して取り組んだ結果、成功させることができました。この取組は、新聞各社のほかテレビなどでも取り上げられました。

地域の声からここまでの事が成せるのは、人情でつながる〝すみだ〞だったからこそだと思います。

光タワーのフォトコンテスト受賞作品(写真上=Web部門最優秀賞「光タワーと屋形船」(ひろ)、写真下=Web部門優秀賞「光が光を呼んで・・・」(マツザキナオト)/平成光勧進プロジェクト実行委員会提供)

次回登場してくださるのは・・・

建築士で、亀沢四丁目町会副会長を務めるほか、墨田区景観審議会や北斎通りまちづくりの会でも活動されている岸 成行さんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223