○墨田区船宿等及び天ぷら船並びに屋形船営業許可等事務取扱要綱

平成15年9月12日

15墨福衛生第519号

(目的)

第1条 この要綱は、船舶において、不特定多数の者を対象に調理を行い、客に飲食させる営業について、「食品衛生法施行条例に基づく施設基準のしんしゃくについて」(令和3年3月31日2福保健食第2325号)に基づき施設基準、営業許可の取扱い等を定めるとともに、公衆衛生の確保の観点から必要な事項を定めることにより、当該営業に関する許可事務の円滑化を図り、これら営業による食品の危害発生の防止を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この要綱において次の各項に掲げる用語は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 船宿等 仕込みを行い、器具等の洗浄若しくは消毒をし、給水タンクに給水し、又は食品、容器包装、諸設備等を保管するための施設をいう。

(2) 天ぷら船による営業 船宿等の仕込場所において、墨田区保健所長(以下「保健所長」という。)が定める取扱品目の食品を仕込み、これを天ぷら船に搬入し、天ぷら料理等に調理し、客に飲食させる営業をいう。

(3) 屋形船による営業 遊覧を目的とした船舶で、天ぷら船とは別に船内において食品を調理し、客に飲食させる営業をいう。

(許可の取扱方針等)

第3条 船宿等及び天ぷら船並びに屋形船による営業を営もうとする者に、食品衛生法施行令(昭和28年政令第229号)第35条第1号に定める飲食店営業として食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第55条の規定に基づき許可するものとする。

2 天ぷら船は、一般の飲食店営業と区別するため、次に掲げるとおり取り扱う。

(1) 営業許可は、船宿等の仕込場所と天ぷら船を一体の営業施設として取り扱い、両施設を包含して一つの許可とする。なお、営業者が天ぷら船を複数以上、自己で所有するか、他から借用してそれぞれ稼働させる場合においても許可に際しては同一の取扱いとする。

(2) 営業許可は、区内に船宿等の仕込場所がある申請者に対して、保健所長が行うものとする。

(3) 営業を営もうとする者には、営業許可申請書・営業届(食品衛生法施行細則(昭和50年墨田区規則第25号)第3号様式)及び飲食店営業(天ぷら船)開始届(別記様式)により申請させること。

(4) 許可の有効期間は、5年間とする。

(5) 取扱い品目は次に掲げるものに限り、許可書にこの旨を記載する。ただし、船上で調理・加工を要さず、明らかに安全性、保存性等衛生上支障がないと保健所長が判断する場合はこの限りでない。

 天ぷら(魚介類、野菜類)

 味噌汁

 漬物

 米飯

3 屋形船は、一般の飲食店営業と区別するため、次に掲げるとおり取り扱う。

(1) 許可対象施設はそれぞれの屋形船とし、許可業種は飲食店営業(屋形船)とする。

(2) 営業許可は、区内に屋形船の係留地がある申請者に対して、保健所長が行うものとする。

(3) 営業を営もうとする者には、営業許可申請書・営業届により申請させること。

(船宿等及び天ぷら船の許可の施設基準)

第4条 法第54条に基づく許可の施設基準は、船宿等の仕込場所の施設と天ぷら船の施設に適用する施設基準とを分離し、次に掲げるとおりとする。

(1) 船宿等の食品の仕込場所の施設基準は、食品衛生法施行条例(平成12年東京都条例第40号。以下「都条例」という。)別表第2に定めるとおりとし、飲食店営業の基準を適用する。

(2) 天ぷら船の施設基準は、都条例別表第2に定めるとおりとし、飲食店営業の基準を適用する。ただし、天ぷら船での営業の特殊性を踏まえ、次に掲げる事項については、次に掲げるとおりとする。

 都条例別表第2中第1の2、3のニ、3のタ、3のレ及び4のトの規定は、適用しない。

 都条例別表第2中第1の3のへ、及びの規定にかかわらず、次に掲げるとおりとする。

(ア) 給排水タンク 約40リットル以上の飲用に適する水を供給する給水タンク及びそれと同等の容量の排水タンクを備えること。

(イ) 格納設備 食品及び食器具類を衛生的に保管する有蓋の格納設備を備えること。

 必要な諸設備を船宿等の仕込場所から天ぷら船に搬入することも可能とする。

(屋形船の許可の施設基準)

第5条 屋形船の施設基準は、都条例別表第2に定めるとおりとし、飲食店営業の基準を適用するものとする。ただし、屋形船での営業の特殊性を踏まえ、次のとおりとする。

(1) 都条例別表第2中の第1の2、3のニ、3のタ及び4のトの規定は、適用しない。

(2) 都条例別表第2中の第1の3のヘ、及びの規定にかかわらず、次のとおりとする。

 格納設備 食品及び食器具類を衛生的に保管する有蓋の格納設備を備えること。

 給排水タンク 約200リットル以上の容量を有し、耐久性があり、飲用に適する水を保持する給水タンク及びそれと同等の容量の排水タンクを備えること。

(公衆衛生上必要な措置の基準)

第6条 営業者は、法第51条第2項の規定により、食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号)別表第17及び別表第18に規定する基準に従い、公衆衛生上必要な措置を定め、これを遵守しなければならない。

2 天ぷら船での営業の特殊性を踏まえ、特に次に掲げる点に留意するよう指導すること。

(1) 施設の補修及び十分な水の供給に努めること。

(2) 食品及び食器具類は衛生的に取り扱うこと。

(3) 給水タンクは常に飲用に適する水が供給されるよう、定期的に清掃し、清潔に保つこと。

(4) 天ぷら油の取扱いには十分注意し、変質した油脂を使用することがないよう注意すること。

(5) 使用後の食器具類は船宿等の仕込場所に持ち帰り、その都度洗浄消毒すること。

(6) 天ぷら船に搬入し、調理、加工及び運搬に使用した諸設備は、船宿等の仕込場所に持ち帰り、洗浄その他衛生上の処理を行うこと。

3 屋形船での営業の特殊性を踏まえ、次に掲げる点に留意するよう指導すること。

(1) 施設の補修及び十分な水の供給に努めること。

(2) 食品及び食器具類は衛生的に取り扱うこと。

(3) 給水タンクは常に飲用に適する水が供給されるよう、定期的に清掃し、清潔に保つこと。

(4) 営業開始の都度、給水タンクへ所定の量の給水を行い、営業終了後、給水タンク及び排水タンク内の水を廃棄すること。

(5) 器具等は、それぞれの使用区分に従って使用すること。

(6) 取扱品目及び取扱量は、作業場の規模等に見合ったものとすること。

(7) 作業は、必ず施設内で清潔に行うこと。

(8) 冷凍原材料の解凍は、専用の容器等で衛生的に行うこと。

(監視指導)

第7条 保健所長は、食中毒等の事故を未然に防止するため、必要に応じて、職員に対して一斉検査等を行わせ、前条に規定する公衆衛生上必要な措置の基準の履行状況の確認や、取扱食品、従事者の健康状態、食器、器具等の検査を実施するものとする。

2 営業形態の特殊性に鑑み、次に掲げる点についても指導するものとする。

(1) 近隣に迷惑な行為をせず、また、客にも近隣に迷惑な行為をさせないこと。

(2) し尿は海水中に放流せず、し尿回収タンクに貯留し処分する等、関係法令に違反しないようにすること。

(天ぷら船増船の届出等)

第8条 天ぷら船の営業許可を受けている者が、天ぷら船を増船して営業する場合には、別記様式により飲食店営業(天ぷら船)変更届を保健所長に提出するものとする。

2 船宿等においては、営業許可書を施設の見やすい場所に掲示するものとする。

3 天ぷら船においては、飲食店営業(天ぷら船)開始届を船舶ごとに3部提出させ、一部は許可書に添付し、一部は船舶ごとに携行させるものとする。

4 東京都通知等に基づく当面の措置としての許可をした屋形船には、誓約書を提出させるなどしてできるだけ早い時期に施設を基準に合致するよう改善させる。なお、屋形船におけるし尿は、河川等に放流せず、船舶に備えたタンクに貯留したうえ、適正に処理させるものとする。

(手数料)

第9条 営業許可申請に伴う手数料の徴収は、墨田区手数料条例(平成12年墨田区条例第4号)及び墨田区会計事務規則(昭和39年墨田区規則第8号)の定めるところによる。

1 この要綱は、平成15年9月12日から適用する。

2 この要綱の適用前に許可を受けたものにあっては、その有効期限満了日までは、なお従前の例によるものとする。

1 この要綱は、令和3年6月1日から適用する。

2 この要綱の適用の際、食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(令和元年政令第123号)附則第2条の規定によりなお従前の例により営業を行うことができることとされた者については、なおこの要綱による改正前の墨田区船宿等及び天ぷら船並びに屋形船営業許可等事務取扱要綱により営業することができる。

この要綱は、令和3年6月1日から適用する。

別記様式 省略

墨田区船宿等及び天ぷら船並びに屋形船営業許可等事務取扱要綱

平成15年9月12日 墨福衛生第519号

(令和3年8月30日施行)

体系情報
要綱集/ 保健衛生担当/ 生活衛生課
沿革情報
平成15年9月12日 墨福衛生第519号
平成16年2月27日 墨福衛生第1317号
平成18年5月10日 墨福衛生第210号
令和3年5月31日 墨福衛生第531号
令和3年8月30日 墨福衛生第1146号