○すみだ環境基本条例

平成17年12月9日

条例第57号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 区の環境の共創に関する総合的施策(第7条―第15条)

第3章 基本施策の推進体制(第16条―第21条)

第4章 雑則(第22条)

付則

墨田区は、隅田川や荒川のほか、中小内河川が区内を縦横に流れる豊かな水環境を有している。これらの河川は、かつての汚染が、公害規制の強化等により現在では魚が生息できるほどにまで水質が改善され、隅田川の花火大会やレガッタなど、川とは切り離せない伝統行事が復活し、多くの人々が水辺に集うようになった。

また、区民同士のふれあいや下町情緒に彩られた心温まるコミュニティは、人と地域と環境にやさしいまちづくりの基本となる墨田区の財産である。

さらに、人々が働き、暮らす場所が一体となった「職住近接」は、ものづくりのまちとしての墨田区の特色を表しており、地域に根ざした中小企業が環境問題に取り組んでいく姿勢は、地域に影響を及ぼし、環境と調和した経済活動を可能とするものである。

私たち墨田区民は、より良い環境のもとに、健康で安全かつ快適な生活を営む権利を持っている。さらに、より良い環境が与えてくれた恩恵を未来に引き継ぎ、環境に関する不断の学習と、これに取り組む人材の育成を行う責務を有している。

このような考えのもと、環境行政の推進に当たっては、区、区民及び事業者等が協働し、より良い環境の維持、回復及び創造並びに環境との共生に取り組めるよう、基本的施策を定め、その積極的な推進を図ることを目指し、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、環境の維持、回復及び創造並びに環境との共生について基本理念を定め、区、区民、事業者及び滞在者の責務を明らかにし、環境に係る施策の基本的事項を定めることにより、それらの施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来における良好で安全かつ快適な環境を確保し、地球環境の保全に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 環境の共創 良好で安全かつ快適な環境の維持、回復及び創造並びに環境との共生をいう。

(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の共創を図るうえで支障の原因となるおそれのあるものをいう。

(3) 区民 区内に在住し、在勤し、又は在学する個人をいう。

(4) 事業者 区内において事業活動を行う団体及び個人をいう。

(5) 滞在者 観光、仕事等で一時的に区内を訪れる個人をいう。

(基本理念)

第3条 環境の共創は、区民及び事業者が環境に関する十分な情報を知り、環境に係る施策の決定等に参画することを通じ、良好で安全かつ快適な環境のもとで生活する権利を実現できるように行われなければならない。

2 環境の共創は、すべての者が環境への負荷を与えていることを認識し、地域のコミュニティを生かしつつ、互いに協働し、配慮し合うことにより進められなければならない。

(区の責務)

第4条 区は、環境への負荷の低減に努めるとともに、区の計画及び施策について区民及び事業者と協働して環境の共創を推進するという観点から総合的かつ計画的に定め、その推進体制を整備しなければならない。

2 区は、区民及び事業者が地域のコミュニティを生かしつつ、環境の共創に取り組むことができるよう、必要な支援を行うとともに、地域において環境の共創に関する活動を担う人材の育成に努めるものとする。

(区民及び事業者の責務)

第5条 区民及び事業者は、日常生活及び事業活動が環境への負荷を与えていることを認識し、環境への配慮を行うとともに、身近な環境を常に見つめつつ、地域のコミュニティを生かし、環境の共創を図るように努めなければならない。

2 区民及び事業者は、環境の共創に必要な学習等に積極的に取り組み、区とともに、地域において環境の共創に関する活動を担う人材の育成に努めるものとする。

3 区民及び事業者は、区が実施する環境の共創に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(滞在者の責務)

第6条 滞在者は、区が実施する環境の共創に関する施策に協力することにより、人と地域に配慮し、環境への負荷の低減に努めるものとする。

第2章 区の環境の共創に関する総合的施策

(環境基本計画)

第7条 区長は、環境の共創に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境基本計画を策定しなければならない。

2 環境基本計画は、次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 環境の共創に関する目標

(2) 環境の共創に関する施策

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の共創に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項

3 区長は、環境基本計画の策定に当たっては、あらかじめ、第16条第1項に規定する墨田区環境審議会の意見を聴かなければならない。

4 区長は、必要があると認めるときは、環境基本計画の策定に関し、第20条第1項に規定するすみだ環境共創区民会議の意見を聴くことができる。

5 区長は、環境基本計画を策定したときは、速やかにこれを公表しなければならない。

6 第2項から前項までの規定は、環境基本計画の変更について準用する。

(区民及び事業者への支援)

第8条 区は、区民及び事業者が行う環境の共創に関する活動に対する適切な情報の提供に努めるほか、次に掲げる事項に対し支援を行うものとする。

(1) 区民及び事業者が行う環境の共創に関する活動

(2) 区民及び事業者に適切な指導及び助言を行うための専門的知識を有する者の派遣

(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の共創に関する必要な事項

(環境学習の推進)

第9条 区は、区民及び事業者が環境の共創に関し理解を深め、自主的な活動を実践できるよう、学校教育、生涯学習等あらゆる場を活用し、積極的に環境学習の推進を図るものとする。

2 区民及び事業者は、環境の共創について理解を深めるとともに、正確な知識を修得し、環境の共創に関する活動を推進するために、積極的に環境学習に努めるものとする。

(大学等教育研究機関との連携)

第10条 区は、大学等教育研究機関と連携して、区民及び事業者の環境の共創に関する活動の促進について、指導し、又は助言する人材の育成に努めるものとする。

2 区、区民及び事業者は、環境の共創に向けた地域の課題を解決するため、大学等教育研究機関と共同して研究開発に努めるものとする。

(豊かな都市生活環境の維持、誘導的措置等)

第11条 区は、環境の共創に資する区民の健康で安全かつ快適な生活を実現するため、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動等による被害を防止し、豊かな都市生活環境の維持等に努めるものとする。

2 区は、区民及び事業者が環境の共創を図るための施設整備その他の適切な措置を行うよう誘導することに努めるものとする。

3 区は、環境の状況を的確に把握し、必要な監視、測定及び調査に努めるものとする。

(環境の共創に向けた適切な指導等)

第12条 区長は、必要と認めるときは、環境の共創に関し、関係者に対して説明若しくは報告を求め、又は必要な指導、助言若しくは勧告を行うことができる。

(自然環境の保全及び創出)

第13条 区は、区民の生活に潤いと安らぎを与える緑地や水辺の保全及び創出に努めるものとする。

(資源循環の促進)

第14条 区は、環境への負荷の低減を図るため、施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、次の各号に掲げる事項に努めるものとする。

(1) 節水等資源及びエネルギーの節約並びに廃棄物の減量化の促進

(2) 雨水の有効利用及び資源の循環的利用

(3) 積極的な環境配慮型製品の購入

(4) エネルギーの有効利用

2 区は、区民及び事業者による環境への負荷の低減を図るため、前項各号に掲げる事項についての施策を推進するとともに、区民及び事業者に対し適切な支援を行うものとする。

(地球環境の保全)

第15条 区は、地球温暖化防止等地球環境の保全のために必要となる施策の策定及び推進に努めなければならない。

2 区民及び事業者は、日常生活及び事業活動が地球環境の悪化につながる可能性があることを認識し、区と協働して、地球環境の保全に努めるものとする。

第3章 基本施策の推進体制

(環境審議会)

第16条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、区長の附属機関として、墨田区環境審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、区長の諮問に応じ、次に掲げる事項を調査審議する。

(1) 環境基本計画に関すること。

(2) 環境の共創に関する基本的事項

(3) 前2号に掲げるもののほか、区長が必要と認める事項

3 審議会は、環境の共創に関し、区長に意見を述べることができる。

4 審議会は、学識経験を有する者、区議会議員、区民及び事業者その他必要があると認める者のうちから、区長が委嘱する15人以内の委員で組織する。

5 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、欠員が生じた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

6 前各項に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、墨田区規則(以下「規則」という。)で定める。

(国及び他の地方公共団体との連携)

第17条 区は、地球環境の保全その他広域的な取組を必要とする施策の実施に当たっては、国及び他の地方公共団体と連携するよう努めるものとする。

(団体との連携)

第18条 区は、環境の共創に関する活動が促進されるように、区民及び事業者が組織する団体と連携するとともに、当該団体が自発的に行う活動に対し、必要に応じ支援を行うものとする。

(事業者が行う環境の共創の促進)

第19条 事業者は、事業活動に伴う環境への負荷の低減を図るため、自主的に行う環境の共創に向けた方針の策定及び目標の設定並びにこれらの実施及び実施状況の点検等、環境配慮型の経営に資する仕組みづくりに努めるものとする。

2 区は、事業者が行う環境配慮型の経営に資する仕組みづくり及び環境配慮型製品の開発又は製造その他の環境の共創に資する事業活動に対し、必要な支援を行うものとする。

(すみだ環境共創区民会議の設置)

第20条 区における環境の共創に関する施策を総合的に推進するため、すみだ環境共創区民会議(以下「区民会議」という。)を置く。

2 区民会議は、次に掲げる事項を行う。

(1) 環境基本計画のうち、区民及び事業者の活動と区の施策との整合性に関し協議すること。

(2) 環境の共創に関する実践活動を行うこと。

(3) 環境の共創の推進について、必要に応じ区長に意見を述べること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、環境の共創の推進に当たっての重要な事項に関し協議すること。

(区民会議の組織及び運営)

第21条 区民会議は、公募による区民並びに環境団体、環境保全活動に実績のある区民及び事業者の中から区長が委嘱する者その他区長が必要と認める者25人以内で構成する。

2 区は、区民会議の円滑な運営のため、必要な資料の提出、関係者の出席その他必要な協力を行うものとする。

3 前2項に定めるもののほか、区民会議の組織及び運営に関して必要な事項は、規則で定める。

第4章 雑則

(委任)

第22条 この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

付 則

(施行期日)

1 この条例は、平成18年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際、現にあるすみだ環境区民会議は、第20条の規定により設置するすみだ環境共創区民会議とみなす。ただし、委員の任期は、平成19年3月31日までとする。

3 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後の墨田区環境審議会の設置に関し必要な手続、準備行為等は、施行日前においても、この条例の規定の例により行うことができる。

すみだ環境基本条例

平成17年12月9日 条例第57号

(平成18年4月1日施行)

体系情報
例規集/第8類の2 保健衛生・環境/第5章
沿革情報
平成17年12月9日 条例第57号