○墨田区集合住宅の建築に係る居住環境の整備及び管理に関する条例
平成20年3月28日
条例第10号
(目的)
第1条 この条例は、集合住宅の建築に関し必要な事項を定めることにより、良質な集合住宅の整備を促し、もって地域の居住環境の保全及び良好な近隣関係の形成を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号)及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)の例によるほか、次に定めるところによる。
(1) 集合住宅 次のいずれかに該当するものをいう。
ア 住戸数又は住室数が15以上の共同住宅、寄宿舎又は長屋の用途(その他の用途を併用する場合を含む。以下この号において同じ。)に供する建築物
イ 地階を除く階数が3以上かつ住戸数又は住室数が10以上の共同住宅、寄宿舎又は長屋の用途に供する建築物
(2) 住戸 居室及び台所、浴室(シャワー室を含む。次号において同じ。)、便所等の設備を有するもの(店舗、事務所等を含む。)をいう。
(3) 住室 居室を有し、台所、浴室、便所等の設備のいずれか又は全てを有しないものをいう。
(4) 事業者等 集合住宅の建築主、所有者、設計者、施工者、管理を行う者及び入居に関して仲介を行う者をいう。
(5) 区民等 次のいずれかに該当するものをいう。
ア 計画建築物(事業者等が建築を計画している集合住宅をいう。以下この号において同じ。)の敷地境界線から、計画建築物の高さと等しい水平距離の範囲内に居住する者
イ 冬至日における真太陽時の8時から16時までの間に、計画建築物から受ける日影が2時間以上となる範囲内に居住する者
(6) 専用床面積 住戸の面積のうち、建築物の柱芯、壁芯、窓サッシュ等により囲まれた区画の水平投影面積からパイプスペース、バルコニー、メーターボックス等の面積を除いたものをいう。
(平24条8・一部改正)
(適用範囲)
第3条 この条例は、区内における集合住宅の建築について適用する。
(平24条8・一部改正)
(1) 都市再開発法(昭和44年法律第38号)第2条第1号に規定する市街地再開発事業その他規則で定める法令の規定に基づき実施する事業に係る集合住宅
(2) 前号に掲げるもののほか、国又は地方公共団体が実施する事業に係る集合住宅
(3) その他公益上区長が特に必要と認める集合住宅
(平24条8・一部改正)
(区の責務)
第5条 区は、第1条の目的を達成するため、集合住宅の建築及び管理に関して事業者等との協議及び事業者等に対する適切な指導を行い、良質な住宅ストックの形成及び良好な居住環境の保全に努めなければならない。
(事業者等の責務)
第6条 事業者等は、第1条の目的を達成するため、集合住宅の建築に当たっては、建築計画の内容について区との協議及び区民等への説明を十分に行い、近隣紛争を未然に防ぐとともに、紛争が生じた場合においては、速やかに解決を図る努力を行う等、区民等が安全で快適に住み続けられる地域のまちづくりへの協力に努めなければならない。
(区民等の責務)
第7条 区民等は、第1条の目的を達成するため、地域の良好なコミュニティの形成に主体的に取り組み、安全で快適に住み続けられる地域のまちづくりに努めなければならない。
(良質な住まいの提供)
第8条 事業者等は、集合住宅の建築に当たっては、次に定めるところにより、多様な世代が安心して住み続けられる良質な住まいの提供を行わなければならない。
(1) 1住戸の専用床面積は、25平方メートル以上とすること。
(2) 居室の天井の高さは、2.3メートル以上とすること。
(3) 全体の住戸数が25戸以上100戸未満の場合においては、その住戸数の30パーセント以上を専用床面積が40平方メートル以上の住戸とすること。
(4) 全体の住戸数が50戸以上100戸未満で、かつ、その住戸数の50パーセント以上を専用床面積が40平方メートル以上の住戸が占める場合においては、全体の住戸数の20パーセント以上を専用床面積が70平方メートル以上の住戸とすること。ただし、全ての住戸の専用床面積が40平方メートル以上の場合は、この限りでない。
(5) 全体の住戸数が100戸以上の場合においては、その住戸数の50パーセント以上を専用床面積が40平方メートル以上の住戸とし、20パーセント以上を専用床面積が70平方メートル以上の住戸とすること。
(6) 規則で定めるところにより、全ての住戸をバリアフリーに配慮した住戸とすること。
(平24条8・一部改正)
(災害対策)
第8条の2 事業者等は、集合住宅を建築するときは、規則で定めるところにより、地震災害時における対策を講じなければならない。
(平24条8・追加)
(施設の整備)
第9条 事業者等は、集合住宅の建築に当たっては、その敷地内に規則で定める施設の整備を行わなければならない。
(1) 全体の住戸数が20戸以上の場合においては、原則として床面積が10平方メートル以上の管理人室を設置すること。ただし、全体の住戸数が30戸未満の場合においては、その床面積を5平方メートル以上とすることができる。
(2) 管理人室は、日常的に利用する出入口から見える位置に設置し、管理人室である旨を明示すること。
(3) 管理責任者を選任するとともに、規則で定める緊急連絡先の表示板を設置すること。
(4) 管理体制は、全体の住戸数の区分に応じて次に掲げるとおりとすること。ただし、規則で定める場合は、この限りでない。
ア 20戸未満 週5日以上の定時巡回管理
イ 20戸以上50戸未満 週5日以上かつ1日4時間以上の駐在管理
ウ 50戸以上100戸未満 週5日以上かつ1日8時間以上の駐在管理
エ 100戸以上 常駐管理
(5) 当該集合住宅の入居予定者と入居に係る契約を締結する際には、次のことについて管理規約に盛り込む等、その周知徹底を図ること。
ア 近隣への迷惑行為又は不快行為となる騒音等を発生させないこと。
イ ごみ・資源の分別等適正な処理ルール等を徹底させること。
ウ 周辺道路に自動車、自動二輪車、原動機付自転車、自転車等を駐車させないこと。
(平24条8・一部改正)
(周辺地域の居住環境への配慮)
第11条 事業者等は、集合住宅の建築に当たっては、周辺地域の居住環境に及ぼす影響等について十分に配慮し、規則で定める措置を講じなければならない。
(地域団体への説明)
第12条 事業者等は、次条の規定による届出の前に、建築計画の内容を地域団体に説明しなければならない。
(建築計画の届出及び協議)
第13条 事業者等は、集合住宅の建築に当たっては、建築基準法第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認の申請の75日前(当該集合住宅の高さが15メートル以下かつ延べ床面積が1,000平方メートル以下の場合については、30日前)又は墨田区中高層建築物の建築に係る紛争の予防及び調整に関する条例(昭和53年墨田区条例第30号。以下「紛争予防条例」という。)第5条第1項本文に規定する標識を設置する日の15日前までに、第8条から第11条までに規定する事項について、規則で定める協議申請書に必要な書類を添付して区長に届け出て、その内容を協議しなければならない。
(平24条8・一部改正)
(施設整備の標識設置)
第14条 事業者等は、前条の規定による協議申請後速やかに、規則で定めるところにより、施設整備の標識を設置しなければならない。
2 事業者等は、前項の規定により施設整備の標識を設置したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を区長に届け出なければならない。
(平24条8・一部改正)
(協議成立の通知)
第15条 区長は、第13条の規定による協議が成立したときは、規則で定める協議成立書により事業者等に通知し、協議事項について相互に確認するものとする。
3 事業者等は、第1項の協議が成立した後に当該協議に係る建築物の権利を第三者に譲渡する場合は、規則で定めるところにより区長に届け出て、当該協議の内容を第三者に承継させるものとする。
(説明会の開催等)
第17条 事業者等は、第15条第1項の規定による通知を受けた後、区民等に対し、速やかに建築計画の内容に関する説明会を開催しなければならない。
2 事業者等は、前項の説明会の終了後、速やかに規則で定める報告書を区長に提出しなければならない。
3 当該建築計画に係る集合住宅が紛争予防条例の適用を受ける場合においては、前項に規定する説明会及び報告は、紛争予防条例第6条第1項に規定する説明会及び同条第4項の規定による報告をもってこれに代えることができる。
(閲覧)
第18条 区長は、次に掲げるものについて、閲覧に供するものとする。
(2) 前条第2項の報告書
2 前項各号に掲げる書類を閲覧しようとする者は、規則で定めるところにより、区長に申請しなければならない。
(完了届の提出等)
第19条 事業者等は、集合住宅の建築工事が完了したときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を区長に届け出て、立会いによる確認を受けなければならない。
(公共施設及び公益施設の整備)
第20条 事業者等は、規則で定める事業区域(面積が5,000平方メートル以上のものに限る。)において集合住宅を建築しようとする場合で、かつ、区長が特に必要があると認めるときは、公共施設及び公益施設の整備について区長と協議するものとする。
(報告)
第20条の2 区長は、特に必要があると認めるときは、事業者等に対し、建築計画の内容について報告を求めることができる。
(平24条8・追加)
(指導及び勧告)
第21条 区長は、次に掲げる場合においては、事業者等に対し指導を行うものとする。
(2) 事業者等が第13条の規定による協議を行わない場合
(4) 事業者等が前条の規定による報告を行わない場合
2 区長は、事業者等が前項の規定による指導に従わない場合において、必要があると認めるときは、規則で定めるところにより、当該事業者等に対し必要な措置を講ずるよう勧告することができる。
(平24条8・一部改正)
(公表)
第22条 区長は、事業者等が前条の規定による勧告に従わない場合において、特に必要があると認めるときは、規則で定めるところにより、その事実を公表することができる。
付則
1 この条例は、平成20年7月1日から施行する。
2 この条例の施行の日前に、墨田区良好な建築物と市街地の形成に関する指導要綱(平成7年10月11日7墨都開第253号)第7条第1項に規定する協議合意書が提出された建築物でこの条例の規定による集合住宅に該当するものの建築については、この条例の規定は、適用しない。
付則(平成24年3月29日条例第8号)
(施行期日)
1 この条例は、平成24年7月1日から施行する。ただし、第8条の次に1条を加える改正規定は、同年9月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の墨田区集合住宅の建築に係る居住環境の整備及び管理に関する条例(以下「新条例」という。)第2条から第4条まで、第8条、第10条、第14条第1項、第20条の2及び第21条第1項の規定は、この条例の施行の日(以下この項において「施行日」という。)以後に協議の申請があった集合住宅について適用し、施行日前に協議の申請があった集合住宅で、施行日前又は施行日以後に当該協議が成立し、建築基準法(昭和25年法律第201号)第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受けたものについては、なお従前の例による。ただし、当該確認を受けた日以後において、当該集合住宅が新条例第3条第2項本文に規定する場合に該当することとなったときは、この限りでない。
3 新条例第8条の2の規定は、付則第1項ただし書に規定する改正規定の施行の日(以下「改正規定の施行日」という。)以後に協議の申請があった集合住宅について適用し、改正規定の施行日前に協議の申請があった集合住宅で、改正規定の施行日前又は改正規定の施行日以後に当該協議が成立し、建築基準法第6条第1項又は第6条の2第1項の規定による確認を受けたものについては、なお従前の例による。ただし、当該確認を受けた日以後において、当該集合住宅が新条例第3条第2項本文に規定する場合に該当することとなったときは、この限りでない。