○旅館業法施行条例

平成24年3月29日

条例第30号

(趣旨)

第1条 この条例は、旅館業法(昭和23年法律第138号。以下「法」という。)の規定に基づき、宿泊者の衛生に必要な措置等の基準その他必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この条例で使用する用語の意義は、法で使用する用語の例による。

(標識の設置等)

第3条 法第3条第1項に規定する許可を受けて旅館業を営もうとする者(以下「申請予定者」という。)は、周辺住民等(旅館業を営もうとする施設がある建物に係る敷地及びその敷地に隣接し、又は近接(その敷地からの距離がおおむね10メートルの範囲をいう。)する土地に存する建物を所有し、又は建物に居住する住民等をいう。以下同じ。)に旅館業に係る営業計画の周知を図るため、当該許可の申請に先立って、墨田区規則(以下「規則」という。)で定めるところにより、標識を設置し、その旨を区長に届け出なければならない。ただし、現に旅館業の許可を受けて営業している者の承継及び名義変更については、この限りでない。

2 区長は、申請予定者が前項の規定による標識を設置しないときは、当該申請予定者に対し、標識を設置するよう指導することができる。

(平30条25・追加)

(説明会の開催等)

第4条 申請予定者は、規則で定めるところにより、周辺住民等に対し、説明会の開催又は戸別訪問(以下「説明会等」という。)により旅館業に係る営業計画について説明し、その内容を区長に報告しなければならない。ただし、現に旅館業の許可を受けて営業している者の承継及び名義変更については、この限りでない。

2 区長は、申請予定者が前項の規定による説明会等を行わないときは、当該申請予定者に対し、説明会等を行うよう指導することができる。

(平30条25・追加)

(社会教育施設等)

第5条 法第3条第3項第3号の規定による条例で定める施設は、次のとおりとする。

(1) 学校教育法(昭和22年法律第26号)第134条第1項の各種学校で、その教育課程が同法第1条の学校(大学を除く。)の教育課程に相当するもの

(2) 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項の図書館

(3) 前2号に掲げる施設のほか、博物館、公民館、公園、スポーツ施設その他これらに類する施設のうち、主として児童の利用に供されるもの又は多数の児童の利用に供されるもので、区長が特に必要があると認めて指定するもの

2 区長は、前項第3号の規定により施設を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

(平30条25・旧第3条繰下)

(意見聴取)

第6条 法第3条第4項の条例で定める者は、次のとおりとする。

(1) 施設が国の設置するものであるときは、当該施設の長

(2) 施設が地方公共団体の設置するものであるときは、当該施設を所管する地方公共団体の長又は教育委員会

(3) 施設が国及び地方公共団体以外の者の設置するものであるときは当該施設を監督する行政庁、監督する行政庁がないときは当該施設の存する特別区の長

(平30条25・旧第4条繰下)

(宿泊者の衛生に必要な措置等の基準)

第7条 法第4条第2項の規定による条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。

(1) 旅館業の営業に係る施設(以下「営業施設」という。)については、次の換気措置を講ずること。

 換気のために設けられた開口部は、常に開放しておくこと。

 機械換気設備を有する場合は、十分な運転を行うこと。

(2) 営業施設の採光及び照明は、十分な照度を有するようにし、照明設備については、次の措置を講ずること。

 定期的に照度を測定するなど保守点検を適切に行い、照度不足、故障等が生じた場合は、速やかに取り替え、又は補修すること。

 定期的に清掃し、常に清潔を保つこと。

(3) 営業施設については、次の防湿措置を講ずること。

 排水設備は、水流を常に良好にし、雨水及び汚水の排水に支障がないようにしておくこと。

 客室の床が木造であるときは、床下の通風を常に良好にしておくこと。

(4) 客室、応接室、食堂、調理場、配膳室、玄関、浴室、脱衣室、洗面所、便所、廊下、階段等は、常に清潔にしておくこと。

(5) 寝具類については、次の措置を講ずること。

 布団及び枕には、清潔なシーツ、布団カバー、枕カバー等を用いること。

 シーツ、布団カバー、枕カバー及び寝巻きは、宿泊者ごとに交換し、洗濯すること。

 布団及び枕は、適当な方法により湿気を除くこと。

(6) 客室には、次に掲げる基準を超えて宿泊者を宿泊させないこと。

 旅館・ホテル営業及び下宿営業 1客室の規則で定めるところにより算定した有効部分の面積(以下「有効面積」という。)3平方メートルにつき1人

 簡易宿所営業 有効面積1.5平方メートルにつき1人

(7) 客室にガス設備を設ける場合には、次の措置を講ずること。

 宿泊者の見やすい箇所に、元栓の開閉時刻及びガスの使用方法についての注意の表示等を掲示すること。

 元栓は、各客室の宿泊者の安全を確かめた後でなければ開放しないこと。

(8) 浴室については、次の措置を講ずること。

 湯栓及び水栓には、清浄な湯水を十分に供給すること。

 浴槽は、1日1回以上換水し、清掃すること。ただし、ろ過器(浴槽水を循環させ、ろ過する装置をいう。以下同じ。)を設置して浴槽水をろ過する浴槽にあっては、適切な水質を維持することができる範囲において毎週1回以上換水すること。

 共同浴室にあっては、使用中は、浴槽を湯水で常に満たしておくこと。

 貯湯槽を使用するときは、次の措置を講ずること。

(ア) 貯湯槽内部の汚れ等の状況について随時点検し、規則で定めるところにより、定期的に清掃及び消毒を行い、ぬめり等の汚れを除去すること。

(イ) 貯湯槽内の湯水を規則で定める温度以上に保つこと。ただし、これにより難い場合には、塩素系薬剤により湯水の消毒を行うこと。

 ろ過器等を使用して浴槽水を循環させるときは、次の措置を講ずること。

(ア) ろ過器は、規則で定めるところにより、定期的に逆洗浄等を行い、生物膜等ろ材に付着した汚れを除去するとともに、内部の消毒を行うこと。

(イ) 浴槽水を循環させるための配管は、規則で定めるところにより、定期的に内部の消毒を行うこと。

(ウ) 集毛器は、規則で定めるところにより、定期的に清掃を行い、内部の毛髪、あか、ぬめり等を除去すること。

(エ) 浴槽水は、塩素系薬剤により消毒を行い、遊離残留塩素濃度が1リットルにつき0.4ミリグラム以上になるように保つこと。ただし、これにより難い場合には、規則で定めるところにより消毒を行い、レジオネラ属菌が検出されない水質を維持すること。

(オ) 浴槽水については、規則で定めるところにより、定期的に水質検査を行うこと。

 及びの規定による清掃、消毒、検査等の実施状況を記録し、3年間保存すること。

(9) 洗面所には、清浄な湯水を十分に供給すること。

(10) 客室、脱衣室等にコップ、くし等を備え付ける場合には、清潔なものを用いることとし、宿泊者ごとに取り替えること。

(11) 便所にタオル等を備え付ける場合には、清潔なものを用いることとし、宿泊者ごとに取り替えること。

(12) 営業者は、前各号に規定する宿泊者の衛生に必要な措置を適正に行うため、原則として営業施設ごとに管理者を置くこと。ただし、営業者が自ら管理者となって管理する営業施設については、この限りでない。

(平30条25・旧第5条繰下・一部改正、令3条26・一部改正)

(宿泊を拒むことができる事由)

第8条 法第5条第1項第4号の条例で定める事由は、次のとおりとする。

(1) 宿泊しようとする者が泥酔等により他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼすおそれがあると認められるとき。

(2) 宿泊者が他の宿泊者に著しく迷惑を及ぼす言動をしたとき。

(平30条25・旧第6条繰下、令5条34・一部改正)

(営業者の遵守事項)

第9条 営業者は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 客室の入り口には、室番号又は室名を表示しておくこと。

(2) 客室には、定員を表示した案内書、表示板等を備え付けること。

(3) 玄関帳場及び客室には、宿泊料を表示した案内書、表示板等を備え付けること。

(4) 営業施設には、営業従事者名簿を備え付け、規則で定める事項を記載しておくこと。

(5) 営業施設の入り口付近には、宿泊施設である旨を宿泊者や周辺住民等へ周知するため、規則で定める表示をすること。

(平30条25・旧第7条繰下・一部改正)

(旅館・ホテル営業の施設の構造設備の基準)

第10条 旅館業法施行令(昭和32年政令第152号。以下「政令」という。)第1条第1項第8号の条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 宿泊者の利用しやすい位置に、規則で定める玄関帳場若しくはフロント又はこれに類する設備を設けること。

(2) 調理場を設ける場合には、次の構造設備の基準によること。

 壁、板その他適当な物により、他の部屋等から区画されていること。

 宿泊者に食事を供給するのに支障がない広さを有すること。

 出入口、窓その他開閉する箇所には防虫設備を、排水口には防そ設備を設けること。

 十分な能力の換気設備を有すること。

 修学旅行等おおむね50人以上の団体を宿泊させる施設については、配膳に支障が生じないような十分な広さを有する配膳室を付設し、配膳室には、床面からの跳ね水等による汚染を防止するために十分な高さの配膳台及び食器戸棚を設けること。

(3) 客室は、次の基準によること。

 1客室の規則で定める構造部分の床面積は、政令第1条第1項第1号に規定する面積以上であること。

 睡眠、休憩等の用に供する部屋は、窓からの採光を十分に得ることができる構造であること。

 客室と他の客室、廊下等との境界は、規則で定めるものを用いて区画すること。

(4) 宿泊者を宿泊させるために十分な数量の寝具類を有すること。

(5) 寝具類の収納設備は、寝具類の数量に応じた十分な広さを有すること。

(6) 浴室は、次の基準によること。

 洋式浴室の浴槽は、利用者ごとに浴槽水を取り替えることができる構造設備であること。

 共同用の浴室又はシャワー室を設ける場合には、宿泊定員、利用形態等を勘案し、十分な広さの脱衣室を付設すること。

 和式浴室を設ける場合には、十分な数の上り用湯の湯栓及び上り用水の水栓を有すること。

 ろ過器等を使用して浴槽水を循環させる場合には、次の構造設備の基準によること。

(ア) ろ過器は、十分なろ過能力を有し、ろ過器の上流に集毛器が設置されていること。

(イ) ろ過器のろ材は、十分な逆洗浄を行うことができるものであること。ただし、これにより難い場合は、ろ材の交換を適切に行うことができる構造であること。

(ウ) 循環させた浴槽水を打たせ湯、シャワー等に再利用しない構造であること。

(エ) 浴槽からあふれた湯水を再利用しない構造であること。

(オ) 入浴者の浴槽水の誤飲、飛まつの吸引等による事故を防止するための措置が講じられた構造であること。

(カ) 循環水取入口は、入浴者の吸い込み事故を防止するための措置が講じられた構造であること。

(キ) 気泡発生装置、ジェット噴射装置その他の微小な水粒を発生させる設備を設ける場合には、点検、清掃及び排水を行うことができる構造であること。

(7) 客室にガス設備を設ける場合には、次の基準によること。

 専用の元栓を有すること。

 ガス管は、耐食性を有し、ガスの供給が容易に中断されないものであり、かつ、容易に取り外すことができないように接続されていること。

(8) 便所は、次の基準によること。

 各階に設置し、防虫及び防臭の設備並びに手洗い設備を有すること。

 便所を付設していない客室を有する階には、男子用と女子用とを区分した共同便所を設け、規則で定めるところにより、便器を設置すること。

(9) 共同洗面所を設ける場合には、規則で定めるところにより、給水栓を設置すること。

(平30条25・旧第8条繰下・一部改正、令3条26・一部改正)

(簡易宿所営業の施設の構造設備の基準)

第11条 政令第1条第2項第7号の条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 宿泊者の利用しやすい位置に宿泊者の履物を保管する設備を設けること。

(2) 1客室の規則で定める構造部分の床面積は、3平方メートル以上であること。

(3) 全ての客室の規則で定める構造部分の延べ床面積は、政令第1条第2項第1号に規定する面積以上であること。

(4) 階層式寝台を設ける場合は、2層とすること。

(5) 多数人で共用しない客室を設ける場合には、その客室の延べ床面積は、総客室の延べ床面積の2分の1未満とすること。

(6) 適当な規模の玄関帳場若しくはフロント又はこれに類する設備を設けること。ただし、規則で定める基準に適合するときは、これらの設備を設けることは要しない。

2 前条第2号の規定は、簡易宿所営業の施設に調理場を設ける場合に準用する。

3 前条第3号イ及び並びに第4号から第9号までの規定は、簡易宿所営業の施設について準用する。

(平30条25・旧第10条繰下・一部改正)

(下宿営業の施設の構造設備の基準)

第12条 政令第1条第3項第5号の条例で定める構造設備の基準は、次のとおりとする。

(1) 1客室の規則で定める構造部分の床面積は、4.9平方メートル以上であること。

(2) 各客室には、押し入れを設けること。

2 第10条第2号の規定は、下宿営業の施設に調理場を設ける場合に準用する。

3 第10条第3号イ及び並びに第6号から第9号までの規定は、下宿営業の施設について準用する。

(平30条25・旧第11条繰下・一部改正)

(衛生措置基準の特例)

第13条 区長は、旅館・ホテル営業又は簡易宿所営業の施設のうち、季節的に利用されるものその他特別の事情があるものについては、第7条第2号及び第6号に規定する基準に関し必要な特例を規則で定めることができる。

(平30条25・旧第12条繰下・一部改正)

(構造設備基準の適用除外)

第14条 旅館業法施行規則(昭和23年厚生省令第28号)第5条第1項に規定する施設について、その構造設備が第10条及び第11条の基準による必要がない場合又はこれらの基準により難く、かつ、公衆衛生上支障がないと区長が認める場合は、次の各号に掲げる営業について、それぞれ当該各号に掲げる基準を適用しないことができる。

(1) 旅館・ホテル営業 第10条第2号第4号第5号第6号イ及び第8号並びに第9号に規定する基準

(2) 簡易宿所営業 第11条第1項第1号及び第5号同条第2項において準用する第10条第2号第11条第3項において準用する第10条第4号第5号第6号イ及び第8号並びに第9号に規定する基準

2 前項の場合のほか、旅館・ホテル営業、簡易宿所営業又は下宿営業の施設について、その構造設備が第10条第2号(第11条第2項及び第12条第2項において準用する場合を含む。)第8号及び第9号(第11条第3項及び第12条第3項において準用する場合を含む。)に規定する基準による必要がない場合又はこれらの基準により難く、かつ、公衆衛生上支障がないと区長が認める場合は、これらの基準を適用しないことができる。

(平30条25・旧第13条繰下・一部改正)

(委任)

第15条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

(平30条25・旧第14条繰下)

この条例は、平成24年4月1日から施行する。

(平成30年3月29日条例第25号)

この条例は、平成30年6月15日から施行する。

(令和3年9月30日条例第26号)

1 この条例は、令和4年1月1日から施行する。ただし、第7条第11号の改正規定、第10条第6号エに次のように加える改正規定及び次項の規定は、令和3年10月1日から施行する。

2 前項ただし書に規定する改正規定の施行の際、現に旅館業法(昭和23年法律第138号)第3条第1項の規定により経営の許可を受けている営業施設及び現に当該許可の申請がされている施設については、この条例による改正後の第10条第6号エ(キ)の規定は適用しない。ただし、前項ただし書に規定する日以後に、営業施設の浴室を増築し、若しくは改築し、又は大規模な修繕をする場合は、この限りでない。

(令和5年9月29日条例第34号)

この条例は、墨田区規則で定める日から施行する。

(令和5年規則第73号により令和5年12月13日から施行)

旅館業法施行条例

平成24年3月29日 条例第30号

(令和5年12月13日施行)