○墨田区基準点及び境界点管理要領

平成14年3月26日

13墨都整土第742号

(目的)

第1条 この要領は、墨田区が設置した基準点と境界点の保全に関して必要な事項を定めることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この要領において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 基準点

公共測量作業規定及びその他で定める基準点をいう。基準点の明示は、埋標、金属標又は鋲等による。

(2) 境界点

境界協議、道路区域確認等がなされ、合意された点をいう。境界点の明示は、石標・鋲又は区域標等による。

(3) 工事施工者

道路等の工事を施工しようとする企業者又は工事請負者をいう。

(4) 測量業者

測量を実施しようとする測量士又はそれと同等の技術力を所有する業者又は個人をいう。

(工事施工の届出等)

第3条 工事施工者又は、測量業者は、次の各号の一に該当する場合は、工事施工届出書(第1号様式)を区長に提出するものとする。

(1) 基準点と境界点の周囲5メートル以内で、道路掘削等を伴う工事を施工する場合

(2) 前号以外の工事で、基準点と境界点に影響を及ぼすと思われる場合

(工事施工前境界確認測量)

第4条 区長は、前条の申請を受けた場合において、基準点と境界点の保全のため、工事施工前境界確認測量(別表1)の必要な措置を講ずるよう指示するものとする。

2 工事施工者又は測量業者は、工事施工前境界確認測量の完了後、速やかに境界確認測量〔工事前〕報告書(第2号様式)を提出するものとする。

(工事施工後境界確認測量及び基準点移転測量、境界点復元測量)

第5条 工事施工者又は測量業者は、工事施工後境界確認測量(別表2)を行い、工事前と工事後の比較で、基準点及び境界点の変動が確認されたときは、基準点移転測量(別表3)及び境界点復元測量(別表4)を講ずるものとする。

2 工事施工者又は測量業者は、工事施工後境界確認測量、基準点移転測量、境界点復元測量の完了後、速やかに境界確認測量〔工事後〕報告書(第2号様式)を提出するものとする。

3 工事施工者が、第3条の規定による届出を行わないで工事を行い、基準点又は、境界点を毀損、若しくは滅失した場合は、速やかに管理者に報告し、直ちに基準点の新設及び境界点の復元をさせる。この際は、区で所有するそれぞれの測量成果により、基準点の新設及び境界点の復元を行い、それぞれの測量成果と差し替えるものとする。

(費用負担)

第6条 境界確認測量等の施行に要する費用は、工事施工者又は原因者の負担とする。

(所管)

第7条 この要領に係わる事務は、都市計画部都市整備担当土木管理課において行う。ただし、都市計画事業、区画整理事業、再開発事業等のために設置した基準点及び境界点については、基準点及び境界点の管理を都市計画部都市整備担当土木管理課に引き継がれるまでの間は、当該事業を所管する課が行う。

この要領は、平成14年4月1日から施行する。

(別表1)

工事施工前境界確認測量

1 目的

基準点及び境界点に近接して工事を施工する場合、境界点への影響を確認するため、工事前に境界確認測量を行う。

2 作業手順

(1) 区と協議及び作業計画

(2) 選点方法

(3) 基準点の設置

(4) 観測方法と主要な機器

(5) 多角測量方法

(6) 計算

(7) 点検測量作業

(8) 提出成果等の整理

3 作業手順の詳細

(1) 区と協議及び作業計画

現地の状況及び工事計画等をよく把握し、墨田区と十分に協議した上で、工事後の測量方法を判断するものとする。

(2) 選点方法

ア 隣接する基準点との視通を2方向以上確保するものとする。

イ 工事等の計画、規模等と現地をよく照合した上で、工事等の影響が及ばない公共用地に選点するものとする。やむを得ず私有地になる場合は、所有者の承諾を得るものとする。

ウ 境界点すべての視通ができる位置とする。

エ 運用基準

項目

3級基準点測量

4級基準点測量

既知点数

3点以上

網の型

単路線方式

路線の辺数

10辺以下

15辺以下

節点間の距離

70m以上

20m以上

路線長

1.5km以下

700m以下

方向角の取り付け

全既知点の1/3以上(端数切り上げ)において方向角の取り付けを行う。ただし、GPS測量機を使用する場合は、方向角の取り付けは省略する。

(3) 基準点の設置

ア 基準点の設置方法は、金属標若しくは地上埋標のいずれかとする。

イ 基準点を設置したときは、点の記を作成し、写真を添付する。(施工後)

ウ 地上埋標作業は、工程ごとに写真撮影を行うものとする。(施工前・施工中・施工後)

エ 埋標においては、地下埋設物等を調査し、掘削には十分な注意を払って行うものとする。

(4) 観測方法と主要な機器

ア 観測に使用する主要な機器は、次表に掲げるもの又はこれらに相当以上のものとする。

項目

3級基準点測量

4級基準点測量

トランシット

2級トランシット以上

3級トランシット以上

光波測距儀

測定精度 ±5mm ±5ppm×D

GPS

2級GPS測量機以上

トータルステーション

2級トータルステーション以上

3級トータルステーション以上

イ 観測は前項の機器を用いて、水平角、鉛直角、距離を測定し、必要に応じて水準測量を行うものとする。

ウ 使用する機器は、所定の方法により点検及び検定を行い、必要に応じて調整するものとする。

エ 単路線方式で行う。

単路線方式とは、両端に既知点を有し、一路線で新点を結ぶ多角方式である。両端の既知点の少なくとも1点において方向角の取り付け観測を行う。ただし、GPS測量機を使用する場合には、この限りではない。

(5) 多角測量方法

ア 観測の制限等は、次表に掲げるとおりとする。

項目

3級基準点測量

4級基準点測量

水平角

対回数

1対回

倍角差

30秒

観測差

20秒

鉛直角

対回数

1対回

定数差

30秒

距離

セット数

2セット

セット内較差

2cm

セット間較差

2cm

測標水準測量

往復観測値の較差 ±20mm√s

(s:片道距離Km単位)

(6) 計算

ア 計算は、所定の計算式により行い、次表に掲げる桁まで算出するものとする。

平面直角座標

標高

角の値

辺の長さ

mm位

cm位

測標水準mm位

1秒

mm位

イ 必要に応じて球面補正等を行うこと。

(7) 点検測量作業

ア 基準点から基準点を観測(測角、測距)する。

イ 基準点から境界点を逆打ち確認する。

(8) 提出成果等の整理

ア 測量成果図には、工事施工前の距離、角度を記入する。

イ 区から事前に資料の提供があった場合は、アのほか既存測量成果の座標計算値を記入する

ウ 提出成果等は、次のとおりとする。

① 案内図

② 資料(区から提供された場合)

基準点測量

③ 観測手簿

④ 計算書

⑤ 点の記・写真

⑥ 基準点座標一覧表

⑦ 基準点網図と基準点座標一覧表を1枚にしたもの

⑧ 精度管理表

⑨ その他

境界点測量

⑩ 観測手簿

⑪ 計算書

⑫ 写真

⑬ 境界点座標一覧表

⑭ 境界点観測位置図

⑮ その他

図面

⑯ 比較図(①資料、②工事前)

(別表2)

工事施工後境界確認測量

1 目的

境界確認測量〔工事前〕報告書に基づき、工事による基準点及び境界点への影響を確認するため、工事施工後、速やかに境界確認測量を行う。

2 作業手順

工事の施工による、基準点の移転及び境界点の一時撤去がない場合は、以下のとおり進める。

工事の施工による、基準点の移転がある場合は、基準点移転測量(別表3)を行う。又、境界点の一時撤去がある場合は、境界点復元測量(別表4)を行うものとする。

(1) 再観測作業

(2) 計算

(3) 提出成果等の整理

3 作業手順の詳細

(1) 再観測作業(舗装復旧等の完了後に行う。)

工事施工前境界確認測量の点検測量作業を準用する。

(2) 計算

工事施工前境界確認測量の計算による。

(3) 提出成果等の整理

ア 測量成果図には、工事施工前の距離、角度及び工事施工後の距離、角度を記入する。

イ 区から事前に資料の提供があった場合は、アのほか既存測量成果の座標計算値を記入する

ウ 提出成果等は、次のとおりとする。

① 案内図

② 資料(区から提供された場合)

基準点測量

③ 観測手簿

④ 計算書

⑤ 基準点座標一覧表

⑥ 基準点網図と基準点座標一覧表を1枚にしたもの

⑦ 精度管理表

⑧ その他

境界測量

⑨ 観測手簿

⑩ 計算書

⑪ 写真

⑫ 境界点座標一覧表

⑬ 境界点観測位置図

⑭ その他

図面

⑮ 比較図(①資料、②工事施工前、③工事施工後)

(別表3)

基準点移転測量

1 目的

工事の施工による基準点の移転がある場合は、本要領に基づき工事施工終了後、速やかに基準点移転測量を行う。

2 作業手順

(1) 選点方法

(2) 基準点の設置

(3) 基準点測量作業

(4) 計算

(5) 点検測量作業

(6) 提出成果等の整理

(7) 測量の合否判定

(8) 測量成果の修正

3 作業手順の詳細

(1) 選点方法

工事施工前境界確認測量の選点方法による。

(2) 基準点の設置

工事施工前境界確認測量の基準点の設置による。

(3) 基準点測量作業

区が指定する測量方法及び精度による基準点測量を行う。

(4) 計算

工事施工前境界確認測量の計算による。

(5) 点検測量作業

工事施工前境界確認測量の点検測量作業による。

(6) 提出成果等の整理

工事施工後境界確認測量の提出成果等の整理による。

(7) 測量の合否判定

基準点測量作業の成果を作成し、区が指定する精度を満たしたときには境界確認測量〔工事後〕報告書を提出する。もし、精度が範囲外であったときには、再度基準点測量作業を行う。

(8) 測量成果の修正

区の所有する測量成果のうち、本作業により変更された内容についての修正を行う。

(別表4)

境界点復元測量

1 目的

工事の施工による境界標の一時撤去がある場合は、本要領に基づき工事施工終了後、速やかに境界点復元測量を行う。

2 作業手順

(1) 復元測量

(2) 境界標の設置

(3) 再観測作業

(4) 計算

(5) 提出成果等の整理

(6) 測量の合否判定

3 作業手順の詳細

(1) 復元測量

工事施工前境界確認測量の成果に基づき境界点の逆打ちを行う。

(2) 境界標の設置

工事前の境界標の種類により設置する。

(3) 再観測作業

ア 基準点から基準点を再観測(測角、測距)する。

イ 基準点から境界標を再観測(測角、測距)する。

(4) 計算

工事施工前境界確認測量の計算による。

(5) 提出成果等の整理

工事施工後境界確認測量の提出成果等の整理による。

(6) 測量の合否判定

境界点復元作業の成果を作成し、区が指定する精度を満たしたときには境界点確認測量〔工事後〕報告書を提出する。もし、精度が範囲外であったときには、再度境界標の設置作業を行う。

(参考1)

基準点の金属標の種類及び埋標型式

1 基準点の種類

(1) 金属標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

多角点

画像

(目的)

境界における多角点を標示する。

(材質)

プラス鋲

特殊鋼熱処理済品

アルミ合金品

(形状)

プラス鋲

D20mm×L100mm

D45mm×H7mm

道路区域内に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(名称)

基準点

画像


(名称)

普通(文字なし)

画像


(名称)

地籍多角点

画像

(目的)

境界における多角点を標示する。

(材質)

プラス鋲

特殊鋼熱処理済品

アルミ合金品

(形状)

プラス鋲

D20mm×L100mm

D45mm×H7mm

D50mm×H9mm

地籍調査完了箇所の区有地に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(2) 地上埋標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

地籍多角点

画像

(目的)

境界における多角点を標示する。

(材質)

アンカー

真鍮

アルミ合金品

柱石

コンクリート

(形状)

アンカー

D8mm×L50mm

D45mm×H7mm

D50mm×H9mm

柱石

100mm×100mm×600mm

地籍調査完了箇所の区有地に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(名称)

地籍図根三角点

画像

(目的)

境界における多角点を標示する。

(材質)

アンカー

真鍮

真鍮

柱石

コンクリート

(形状)

アンカー

D8mm×L50mm

D800mm×H12mm

柱石

120mm×120mm×900mm



(参考2)

境界点の金属標の種類及び埋標型式

1 境界点の種類

(1) 金属標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

墨田区紋章入り鋲

画像

(目的)

現地の状況等でコンクリート境界石が入らない場合にコンクリート境界石の代わりに所有権の境界点を標示する。また、所有権の境界が協議決定するまでの間仮境界点として標示する。

(材質)

特殊鋼熱処理済品

(形状)

D19mm×L55mm

区有地に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(名称)

道界明示板

画像

(目的)

道路法による区域を標示する。

(材質)

アンカー

真鍮

プレート

アルミ合金

(形状)

アンカー

D8mm×L50mm

プレート

50mm×50mm

道路区域内に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(2) 地上埋標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

 コンクリート境界石(石標)

種類(平面図)

十字杭

画像

隅矢印杭

画像

中央杭

画像

(目的)

所有権の境界点を標示する。

(材質)

 鉄筋コンクリート

(形状)

120mm×120mm×600mm

区有地に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地に設置できる。


(名称)

 コンクリート境界石

種類(平面図)

十字杭

画像

隅矢印杭

画像

中央矢印杭

画像

(目的)

 所有権の境界点を標示する。

(材質)

 鉄筋コンクリート頭部鋳鉄品

(形状)

100mm×100mm×600mm


(参考3)

その他の金属標の種類及び埋標型式

1 その他の種類

(1) 金属標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

中心点

画像

(目的)

震災・戦災の復元線の街区中心点に標示する。

区有地に設置することを原則とする。

道路境界線及び道路境界予定線の中心に設置する。


(名称)

安全快適

画像

(目的)

建築基準法の42条2項道路の中心位置を標示する。

(材質)

プラス鋲

特殊鋼熱処理済品

アルミ合金品

(形状)

プラス鋲

D15mm×L75mm

D45mm×H7mm

建築主事の指示する位置に設置することを原則とする。


(名称)

画像

(目的)

道路の中心及び境界における基準点等を標示する。

(材質)

プラス鋲

(形状)

プラス鋲

D20mm×L100mm

D15mm×L75mm

区有地に設置することを原則とする。

道路境界線及び道路境界予定線の中心及び境界における基準点等として設置する。


(名称)

国調プレート

種類(平面図)

十字プレート

画像

隅矢印プレート

画像

中央矢印プレート

画像




(2) 地上埋標

目的及び材質、形状

標示する場所


(名称)

コンクリート境界石(石標)

種類(平面図)

財務杭

画像

(目的)

所有権の境界点を標示する。

(材質)

鉄筋コンクリート

(形状)

120mm×120mm×600mm

区有地に設置することを原則とする。

やむを得ない場合は土地所有者等の承諾を得て民有地にも設置する。


様式 省略

墨田区基準点及び境界点管理要領

平成14年3月26日 墨都整土第742号

(平成19年4月2日施行)