○墨田区障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成29年2月28日

28墨福障第1878号

(趣旨)

第1条 この要綱は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「総合支援法」という。)に規定する障害福祉サービス事業者、特定相談支援事業者、地域生活支援事業者及び障害者支援施設等の設置者、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に規定する障害児通所支援事業者及び障害児相談支援事業者その他区長が必要と認める障害福祉に係る事業又は施設を経営する者(以下「障害福祉サービス事業者等」という。)に対して、総合支援法、児童福祉法その他の法令又は東京都若しくは区の条例若しくは規則に基づき区が行う指導及び監査について、基本的事項を定めるものとする。

(目的)

第2条 指導及び監査は、総合支援法、児童福祉法その他の法令又は東京都若しくは区の条例若しくは規則で定める最低基準、指定基準等(以下「基準等」という。)に対する適合状況等について、個別に明らかにし、必要に応じて助言、指導又は是正の措置を講ずることにより、障害福祉サービス事業者等のサービス内容の質の確保及び自立支援給付に係る費用等の支給の適正化を図り、区における障害者(児)福祉の増進に寄与することを目的とする。

(指導の方針)

第3条 指導は、障害福祉サービス事業者等に対し、基準等に定めるサービス内容及び自立支援給付に係る費用等の請求等に関する事項について、周知徹底するとともに改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを主眼として実施する。

(指導形態等)

第4条 指導の形態は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 集団指導

指導の対象となる障害福祉サービス事業者等に対し、必要な指導の内容に応じ、一定の場所に集めて講習等の方法により行う。

(2) 実地指導

指導の対象となる障害福祉サービス事業者等の事業所において実地で行う。

ただし、実地指導を効率的かつ効果的に行うため、必要に応じて一定の場所において個別に指導を行うことができる。

(指導形態の選定基準)

第5条 区長は、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、指導形態に応じて、別表1の選定基準に基づいて対象の選定を行う。

(指導の実施方針)

第6条 区長は、指導を効率的・効果的に実施するため、指導の重点事項、指導目標、指導項目等を掲げる障害福祉サービス事業者等指導実施方針(以下「実施方針」という。)、指導基準等を、別に定めるものとする。

(実施計画)

第7条 区長は、実施方針に基づき、毎年度の当初において、当該年度の実地指導等の実施時期等を定めた実施計画を別に作成するものとする。

(調査書等の提出)

第8条 区長は、必要があると認めるときは、指導の実施に当たっては、障害福祉サービス事業者等から指導に必要となる調査書等書類の提出を求めることができる。

(指導の実施方法等)

第9条 指導の実施方法は、次の各号に掲げるとおりとする。

(1) 集団指導

 指導通知

区長は、指導対象となる障害福祉サービス事業者等を決定したときは、あらかじめ集団指導の実施日時、場所、出席者、指導内容等を、当該障害福祉サービス事業者等に通知する。

 指導方法

集団指導は、自立支援給付に係る費用等の支給関係事務、自立支援給付に係る費用等の請求内容、制度改正内容、過去の指導における指導事例等について、講習等の方式で行う。

(2) 実地指導

 指導通知

区長は、指導対象となる障害福祉サービス事業者等を決定したときは、あらかじめ実地指導の根拠規定、実施日時、場所、指導担当者、出席者、準備すべき書類等を文書により当該障害福祉サービス事業者等に通知する。

ただし、必要と認める場合には、実地指導の開始時に文書を交付することによって行うものとする。

 指導方法

実地指導は、指導基準等に基づき、関係書類等を閲覧し、関係者との面談方式により行う。

 指導結果の通知

区長は、実地指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、障害福祉サービス事業者等に対し、文書により指導内容を通知する。

 改善報告書の提出

区長は、の通知をした障害福祉サービス事業者等に対して、文書により指摘した事項に係る改善報告書の提出を、指導結果通知の発送日から30日以内に求めるものとする。

 指導体制

実地指導は、2名以上の職員により班を編成して実施する。

(実地指導後の措置等)

第10条 区長は、実地指導の結果、指摘した事項について改善が不十分な障害福祉サービス事業者等については、必要に応じて、再度、実地指導等を行う。

2 区長は、実地指導の結果、第13条に定める監査の選定基準に該当すると判断した場合は、速やかに監査を行うことができる。

3 区長は、実地指導の結果、障害福祉サービス事業者等のサービスの内容、自立支援給付に係る費用等の請求等に関し、不当な事実を確認したときは、当該障害福祉サービス事業者等に対し、自立支援給付に係る費用等の自主返還等を行うよう指導する。

4 区長は、実地指導の結果のうち、文書による指摘事項及び改善状況については、原則として区のホームページに掲載し、区民に周知する。

(実地指導の拒否への対応)

第11条 区長は、障害福祉サービス事業者等が、正当な理由がなく実地指導を拒否した場合は、第13条に定めるところにより、監査を行う。

(監査の方針)

第12条 監査は、障害福祉サービス事業者等が、次条に定める監査の選定基準のいずれかに該当するときに、その事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を取ることを主眼として実施する。

(監査の選定基準)

第13条 監査は、障害福祉サービス事業者等が、別表2のいずれかに該当する場合に行う。

(監査実施方法等)

第14条 監査は、次の各号に掲げる方法により行う。

(1) 事前調査

区長は、原則として、監査を実施する前に自立支援給付に係る費用等の請求等による書面調査を行うとともに、必要と認められる場合には、障害福祉サービス事業者等のサービスを受けた障害者(児)、その保護者等に対する聞き取り調査を行う。

(2) 監査の実施

区長は、障害福祉サービス事業者等に対し、監査を実施する旨の文書を交付した上で、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求めて関係者に対して質問し、当該福祉サービス事業所に立ち入り、又はその設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査を行うものとする。

(3) 監査調書の作成

区長は、監査を実施したときは、当該監査に係る調書を作成する。

(4) 監査結果の通知

区長は、監査の結果について、後日、障害福祉サービス事業者等に対し、文書によりその内容を通知する。

(5) 報告書の提出

区長は、前号の通知をした障害福祉サービス事業者等に対して、文書により指摘した事項に係る報告書の提出を、期限を定めて求めるものとする。

(6) 監査体制

 監査の実施に当たっては、原則として、実地指導を行う職員を中心として2名以上の監査班を編成する。

 にかかわらず、監査は、問題の性質等に応じて、必要があると認められる場合には、副参事の職層にあるものを長とした職員3名以上の特別班を編成して実施することができるものとする。

(監査後の措置)

第15条 監査後の措置は、次の各号に掲げるとおり行う。

(1) 通知

区長は、監査の結果、指定障害福祉サービス事業者等(総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者若しくは障害者支援施設等の設置者又は児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者に限る。)が次のいずれかに該当するときは、その旨を東京都に対し、通知するものとする。

 総合支援法第49条第6項、第50条第2項、第51条の28第6項又は第51条の29第3項に規定する場合

 児童福祉法第21条の5の23第5項又は第21条の5の24第2項に規定する場合

(2) 勧告

区長は、監査の結果、指定障害福祉サービス事業者等(総合支援法に基づく指定特定相談支援事業者又は児童福祉法に基づく障害児相談支援事業者に限る。)が次の各号に掲げる場合に該当する場合において必要があると認めるときは、期限を定めて、当該各号に定める措置をとるべきことを勧告するものとする。

 総合支援法第51条の28第2項各号に掲げる場合 同項各号に掲げる措置

 児童福祉法第24条の35第1項各号に掲げる場合 同項各号に掲げる措置

(3) 勧告をした旨の公表

区長は、前号の規定により勧告を行った場合において、指定障害福祉サービス事業者等が正当な理由がなく期限内に措置をとらなかったときは、総合支援法第51条の28第3項又は児童福祉法第24条の35第2項に定める事項を公表するものとする。

(4) 命令

区長は、前号の規定により勧告をした旨の公表を行った場合において、期限を定めて、第2号ア又はに定める措置をとるべきことを命令するものとする。

なお、命令をした場合は、その旨を公示するものとする。

(5) 指定の取消し等

区長は、監査の結果、指定障害福祉サービス事業者等(総合支援法に基づく指定特定相談支援事業者、児童福祉法に基づく指定障害児相談支援事業者又は区へ登録した基準該当障害福祉サービス事業者に限る。)が次の各号のいずれかに該当する場合において必要と認めるときは、当該各号に定める措置をとるものとする。

 総合支援法第51条の29第2項各号に該当する場合 同項の規定による指定の取消し又は指定の効力の全部又は一部の停止

 児童福祉法第24条の36各号に該当する場合 同条の規定による指定の取消し又は指定の効力の全部又は一部の停止

(6) 経済上の措置

 区長は、監査の結果、指定障害福祉サービス事業者等(総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者、指定特定相談支援事業者若しくは障害者支援施設等の設置者又は児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者若しくは指定障害児相談支援事業者に限る。において同じ。)が、偽りその他不正の手段により自立支援給付又は障害児通所給付費を受けた場合において必要と認めるときは、その受けた額の全部又は一部について総合支援法第8条第2項及び児童福祉法第57条の2第2項の規定に基づく不正利得の徴収を行うものとする。

 区長は、により不正利得の徴収を行うときは、その徴収額に加えて、原則として総合支援法第8条第2項及び児童福祉法第57条の2第2項の規定により、指定障害福祉サービス事業者等に対し、当該徴収額に100分の40を乗じて得た額を徴収するものとする。ただし、区長がその必要がないと認めるときは、この限りでない。

 区長は、監査の結果、障害福祉サービス事業者等が、不正の手段又は過誤等により自立支援給付等を受けたとき(及びに掲げる場合を除く。)は、その受けた額について、当該障害福祉サービス事業者等に対して請求するものとする。

(7) 指定の取消し等以外の措置

区長は、監査の結果、前2号に定める場合に該当しないと認める場合において必要と認めるときは、監査の対象となった障害福祉サービス事業者等に対して、実地指導その他適当な方法により、必要な指導又は助言を行うものとする。

(8) 監査結果の公表

区長は、監査の結果、指定障害福祉サービス事業者等に対し、第5号及び第6号に定める措置をとった場合は、原則として区のホームページに事業者の名称、事業所の名称その他必要な事項を掲載し、区民に周知する。

(東京都への報告)

第16条 区長は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項について、東京都に報告するものとする。

(1) 毎年度における実施計画を策定した場合 当該実施計画

(2) 指定障害福祉サービス事業者等(総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者若しくは障害者支援施設等の設置者又は児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者に限る。)に対して実地指導又は監査をしようとする場合 当該実地指導又は監査の通知

(3) 前号に定める実地指導又は監査を行った場合 実地指導又は監査の結果の概要

(その他)

第17条 この要綱に定めるもののほか、指導及び監査に関し必要な事項については、福祉保健部長が別に定める。

この要綱は、平成29年4月1日から適用する。

この要綱は、令和元年11月1日から適用する。

別表1

指導対象の選定基準

指導の形態

選定基準

集団指導

(1)概ね事業開始1年以内にサービスを開始した障害福祉サービス事業者等

(2)その他集団指導を行うことが適当と認められる障害福祉サービス事業者等

実地指導

(1)通報、苦情の申立て、自立支援給付等の請求の状況などにより、その運営の状況を確認する必要があると認められる障害福祉サービス事業者等

(2)過去の実地指導において、指摘事項の改善が図られていない障害福祉サービス事業者等

(3)過去の指摘事項の改善状況の確認が必要な障害福祉サービス事業者等

(4)事業開始後実地指導を実施していない障害福祉サービス事業者等

(5)前年度及び前々年度において、集団指導の対象となった障害福祉サービス事業者等

(6)業務管理体制の整備に関して必要があると認められる障害福祉サービス事業者等

(7)その他実地指導を行うことが適当と認められる障害福祉サービス事業者等

別表2

監査の選定基準

1 サービス内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

2 自立支援給付に係る費用等の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

3 基準等において、重大な違反があると疑うに足りる理由があるとき。

4 度重なる実地指導によってもサービス内容又は自立支援給付に係る費用等の請求に改善がみられないとき。

5 正当な理由がなく、実地指導を拒否したとき。

6 業務管理体制の監査については、指定事業所等の指定取消相当の事案が発覚したとき。

墨田区障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

平成29年2月28日 墨福障第1878号

(令和元年11月1日施行)