○墨田区行事における臨時営業等取扱要綱
令和元年10月23日
31墨福衛生第723号
墨田区行事における臨時営業等取扱要綱(平成15年9月12日15墨福衛生第519号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この要綱は、縁日、祭礼等の行事において、簡易な施設を設けて不特定多数の者を対象に、業として食品を提供する臨時営業及び業に該当しない臨時出店(以下「臨時営業等」という。)について、「食品衛生法施行条例に基づく施設基準のしんしゃくについて」(令和3年3月31日2福保健食第2325号)。以下「都通知」という。)に基づき、施設基準、営業許可等の取扱いを定めるとともに、公衆衛生の確保の観点から必要な事項を定めることにより、臨時営業等における食品衛生を確保することを目的とする。
(臨時営業の対象)
第2条 この要綱において臨時営業の対象となる者は、食品衛生法(昭和22年法律第233号。以下「法」という。)第55条に基づく営業許可を有する者で、都通知に基づき、飲食店営業(臨時)の営業を行うものとする。
2 この要綱において臨時営業の形態は、次に掲げるものとする。
(1) 一時的に催される特定の行事において、簡易な施設で食品提供を行う営業であり、行事の都度、営業場所を移動し、又は反復して営業する形態のもの(以下「移動型臨時営業」という。)
(2) 一時的に催される行事において、簡易な施設で食品提供を行う営業であり、申請した行事の開催期間内に限り申請した営業場所でのみ営業する形態のもの(以下「短期固定型臨時営業」という。)
3 この要綱において臨時営業の対象となる行事は、次のとおりとする。
(1) 移動型臨時営業の対象行事は、一時的に催され、不特定多数の者が自由に参加できる次のようなものとし、専ら物品販売や興行など、営利を目的とする行事を除くものとする。
ア 神社・仏閣の縁日、祭礼
イ 住民祭
ウ 産業祭
エ 花火大会
オ 盆踊り
カ 花見
キ 歩行者天国
ク 彼岸会
(2) 短期固定型臨時営業の対象行事は、前号の行事に加え、次のような、一時的に催され、不特定多数の者が自由に参加できる行事とする。
ア 地域や産業の活性化を目的とした行事
イ 復興支援や慈善活動を目的とした行事
ウ 国際交流を目的とした行事
エ 運動競技を行う行事
オ 音楽、演芸を行う行事
4 この要綱において臨時営業の対象となる営業場所は、前項で規定する行事の開催場所の範囲内とする。
なお、短期固定型臨時営業の営業場所にあっては、併せて次の要件を満たす場所に限るものとする。
(1) 申請した営業場所
(2) 固定店舗としての営業許可を受けられない場所(上下水道等に直結する給排水設備の整備ができない場所)
(3) 短期固定型臨時営業のうち、構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設による営業(以下「短期固定型臨時営業(構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設)」という。)の営業場所にあっては、前2号の要件に加え、原則として、競技場の管理敷地内とする。ただし、営業場所の実情等を踏まえ、保健所長が衛生上支障ないと判断した場合はこの限りでない。
(臨時営業の公衆衛生上必要な措置の基準)
第3条 臨時営業の公衆衛生上必要な措置の基準については、法第51条第2項の規定により、食品衛生法施行規則(昭和23年厚生省令第23号。以下「規則」という。)別表第17及び別表第18の基準に従い、営業者が定めるものとする。ただし、保健所長は臨時営業の特殊性を踏まえ、特に次に掲げる事項に留意するよう指導するものとする。
(1) 施設の補修及び水の補充に努めること。
(2) 食品、器具、容器包装等は、衛生的に取り扱うこと。
(3) 営業場所で使用する食器類は、1回限りの使用とし、食器の洗浄を行う場合は、営業場所以外の場所で衛生的に行うこと。
(4) 客が使用した食器等の処理は、営業者の責任で行うこと。
(5) 営業場所における調理、加工、製造等の行為は、全て施設内で行うこと。
(6) 給水タンクは、定期的に清掃し、清潔に保ち、給水タンクからは、常に飲用に適する水が供給されること。
(7) 排水の処理は、適正に行うこと。
(8) 器具等は、取扱食品等に応じて区分すること。
(9) 取扱品目及び取扱量は、施設の規模等に見合ったものとすること。
(10) 冷凍原材料の解凍は、専用の容器等で衛生的に行うこと。
(11) 営業時間外にあっても、施設を衛生的に保てるよう措置を講ずること。
(臨時営業の施設基準)
第4条 臨時営業の施設基準は、食品衛生法施行条例(平成12年東京都条例第40号。以下「条例」という。)別表第2に定めるとおりとし、飲食店営業の基準を適用するものとする。ただし、臨時営業の特殊性をふまえ、次に掲げる事項については、条例別表第2の規定にかかわらず、当該各号に定めるとおりとする。
(1) 移動型臨時営業の施設基準は、次のとおりとする。
(ア) 施設
屋根、側壁を有し、清掃しやすく、全ての設備を収容することができるものであり、使用しない場合には、衛生的に保管できる構造の施設であること。
(イ) 洗浄設備
器具類の洗浄設備及び手洗い設備を備えること。
ただし、洗浄設備及び手洗い設備は兼ねることも可能とする。
(ウ) 消毒設備
手指を消毒するため、消毒用薬品を入れた容器を備えること。
(エ) 給水設備
蛇口のついた容量18リットル以上のふたの付いた容器を備え、使用する水は、飲用に適する水であること。
(オ) 排水設備
排水容器を備えること。
(2) 短期固定型臨時営業の施設基準は、次のとおりとする。
ア 条例別表第2中第1の3のニにおける床に係る規定並びに第1の3のヲ及びタの規定は、適用しない。
イ 条例別表第2中第1の3ヘ及びリの規定にかかわらず、次のとおりとする。
(ア) 給水設備
施設内には、取扱食品に応じ、40リットル以上又は80リットル以上の飲用に適する水を供給する給水タンクを備えること。手洗い設備と洗浄設備で給水タンクを分けることにより、合計で上記タンク容量を満たすことも可能とする。
(イ) 排水設備
給水タンクと同等の容量の排水タンクを備えること。手洗い設備と洗浄設備で排水タンクを分けることにより、合計で上記タンク容量を満たすことも可能とする。
(3) 短期固定型臨時営業(構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設)の施設基準は、次のとおりとする。
イ 条例別表第2中第1の1の規定並びに第1の3のヘ及びリの規定にかかわらず、次のとおりとする。
(ア) 施設
施設は、屋根、側壁を有し、清掃しやすく、全ての設備を収容することができるものとする。
(イ) 給水設備
施設内には、40リットル以上の飲用に適する水を供給する給水タンクを備えること。手洗い設備と洗浄設備で給水タンクを分けることにより、合計で上記タンク容量を満たすことも可能とする。
(ウ) 排水設備
給水タンクと同等の容量の排水タンクを備えること。手洗い設備と洗浄設備で排水タンクを分けることにより、合計で上記タンク容量を満たすことも可能とする。
(臨時営業の取扱食品)
第5条 この要綱において移動型臨時営業の対象となる取扱食品は、次のとおりとする。
(2) 食品の取扱いに当たっては、次を遵守させること。
ア 生もの(刺身、生卵、生肉等)、生クリームの提供は行わないこと。ただし、これらを原材料として使用し、加熱処理して提供する場合は除く。
イ 原材料の細切等の仕込み行為は営業場所で行わないこと。また、仕込みの必要な原材料を使用する場合は、原則、あらかじめ固定店舗としての法に基づく営業許可を受けた施設等で行い、必要に応じて使用(調理)直前まで十分に冷蔵したものを使用すること。
ウ 営業場所での製造、加工及び調理に当たり、大量の水の使用を必要とする食品は取り扱わないこと。
エ ところてん、かき氷、清涼飲料水及び酒類を除き、客への提供を行う直前に加熱処理を行わないものは取り扱わないこと。
オ かき氷については、飲用氷を使用し、手指やほこり等で汚染されない構造の機械を用いて削氷を行い、衛生的な器具を用いて盛り付けすること。
2 この要綱において短期固定型臨時営業の対象となる取扱食品は、次のとおりとする。
(1) 給排水タンクの容量が80リットル以上の施設にあっては、1施設につき複数品目の取扱いができるものとし、給排水タンクの容量が40リットル以上80リットル未満の施設及び短期固定型臨時営業(構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設)の施設にあっては、1施設につき1品目の取扱いとする。この場合において、1品目とは、調理加工の操作が同一であれば1品目の範囲とみなすものとする。ただし、臨時営業の許可を取得している施設であれば、1施設につき1品目の取扱いとする施設であっても、開缶開栓を行うだけの清涼飲料水及び酒類については、複数品目の取扱いができるものとする。
(2) 食品の取扱いに当たっては、次を遵守させること。
ア 生もの(刺身、生卵、生肉等)、生クリームの提供は行わないこと。ただし、これらを原材料として使用し、加熱処理して提供する場合は除く。
イ 営業場所では、小分け、盛り付け、加熱処理等の簡易な調理加工に限ることとし、原材料の細切等の仕込み行為は営業場所で行わないこと。また、仕込みの必要な原材料を使用する場合は、原則、あらかじめ固定店舗としての法に基づく営業許可を受けた施設等で行い、必要に応じて使用(調理)直前まで十分に冷蔵したものを使用すること。ただし、保健所長が当該仕込場所に営業許可を要さないと認めた場合はこの限りではない。
ウ 営業場所では、製造、加工及び調理に当たり、大量の水の使用を必要とする食品は取り扱わないこと。
(営業許可手続)
第6条 許可の申請を行う者は、主たる営業場所を所管する保健所長に営業許可申請をし、当該保健所長の許可を受けること。ただし、移動型臨時営業の申請を行う者にあっては、やむを得ない場合に限り、申請者の住所地を所管する都内の保健所長に申請を行うことができるものとする。
なお、移動型臨時営業にあっては、都内のいずれかの保健所長の許可を受けたものは、主たる営業場所を所管する保健所長の許可を受けたものとみなすことができるものとする。
2 移動型臨時営業の申請を行う者は、営業許可申請書(食品衛生法施行細則(昭和50年墨田区規則第25号)第3号様式。以下「申請書」という。)に、主たる営業場所を記入すること。
3 短期固定型臨時営業の申請を行う者は、申請書に、営業する行事の名称及び行事開催期間内における営業期間を記入すること。併せて、行事の会場内における営業場所を記載した書類及び必要事項を記入した第1号様式による営業の大要を添付し、必要に応じて、行事の内容が確認できる書類を添付すること。
4 保健所長は、短期固定型臨時営業の申請者に対し、営業の大要の記載内容について十分に確認すること。
また、必要に応じ、行事の主催者や営業場所の管理者による営業場所の使用許可書類及び承諾書を提出させること。
5 保健所長は、許可に当たり営業施設の検査を行うこと。
6 保健所長は、各形態の営業許可に当たって、法第55条第3項に基づき、各営業形態に応じた次の条件を付し、営業許可書に記載すること。
(1) 移動型臨時営業
ア 5年の許可有効期間である旨
イ 移動型臨時営業の営業範囲に限る旨
ウ 行事における臨時営業等の取扱要綱で定めた行事、営業場所及び取扱食品に限る旨
(2) 短期固定型臨時営業
ア 許可有効期間は申請のとおりとする旨
イ 短期固定型臨時営業の営業範囲に限る旨又は短期固定型臨時営業(構造に係る施設基準を一部しんしゃくした施設)の営業範囲に限る旨
ウ 行事における臨時営業等の取扱要綱で定めた行事、営業場所及び取扱食品に限る旨
8 営業許可を受けた者(以下「臨時営業者」という。)は、営業中常に、営業許可書を施設内の見やすい場所に掲示又は携帯すること。
(臨時営業の監視指導)
第7条 保健所長は、食中毒等の事故を未然に防止するため、必要に応じて、臨時営業者に対する一斉検査等を行い、第3条で定めた臨時営業の公衆衛生上必要な措置の基準の履行状況の確認及び取扱食品、従事者の健康状態、食器、器具等の検査を実施するものとする。
2 保健所長は、営業形態の特殊性に鑑み、次に掲げる事項について営業者に指導するものとする。
(1) 近隣に迷惑な行為をしないこと及び客にさせないこと。
(2) 営業場所、時間等について、関係法令に違反しないようにすること。
(臨時出店の対象)
第8条 この要綱において、臨時出店の対象となる者は、住民祭、産業祭等墨田区、東京都、国又は住民団体が関与する等、公共的目的を有する行事に出店し、不特定多数の者に対し、施設を設けて飲食店行為及び食料品販売行為を行う者であって、業に該当しない者をいう。ただし、公共的目的を有する行事の判断については、行事の主催者から公共性の根拠を十分に確認するとともに、行事の目的及び地域の実情を踏まえて保健所長が行うものとする。
(臨時出店の公衆衛生上必要な措置要件)
第9条 臨時出店者が公衆衛生上講ずべき措置は、第3条第1項の規定に準じたものであること。
(臨時出店の施設及び設備の基準)
第10条 臨時出店者が設ける施設は、第4条第1項の規定に準じたものであること。
2 行事主催者から前項に掲げた書類の提出を受けた保健所長は、地域保健法(昭和22年法律第101号)第6条の規定に基づき、行事主催者及び臨時出店者に対し、臨時出店行為に起因する食品衛生上の危害の発生を防止するために必要な啓発及び指導(以下「指導等」という。)を行うとともに、特に次の事項を遵守させること。
(1) 出店期間は、原則として1年に5日以下とし、反復継続して食品を提供する業の取扱いと区別すること。ただし、各行事の目的及び地域の実情等を踏まえ保健所長が業に該当しないと判断した場合はこの限りでない。
(2) 出店に際しては、法第5条から第13条まで、第15条から第18条まで及び第20条並びに食品表示法(平成25年法律第70号)第5条の規定を遵守しなければならないこと。
(3) 保健所長は、前条第1項に掲げる指導等を実施した者に対して、臨時出店届に受領印を押したものの写しを交付し、当該写しを臨時出店施設の見やすいところに掲示又は携帯するよう指導するものとする。
(4) 行事の開催は、主催者の責任で行うものであるため、主催者は、臨時出店者が保健所の指導を遵守しているか、十分確認をすること。
(5) 食中毒等事故の発生時は、保健所の調査に協力するとともに、行事終了後も臨時出店者との連絡体制等を確保すること。
(臨時出店の取扱食品)
第12条 飲食店行為における取扱食品及び食品の取扱いは、原則として第5条第1項の規定に準ずること。ただし、衛生面のほか、行事の目的、地域の実情を踏まえて保健所長が判断できるものとする。この場合において、第5条第1項第2号イの規定中の「原則、あらかじめ固定店舗としての法に基づく営業許可を受けた施設等」は、「清潔な調理・加工施設」と読み替えるものとする。
2 食料品販売行為において取り扱うことができる食品は、原則として以下の条件を全て満たす食品であること。
(1) 法により保存基準が定められていない食品(ただし、加熱用鮮魚介類を除く。)
(2) 容器包装に入れられた食品(ただし、生鮮の野菜・果実は除く。)
(臨時出店の監視指導)
第13条 保健所長は、出店場所における指導等に当たり、第7条の規定に準じて行うものとする。
(手数料)
第14条 営業許可申請に伴う手数料の徴収は、墨田区手数料条例(平成12年墨田区条例第4号)及び墨田区会計事務規則(昭和39年墨田区規則第8号)の定めるところによる。
付則
この要綱は、令和元年10月23日から適用する。
付則
1 この要綱は、令和3年6月1日から適用する。
2 この要綱の適用の際、食品衛生法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令(令和元年政令第123号)附則第2条の規定によりなお従前の例により営業を行うことができることとされた者については、なおこの要綱による改正前の墨田区行事における臨時営業等取扱要綱により営業することができる。
別表 移動型臨時営業の取扱食品
分類 | 食品 |
煮物類 | おでん、煮込み、豚汁、けんちん汁 |
焼物類 | 焼きとり、焼き貝、いか焼き、焼きさつま揚、焼きぎょうざ、焼魚 |
お好み焼類 | たこ焼き、お好み焼、タコス |
茹物・蒸し物類 | じゃがバター、蒸しぎょうざ、蒸ししゅうまい |
めん類 | 焼きそば、即席カップ麺 |
揚物類 | 串かつ、フライドチキン、フライドポテト |
喫茶類 | ところてん、かき氷、清涼飲料水、甘酒、しるこ、コーヒー、紅茶 |
ドッグ類 | ソーセージ類をそのまま又は衣を付けて焼くか油で揚げたもの、ホットドッグ類 |
酒類 | 日本酒、ビール、焼酎等 |
焼菓子類 | 今川焼き、クレープ、ベビーカステラ、五兵衛餅、焼き餅注 |
揚菓子類 | ドーナツ、大学芋 |
団子菓子類 | 草団子、焼き団子 |
まんじゅう類 | 焼きまんじゅう、蒸しまんじゅう |
あめ菓子類 | べっこう飴、果実飴、カルメ焼 |
その他 | 果実チョコ(果実にチョコレートをからめたもの) |
注：餅をつく行為は仕込場所で行い、営業場所で餅をついてはならないこととする。 | |
様式 省略