すみだ区報2018年4月11日号

文化・スポーツ

北斎名品コレクション⑮

(しょ)(こく)(たき)(めぐ)()()()()(おく)()()()()(たき)(大判錦絵)

「諸国瀧廻り」は「冨嶽三十六景」と同じ頃に描かれた8枚(ぞろ)いのシリーズで、各地の滝を題材に、水の流れの変化の面白さを表現しています。

岐阜県郡上市に今も残る、落差60mの雄大な滝・阿弥陀ヶ滝を、北斎は不思議な表現方法で描きました。滝口上流の水の流れは上から流れを見下ろしたように描き、流れ落ちる滝は正面から捉えて描いています。複数の角度から見た北斎の視線が、一枚の傑作を生みだしたと言えるでしょう。また、滝のそばには休憩をしているような人々も描かれていて、張り詰めた緊張感をほぐしてくれるような構成になっています。

この作品は、4月24日から始まる企画展「変幻自在!北斎のウォーターワールド」の前期に出展されます。