すみだ区報2019年11月11日号

特集

ここには輝けるステージがある
すみだの企業で活躍する若者たち

東日本金属株式会社

鋳造から組立まで一貫した製品づくりのほか、プレス、メッキ・旋盤加工など様々なニーズに応える。近年は、若手人材の雇用にも注力している。

大塚智之さん
溶かした金属を型に流し込み、形づくる「鋳造」の技術に魅了され、それまで勤めていた建築業界から転身を果たす。2年目の現在は、鋳物の切断や研磨、製品の出荷・管理を担当。メモを欠かさない真面目な性格で、周りからの信頼も厚い。

仕事の成果がすぐに表れる

鋳造の魅力は、溶かした金属を流し込むことで、どんな形にもできる自由度の高さです。鋳物を造形する際、鋳型に砂を込めるのですが、この「込め」の作業が最終的な品質に関わる重要な過程となります。

今はまだ、この作業を習得中ですが、自分の仕事の成果が一日のうちに表れることがこの仕事の楽しさであり、難しさでもありますね。

でも、年齢の近い先輩が積極的に声を掛けてくれるので、相談もしやすく、安心して仕事に打ち込むことができています。

協力会社との(きずな)

弊社が手掛けている製造工程は、最終完成品からすれば一部分であり、区内や近隣区の会社と協力し合って製品づくりを行っています。

つまり、品質が優れた製品には、強い協力関係で結ばれた多くの会社の技術が結集しているということです。

時折、協力会社の方が来て、弊社が出荷した部品のさらに製造過程を経た物を見せてくれたり、一緒に新年会や旅行をしたりするなど、信頼関係の深さと絆を実感しています。

感謝の心を忘れず、精進

鋳造を手掛ける企業は少なくなってきていますが、鋳物の良さを多くの人に知ってもらい、生活の様々な場面で使ってほしいと思います。

私自身も、まだまだ修行中の身ですので、「込め」の作業のほかにも、自社で行っている全ての作業を早く習得して、どの工程でも役割を果たせるようになりたいと思っています。

そのために、日頃から心掛けているのはメモを取ることと、感謝することです。教えてもらったことを忘れないように、その場でメモを取り、新たな仕事を任された時には、まず「ありがとうございます」と感謝を伝えるようにしています。

日々、色々な仕事に挑戦させてもらえる分、不安もありますが、それも中小企業だからこそ経験できることだと感じています。

私は、これからも感謝の気持ちを忘れず、先代から受け継がれてきた会社の風土や協力会社との信頼関係などを大切にしていきたいと思っています。そして、この会社の中で「いなくてはならない存在」になれるよう頑張っていきます。

常務の小林亮太さんと並ぶ大塚さん。お二人のやりとりからも温かい社風が伝わってきます。