すみだ区報2020年1月11日号

特集

菊がつないだ小布施とすみだ

すみだに咲いた北斎巴錦

北斎がご縁の小布施とすみだ。"小布施が誇る北斎の名を冠した菊、北斎巴錦をすみだでも咲かせたい。"

そこで、北斎巴錦の10株の苗を保存会から分けてもらい、すみだの菊のエキスパート集団「緑と花のサポーター 菊チーム」(以下、菊チーム)の皆さんが大切に育て、令和元年11月2日から緑と花の学習園(文花2-12-17)で開催された菊まつりで披露しました。また、その一部は、すみだ北斎美術館(亀沢2-7-2)にも展示され、区民の方のみならず、国内外の多くの方を楽しませました。

菊チームの皆さん
左から鈴木勝夫さん、浅見正昭さん、小泉 まさみさん、野崎孝久さん、田辺良文さん

緑と花の学習園
10株の苗は、1株で3輪咲きのものと5輪咲きのものに仕立てられました(令和元年11月13日)。

すみだ北斎美術館
こちらで紹介した北斎館所蔵の「菊図」は、1月19日(日)まで、すみだ北斎美術館で開催中の「北斎 視覚のマジック 小布施・北斎館名品展」でご覧になれます(北斎巴錦の実物の展示は終了)。

託された苗、開花へ

菊チームは、保存会の方々のメッセージや資料、そして様々な菊を栽培した経験をもとに北斎巴錦を育てました。

(1)6月6日
苗を受け取るに当たって、保存会の皆さんに向けて動画メッセージを作成。

(2)6月10日
保存会の皆さんが熱心に見ているのは、菊チームの動画メッセージと菊チームがこれまで育てた菊や栽培環境がわかるような画像。「私たちは巴錦の栽培に特化していますが、すみだは、様々な種類の菊を手掛けているんですね!」

菊チームの皆さんに向けて動画メッセージを作成。

(3)6月12日
苗は菊チームのもとへ。早速5号鉢へ苗を植えました。「菊の栽培は、"後で挽回"というのが難しい。毎日よく観察して、その時その時のベストを尽くします。」

(4)8月1日
6月の苗植え直後に強風で鉢が倒れ、茎が折れるアクシデントが。しかしすぐに対応し、無事に成長、7月18日には大鉢へ植え替えました。この日は、茎を麻ひもで支柱に(くく)る誘引作業を実施。

(5)10月16日
2度の台風を万全な対策で乗り越えました。いよいよ菊まつりの準備に入ります。

(6)11月13日
菊まつりでは北斎巴錦に見入る来場者の姿がありました。

小布施町の広報紙9月号と12月号で、菊チームが北斎巴錦を育てる様子を紹介していただきました。

次の秋へつなぐ冬至芽

「ほっとしました。」菊チームの方々から最初に出てきたのは安堵(あんど)の言葉。大切に育てた菊に対する愛情と喜びが感じられました。

「北斎巴錦は、他の品種の菊よりも成長が遅いので心配になりましたが、保存会の皆さんからお聞きしたとおり焦らず育て、無事美しく咲かせることができました。菊まつりの来場者にも楽しんでもらいました。保存会の皆さんにいつかお見せできるよう、咲かせ方のバリエーションを増やしていきたいですね。次は大作りに挑戦します。」

菊の根元からは、早くも次の秋に咲く新たな芽(冬至芽)が顔を出しています。