すみだ区報2021年1月11日号

特集

友好都市との紙面交換企画
やがて来る すみだと小布施の交流を待ち望んで

「風の会」の皆さん

小布施町の農村地域の女性により平成8年に結成。本業である農業を営む傍ら、小布施町の魅力を発信すべく、様々な活動を行う。写真向かって左から牧 けい子さん、小林 つや子さん、内山育子さん、島田千恵さん、寺島康子さん。以上のメンバーに、永井 喜美江さんを合わせた6人で活動中。

小布施にいい風を!

もともと農村婦人学校の仲間で、風の会を結成する以前も農業に関する寸劇を行うなど、ともに活動していた6人。そんな中、「小布施にいい風を吹かせよう!」と内山さんが声を掛け、結成されたのが風の会だと言います。当初、「元気の出ることをしよう。」と、黒豆で納豆を作り販売したり、りんごの花の塩漬けに挑戦したりしましたが、活動が本業の農作業の一番忙しい時期と重なり、なかなか思うように活動できず、5年ほど歯がゆい時期を過ごした、と小林さんが教えてくれました。

カントリーウォークとの出会い

そんなとき、内山さんが、観光地ではなく、生活の息づく田畑や野道を歩き、農村・農業の良さを再発見する〝カントリーウォーク〞の話を聞き、メンバーに提案しました。「これなら私たちにもできるかもって。小布施は観光で有名になったけど、実は農業で成り立っている町。でもそれを知らない方が多いんですよね。それで、〝私たちが畑に行ったときにしか見られない素晴らしい景色を、たくさんの方に見てもらおう!〞ってカントリーウォークに挑戦することを決めたんです。」と小林さんは話します。カントリーウォークだけでなく、自分たちにしかできない体験も加えようと、平成13年に開催した第1回では、栽培した作物を持ち寄り、昼食を振る舞いました。それ以来、毎年春と秋に開催しています。「参加者にはリピーターが多いため、飽きないように常に新しいことに挑戦しています。墨田区の方の中にも、都市農村交流への参加をきっかけに、毎年のように来てくださる方々がいます。カントリーウォークで会うのが恒例になり、何だか親戚のようで、会うのを楽しみにしてるんです。」と語る牧さん。農業体験のほか、りんごの一生を描いた「りんごっ子物語」というオリジナルの紙芝居を作成したり、地域に伝わる民話を紙芝居にして披露したりしています。また、デザインの専門学校とコラボレーションした畑でのファッションショーや、28mにも及ぶ太巻き作りを行ったことも。「小布施は新しいことを始めるのを受け入れてくれる町なんです。」と、島田さんは斬新な試みができる秘訣(ひけつ)を語ります。

「本当なら、オリンピックの年ということで、昨年は〝かぜリンピック〞をしようと思ってたんですよ。畑で高所作業車を使った競技会をやろうって。」と、今年こそはと意気込む皆さん。風の会の新たな挑戦はこれからも続きます。

墨田区と小布施町の友好都市交流事業の一環で、3年前に行われた「都市農村交流」。りんご畑の前で、オリジナルの紙芝居「りんごっ子物語」の読み聞かせを行う。この紙芝居は参加者からのリクエストで作成することになったとか。
風の会では、毎年1人1000本、合計6000本の玉ねぎを植えているそう。「都市農村交流」では、玉ねぎの植え付け体験も。