すみだ区報2021年8月11日号

特集

未来のために私たちができること

あなたの身近にも!区内で広まるSDGs活動

花王株式会社×ライオン株式会社

使ったら、捨てる。このあたりまえを変えたい。

「リサイクリエーション」は、"リサイクル"と"クリエーション"を組み合わせた造語で、循環型社会の実現に向けた新しいシステム・ライフスタイルを提案しています。具体的には、詰め替え用の洗剤やシャンプーなどの使用済フィルム容器のリサイクルを推進しており、令和2年9月からは、花王株式会社(中央区日本橋茅場町1-14-10)とライオン株式会社(本所1-3-7)の2社が協働して展開しています。回収したフィルム容器は、主に「おかえりブロック」へ生まれ変わり、回収した地域で教育・啓発ツールとして地域の方々の暮らしに役立てられています。

両社の拠点がある墨田区では、同年10月から、イトーヨーカドー曳舟店(京島1-2-1)でフィルム容器の店頭回収を行っているほか、回収物を活用した活動の啓発や活用方法について、ゴムやプラスチックの加工を手掛ける区内・近隣の事業者との議論を始めています。

じてんしゃ雑貨店 千輪(ちりん)

自転車を使い捨てる社会から、自転車に愛着を持つ社会にシフトする。

千輪(東向島1-23-13)では、自転車を販売せず、修理と自転車雑貨の販売をしています。環境に優しいと言われる自転車ですが、日本ではまだまだ乗れる自転車を捨て、買い替える人が多い実態があります。かつて自転車メーカーに勤めていた店主の長谷川さんは、この実態を知り、自転車を本当にエコな乗り物にしたいという思いを実現するため開業しました。お店では、自転車に愛着が持てるように修理だけでなくカスタマイズも可能。お気に入りのベルやサドルカバーを取り付けるだけでも、愛着が持てます。

長谷川さんは、過去に大阪府から千葉県まで変速無しのお買い物自転車で走った経験があるそうです。自転車は想像以上に長距離・長期間利用できる乗り物。簡単に買い替えずに、乗り続けることが大切です。

株式会社10YC(テンワイシー)

着る人も、作る人も、豊かに。

株式会社10YC(両国4-8-1)では、着心地や耐久性などの品質に徹底的にこだわり、「10年着続けたいと思える服」を販売しています。もしも服の汚れが目立つようになったり色に飽きたりしても、色の染め替えができる等、長く着続けるためのサービスを用意しています。また、消費者と生産者との間に距離があることをアパレル業界の課題として捉え、実際に生産工場を訪ねて取材した内容を自社のホームぺージで公開し、消費者と生産者の距離を縮める手助けをしています。さらに工程ごとに製造工場や原価を積極的に公開することで、服づくりに携わる人にスポットを当て、生産者の誇りや働きがいを与えています。

「消費者へ高品質の服を届けることはもちろん、生産者に利益を還元し生産工場の人材育成につなげ、製品に関わる全ての人が笑顔になってほしい。」今も変わらない同社の願いです。