すみだ区報2021年8月11日号

特集

未来のために私たちができること

墨田区×区内事業者の取組

株式会社浜野製作所

町工場発のものづくりによる社会課題の解決をめざして

浜野製作所(八広4-39-7)は、ものづくりにより社会課題の解決をめざす人たちを支援することで、持続可能な社会づくりに貢献しています。

同社は、金属加工技術を基盤に、最先端のロボットや装置の設計・開発も幅広く手掛ける町工場です。平成26年からは、新しいものづくりの開発拠点としてオープンした「Garage(ガレージ) Sumida(スミダ)」を中心に、社会課題の解決をめざす起業家や研究機関などの支援に取り組んでいます。例えば、株式会社オリィ研究所の遠隔操作によるコミュニケーションロボット「OriHime(オリヒメ)」は、同社の協力で開発され、人々の暮らしを快適にするため、様々な場所で実験的に使われています。このように、社会をより良くするためのアイディアをかたちにしていくことで、ものづくりに新しい価値を提供し続けています。

今後、区はものづくりの支援実績を持つ同社と共同し、東墨田会館(東墨田2-12-9)に社会課題解決型の製品を開発・製造し、実証実験もできる拠点を整備していきます。

株式会社オリィ研究所代表取締役CEO吉藤 健太朗氏(左)と株式会社浜野製作所代表取締役CEO浜野慶一氏(右)【撮影】香川賢志氏
Garage Sumida【画像提供】株式会社浜野製作所

株式会社アストロスケールホールディングス

持続可能な宇宙開発の実現をめざして

今、世界から注目されている先進企業・株式会社アストロスケールホールディングス(錦糸1-16-4)をご存じですか。

同社は墨田区に本社を置き、スペースデブリ(宇宙ごみ)の除去を含む軌道上サービスを通じて、持続可能な宇宙開発をめざしています。スペースデブリは、使用済みや故障により使用不可になった人工衛星の破片など様々で、1㎜以上のものは1億個以上あるとされています。これらは地球の周りを高速で移動しているため、数㎜程度の微小なものであったとしても人工衛星などに衝突すれば大事故につながるおそれがあります。

同社は、この課題解決に尽力し、今年3月には、スペースデブリ除去技術実証衛星「ELSA-d(エルサディー)」の打ち上げに民間として世界で初めて成功しています。

今後同社は、現在の場所から、錦糸土木事務所跡地(錦糸4-17)に建設する「すみだ・コ・ラボ・ツリー(仮称)」に活動拠点を移す予定です。区も連携を一層強め、同社の高い知名度や強力な誘引力を()かし、錦糸町から世界に向けた発信を推進していきます。

ELSA-dとスペースデブリのイメージ図
【画像提供】いずれも株式会社アストロスケールホールディングス