すみだ区報2021年10月11日号

特集

区報ジュニアレポーター 企画2 チーム下町
人とのつながり 下町ならではの温かみ「銭湯」と「保護犬と触れ合えるカフェ」

こころの距離が近い 温もりカフェ(向島3丁目)

オーナーの鳥海 亜里沙さん
愛犬で温もりカフェ店長のレオンと一緒に。

犬のことを第一に

温もりカフェは、保護された犬たちと触れ合えるカフェです。レスキュー団体が保護した犬の里親を探しながら、カフェを経営しています。

オーナーの鳥海さんは、当時あまり良くない飼育環境にいた柴犬のレオンと出会い、保護犬と接するボランティアを経験したことから、保護犬への興味が高まりました。そして、「犬が好き。犬のことは放っておけない。」という犬への深い愛情から保護犬のためのカフェである「温もりカフェ」をオープンしました。

しかし、犬への愛情がどんなに深くても、カフェの開店場所は、様々な条件や制約の都合で、なかなか見つからず苦労したそうです。そんな中、見つかったのが現在の温もりカフェがある場所です。温もりカフェの略称の「(おん)カフェ」には「温かい」と「恩返し」の意味が込められています。

現在、里親募集中の犬は、3匹います。肝のすわった甘えん坊のチワワ「さく」と人間大好きなチワワ「レナ」。
ほかの犬が少し苦手なチワワ「姫」。

みんなでつくる温もりカフェ

犬の保護カフェの経営と接客、犬の世話までを一人でしているオーナーの鳥海さん。

鳥海さんの墨田区の印象は「あったかい」。実際に、鳥海さんが犬の面倒を見ていてコーヒーフィルターなどを買いに行けなかったときに、お客さんが気を利かせて代わりに買ってきてくれたり、飲み物やお菓子を差し入れてくれたり、保護犬活動のために多額の寄付をしてくれたりなど、人のあたたかさを感じる場面がたくさんあるそうです。

また、お店の中にはお客さんのアイディアで作ったキーホルダーやシールが当たるガチャガチャが置いてあります。たくさんの人に愛されて成り立っている温もりカフェ。このあたたかさは下町の墨田区ならではかもしれません。

店内にあるガチャガチャと、その中身のキーホルダー。ガチャガチャには、犬たちの写真を使った様々なグッズが入っています。グッズも、お店の常連さんと一緒に考えた手作りのものです。

つながりを忘れない

お客さんは近隣の方が多いですが、コロナの影響で、お客さんは少し減ってしまったそうです。しかし、鳥海さんはツイッターやインスタグラム、ユーチュ―ブなどのSNSを通して、遠方のお客さんや卒業した保護犬たちの里親の方々とのつながりを保っています。また、コロナ前は、犬たちの里親の方々との交流が盛んで、お店に来たり、温もりカフェのチャリティー撮影会などのイベントに参加したりしていたそうです。

お店に数えきれないほど来店しているという常連の河野さんに温もりカフェの魅力を聞くと、「保護犬との触れ合いで、癒やしがもらえるのはもちろん、鳥海さんの頑張っている姿を見て元気をもらい、また私も頑張ろうと思える」と、言っていました。

私たちも墨田区の人たちとのつながりを大切にしたいと思いました。

常連客の河野さん