すみだ区報2022年7月1日号

特集

つながる すみだ(びと)

概要

すみだを愛し、すみだで活躍する人をリレー形式で紹介する「つながる すみだ人」。お話を伺った方に次の方を紹介していただき、すみだを愛する人でつないでいきます。第44回は、日本では数少ないグレイシー柔術の流れをくむ「マックス柔術アカデミー&ヨガスタジオ」(緑4-34-1)を運営する増澤〝MAX〞慶介さんです。

増澤〝MAX〞慶介さん(横川在住)

Q. すみだでどのような活動をしていますか?

平成16年から、区内でグレイシー柔術(ブラジリアン柔術)とヨガを教える道場を運営しています。グレイシー柔術は、日本の柔道家がグレイシー一家に教えた柔道が変化したもので、護身術が中心です。昨年11月に行われた「すみだまちゼミ」では、女性が対象の護身術講座を企画しました。てこの原理で、体格や腕力が上回る相手を制するコツを(つか)めたと、参加者からも大変好評でした。

名前の〝MAX〞は、実は愛称なんです。ある映画に憧れ、そのロケ地であるスチュアート・ハイウェイという、オーストラリアを縦断できる速度制限のない道を仲間とバイクで走ったときに、映画の主人公の名にちなみ「〝MAX〞と呼んでくれ」と伝えたのが始まりです。その後、アメリカでは公的な名前として登録し、今でも本名のように使用しています。

Q. 現在の活動を始めたきっかけは何ですか?

アメリカで私が実感した良い経験を人にシェアしたいという(おも)いから、地元で道場を開きました。

大学卒業後、商社の駐在員としてロサンゼルスに赴任した直後、連日の接待や、留学経験で自信をつけた英語が通じなかったことで、大きなストレスを抱えました。その結果、体重は激増し引きこもり気味に。これではいけないと思い荒療治で向かった先が、グレイシー一家が運営するグレイシー柔術の道場でした。30歳から初めて格闘技を習うことに自信がありませんでしたが、稽古は論理的で楽しく、自然に友人が増え、投げ出さず続けられました。その結果、大会で優勝でき、英語力まで自信がつきました。ヨガも同じ時期に、とてもユニークな先生の下で始め、柔軟性や格好良さにとらわれず誰でもできることを学び、どんどんのめりこんでいきました。

柔術とヨガを学んだ経験から、自分の意志で行動すれば自信のない自分が前向きに生きられるように変われることを知り、それを人に伝えたいと思いました。道場以外の場所でもより多くの地元の方に、自分の経験を伝えられる機会が増えたら、すごく(うれ)しいです。

「すみだまちゼミ」開講時の様子。店主が講師となり、受講者にその店ならではの知識を講義します。
写真中央のホイス・グレイシー氏は、世界的に有名な格闘家で、私の師でもあります。現在も定期的に渡米し、直接指導を受け、日本に技術を持ち帰ります。壁掛けの額縁には、グレイシー柔術を築いたエリオ・グレイシー氏の写真が飾られ、道場を見守っています。

Q. 増澤さんは、すみだのどんなところが好きですか?

最近の話で言えば、区が独自のコロナ対策を打ち出したり、新型コロナワクチン接種が他自治体よりも早かったりと、区のコロナ対策には助けられ、誇らしくも感じました。柔術は接近して行う競技なので、ワクチンが早期に接種できたことは、本当にありがたかったですね。

あとは、やっぱり下町の人付き合いですね。近所の仲間には、子どもの話や悩みも気軽に話しています。新たに住み始める方も増えているようですし、大好きなすみだがどんどんにぎやかになっていく様子を見ていると、とてもわくわくします。

次回登場してくださるのは・・・

はんこ屋「慶文堂」で働く傍ら、小学校などで手彫り印章の製作体験等を行い、印章の歴史や漢字の奥深さを伝える増澤 かんなさんです。

問合せ広報広聴担当 TEL:03-5608-6223