○墨田区被災市街地の復興整備に関する条例

平成16年6月30日

条例第20号

(目的)

第1条 この条例は、大規模な地震等により被害を受けた市街地の復興に際し、市街地の計画的な整備を行うための必要な事項を定めることにより、市街地の復興を円滑に推進し、災害に強い活力のある市街地の形成に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例における用語の意義は、建築基準法(昭和25年法律第201号)の例によるほか、次に定めるところによる。

(1) 暮らしの復興 墨田区災害復興基本条例(平成16年墨田区条例第16号)第2条第2号に規定する暮らしの復興をいう。

(2) 復興区民組織 墨田区災害復興基本条例第2条第5号に規定する復興区民組織をいう。

(3) 建築物等 建築物及び建築物以外の工作物で墨田区規則(以下「規則」という。)で定めるものをいう。

(4) 土地区画整理事業 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条第1項に規定する土地区画整理事業をいう。

(5) 市街地再開発事業 都市再開発法(昭和44年法律第38号)第2条第1号に規定する市街地再開発事業をいう。

(6) 災害復興事業 大規模な地震等により被害を受けた市街地の復興を図るために、墨田区都市復興基本計画に基づく、市街地整備の事業をいう。

(7) 建築物等の更新 災害に強いまちづくりを促進するため、耐震性及び耐火性の高い建築物等の新築、改築又は増築を行うことをいう。

(市街地復興の理念)

第3条 区、区民及び事業者は、暮らしの復興を基本としつつ、地域の特性を生かした活力のある災害に強い市街地の形成を目指し、協働して市街地の復興に努めなければならない。

(区長の責務)

第4条 区長は、被災後、速やかに東京都及び関係する地方公共団体と連携を図りつつ、墨田区基本構想、墨田区基本計画及び墨田区都市計画マスタープランに基づき、都市の復興に関する基本的な方針(以下「墨田区都市復興基本方針」という。)を策定しなければならない。

2 区長は、墨田区都市復興基本方針の策定後、速やかに、区民及び事業者に公表するとともに、災害復興事業その他必要な事業を区民、事業者等と協働して推進しなければならない。

(区民、事業者及び復興区民組織の責務)

第5条 区民、事業者及び復興区民組織は、災害に強いまちづくりについて理解を深め、被災後の市街地の復興に努めるとともに、災害復興事業に協力しなければならない。

2 区民、事業者及び復興区民組織は、自立的かつ相互に協力して、自らの生活及び生業の復興に努めつつ、墨田区都市復興基本方針に基づく市街地の復興を図るよう努めなければならない。

(復興対象地区の指定)

第6条 区長は、次の各号に掲げる地区を復興対象地区として指定することができる。

(1) 重点復興地区 災害により、建築物等の集中的倒壊又は面的焼失、都市基盤施設の損壊等の壊滅的な被害を被り、災害復興のための建築物等の更新及び都市基盤施設の整備を一体的かつ重点的に行うことが必要と認める地区

(2) 復興促進地区 災害により、相当数の建築物等が倒壊し、又は焼失し、さらに、当該地区内の一部の地域が、建築物等の集中的倒壊又は面的焼失、都市基盤施設の損壊等甚大な被害を被り、災害復興のための建築物等の更新及び都市基盤施設の整備を一体的に行うことが必要と認める地区

(3) 復興誘導地区 災害により、建築物等の倒壊又は焼失の小規模な被害を被り、当該建築物等の更新を誘導することが必要と認める地区

2 前項の復興対象地区の指定基準は、規則で定める。

3 区長は、第1項の復興対象地区を指定したときは、その旨を告示しなければならない。

(復興対象地区の指定の変更)

第7条 区長は、災害復興事業の進捗状況を考慮して必要があると認めるときは、前条の規定による指定を変更することができる。

2 区長は、前項の規定により指定を変更したときは、その旨を告示しなければならない。

(墨田区都市復興基本計画の策定)

第8条 区長は、東京都都市復興基本計画との整合を図りつつ、墨田区都市復興基本方針に基づき、災害復興事業を推進するための計画(以下「墨田区都市復興基本計画」という。)を策定し、これを区民及び事業者に公表するものとする。

2 区長は、墨田区都市復興基本計画の策定に当たっては、区民、事業者及び復興区民組織の意見を聴くよう努めるとともに、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(被災市街地復興推進地域の指定)

第9条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区内において、土地の形質の変更又は建築物の新築、改築若しくは増築を制限する必要のある地域については、被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)第5条第1項の規定に基づき、都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができる。

(建築行為の届出)

第10条 重点復興地区及び復興促進地区(前条の規定により被災市街地復興推進地域を定めた区域を除く。)並びに復興誘導地区内において、建築物等の建築をしようとする建築主は、規則で定めるところにより、当該建築物等の内容を区長に届け出なければならない。ただし、次の各号に掲げる建築物等については、この限りでない。

(1) 非常災害により必要な応急措置として建築するもの

(2) 国、地方公共団体等が災害復興事業として建築するもの

(3) 都市計画事業の施行として建築するもの及び都市計画に適合して建築するもの

(4) 自己の居住の用に供する住宅又は自己の業務の用に供する建築物(住宅を除く。)で次に掲げる要件に該当するもの

 階数が2以下であり、かつ、地階を有しないものであること。

 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。

 容易に移転し、又は除却することができるものであること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、区長が特に災害復興事業の施行に支障がないと認める建築物等

2 前項の規定による届出の義務は、第6条第1項に規定する復興対象地区の指定の日から起算して2年を経過した日に、その効力を失う。

(情報の提供及び協議)

第11条 区長は、前条第1項の規定による届出があった場合は、当該届出を行った建築主に対し、災害に強いまちづくりを促進するために、必要に応じて、建築物等の耐震性及び耐火性を高めるための情報の提供に努めなければならない。

2 区長は、前条第1項の規定による届出に関して、当該届出を行った建築主と災害に強いまちづくりのための協議を行うことができる。

(災害復興事業の推進)

第12条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区において、墨田区都市復興基本計画に基づき、土地区画整理事業、市街地再開発事業等の面的な整備事業の施行及び道路、公園等の公共の用に供する施設の整備を行うとともに、地区計画等の決定、建築物の不燃化その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 区長は、復興誘導地区において、墨田区都市復興基本計画に基づき、当該地区の市街地特性、居住特性を勘案し、市街地の復興を可能とする事業の誘導、促進に努めるとともに、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

3 区長は、災害復興事業の推進に当たっては、区民、事業者及び復興区民組織の意見を聴くとともに、その意見を尊重し、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

4 区長は、必要に応じ、災害復興事業を行う者に対し、墨田区都市復興基本計画に基づく当該事業の速やかな推進を要請することができる。

(委任)

第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

墨田区被災市街地の復興整備に関する条例

平成16年6月30日 条例第20号

(平成16年6月30日施行)