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【取材記事】「あそび大学」を取材しました!

ページID:979795534

更新日:2023年9月24日

千葉大学墨田サテライトキャンパス内では、墨田区の町工場から出た素材を活用して、こどもたちが”なにをしても なにをしなくてもいい”自由にあそべる場である「あそび大学」が開催されている。
その主催メンバーである(せき)真由美さんに開催の趣旨や今後の方向性について伺った。(2023年3月取材)

娘も息子も、夢中であそんでます

せきさん本人写真
關真由美さん

 
ーーーあそび大学って、どんなところですか?

■關:あそび大学は、墨田区の町工場から提供された素材で、こどもたちがあそべる場です。ルールは、たった一つ、「自分自身やお友達を傷つけない」です。
 

ーーーおもしろい取り組みですね。

■關:実は、イタリアにも、レッジョ・エミリア教育という町工場の廃材でこどもたちがあそぶ教育実践の場があるんです。これをヒントに、ご近所の町工場の方から「工場の廃材なら、墨田区にもいっぱいあるし、まず自宅でやってみたら」とアドバイスをもらったのがきっかけなんです。
 

ーーーお子さんたちの反応は、どうでしたか?

■關:娘も息子も夢中になってあそびました。もともと我が家では、「おもちゃは、いい子にしていたら年に一回サンタさんがプレゼントしてくれるもの」とこどもたちに伝えていましたので、むやみに市販のおもちゃを買い与えることはしていませんでした。絵をかいたり、工作をしたり、公園で走り回ったり、本を読み聞かせたりと自分たちで考えてあそぶことが日常化していました。そこに、いろいろな素材を持ち込んだので、新幹線をつくったり、お姫さまドレスをまとって物語の主人公に成り切ったりと、もう大喜びでした。
 

廃材ではなく、「すみだから」

 
ーーーなぜ、家庭から外に出ていこうと考えたのですか?

■關:我が家では、素材からいろんなおもちゃを自分たちで工作してあそぶのがあたり前になっていました。でも、学童クラブに行くと、外であそぼうにも、夏には毎日のように熱中症アラートが出ていました。また、10月から3月の間は、四時半に夕焼けチャイムが鳴りますので、公園に行ける日はとても少ないんです。だから、学童の中で室内あそびをするしかない。でも、学童の消耗品予算は限られているので、あそぶための材料をいっぱい買ってあげることも難しい。そんな環境の中、こどもたちに「お母さん!学童にも家みたいに、廃材でいっぱいにして!」とねだられてしまいました。

 

ーーーまず、学童クラブに活動を広げたんですね。

■關:こどもたちの通う学童クラブ(CFAKids曳舟校)の先生方に話したところ、みなさんレッジョ・エミリア教育についてもよくご存じで、トントンと話が進んでいきました。先生方と一緒に町工場を訪ねて素材をもらったり、学童施設内に保管場所を確保したりと、こどもたちに自由にあそんでもらえる環境を整えてきました。

 

ーーーさらに、千葉大学構内に広げてきたんですね。

■關:はい。学童クラブでの活動を千葉大学の原寛道先生が目にとめられ、「とてもいい活動だから、地域に広げていきませんか」とアドバイスされて、2021年から千葉大学を拠点として使わせていただいています。今では、千葉大学環境デザイン研究室の学生さんたちがボランティアで運営にあたってくれていますし、研究活動の一環として、素材を整理保管する専用棚や外あそびの遊具、あそび道具など、こどもたちのあそびが生まれる環境やアイテムを提供してくれています。

 

ーーー關さんたちは、廃材と呼ばないんですって?

■關:墨田区には、印刷、紙加工、縫製、革製品、木製品など、さまざまな町工場があります。なので、「墨田だから」こんなにたくさんの、こどもたちにとっての「墨田のたから」が集められるんですね。工場の素材は、こどもたちにとっては、あそびの「宝」だ!!と気がつきました。それで、廃材と呼ぶのではなく「すみだから」と呼ぶことにしています。
 

こどもたちの将来に、妄想が広がります

あそび方を考える
あそび方も考えます

 
ーーーこれまでの主な活動は?

■關:学童クラブ(CFAKids曳舟校)、關家のほか(笑い)、千葉大学でのあそび大学を月に一度開催しています。「すみだから」(素材)を活用して何をつくっても良いですし、つくったもので新たなあそびを創りだしても良いです。もちろん、素材を使わなくてもOKです。お姫さまドレスをつくったり、自作の刀でチャンバラごっこを始めたり、アクセサリーや財布を販売したり、ラケットをつくってオリジナル球技を始めたり、アウトドアエリアの遊具であそんだり、みんながそれぞれに、好きなことをやっているという感じです。この場を通じて、こどもたちが主体的に活動し、それぞれの個性を引き出すことを大切にしています。2021年から都合15回開催しています。毎回100名近い申し込みをいただいており、2022年度までで、延べ約1,800名のこどもたちが参加してくれています。

 

ーーー休み期間は、特別企画もあるようですね。

■關:夏休みを利用した「夏のあそび大学」という一週間の企画も行っています。「こどもたちによる、こどもたちの国」というコンセプトで、国のルールや専用のお金を設定したり、自分たちでつくったおもちゃを売ったり買ったり、販売する店を借りたり、売上から税金を支払ったり・・・と好きなことをするとともに、国を運営する議員、行政担当などもこどもたちで担当します。「本気の大人体験ができる場」になっていると思います。あそび大学で夢中になってあそんでいるこどもたちを見ていると、この子たちは将来、「すみだのものづくりを担ってくれるのでは」、「世界的なファッションデザイナーとして活躍するかもしれない」、「敏腕政治家になるかも」などなど妄想が広がります。
 

ものづくりするこどもたち
いつか、すみだのものづくりを支えて くれるのでは

お姫様ごっこ
世界的なファッションデザイナーが  生まれるかも

会議するこどもたち
熱い議論を重ね、将来の敏腕政治家に

ものづくりのこどもたち
外の遊具でもからだを使ってあそべる

もっと広げていくために、みなさんのサポートを!

ーーー今後の課題はなんでしょうか

■關:今は、月一回のあそび大学と夏休みの特別企画での開催ですが、本来は日常的に展開していきたいですね。さらに、幼稚園・保育園、学童、学校などこどもたちの集う多くの場に、この活動をどんどん広げていきたいです。そのためには、「すみだから」(素材)の量を増やし、バリエーションも充実させていく必要があります。また、運営していくための人や資金も大切です。

 

ーーー今日もたくさんの人たちで運営していますね。

■關:墨田区と足立区でこどもたちの居場所づくりをしている特定非営利活動法人Chance For All、日常とは違うこどもの体験の場づくりをしている一般社団法人SSKと私たちSeki Design Lab.とで「あそび大学実行員会」を組織して運営しています。サポートしてくれる若い人たちは、二つの団体のスタッフと千葉大学原研究室の学生さん方が中心です。

 

ーーー活動を広げていくためには、さらに資金も必要になりますね。

■關:はい。問題意識をもって、取り組み始めています。昨年度から資金集めの一環として、区の主催するふるさと納税型クラウドファンディング(すみだの夢応援助成事業)に採択されました。SNSを中心に情報発信を強化し、活動内容のレポート、こどもたちのはじける笑顔、こどもたちを取り巻く環境データの提供、主催者としての思いなど、いろいろ工夫したコンテンツで発信してみました。その結果、約510万円の目標額に対して、約237万円(46%)の寄付をいただきました。100%には、届かなかったという残念な気持ちと、一方でこんなにもたくさんのみなさんに賛同いただけたことへの感謝の思いを感じています。

 

ーーー賛同者を増やしていくために、「すみだのこどもたちの未来について語ろう」というイベントを開催されたようですね。

■關:区内を中心に、さまざまな分野の方々に参加いただいて、こどもたちの未来について私たちができることは何かを語り合いました。週末にもかかわらず、町工場の方、小学・高校・大学生、NPO・ボランティアメンバー、大学関係者、メディア、行政職員など約70名もの方々が、熱く語り合う場となりました。併せて、私たちの活動や課題も知っていただき、率直にみなさんからのサポートをお願いしました。

 

 大きな夢を実現していくためには、素材・人・資金という資源をしっかりと確保できるよう主催者としてもさらに努力を続けていきたいと考えています。その一環として、現在300名弱のフェイスブック、約100名のツイッターのフォロワー数1,000名を目指します。この活動を「いいな、おもしろいな」と思っていただけるみんさんからのサポートとフォローを、ぜひお願いします!
 

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