墨田区と小布施町が平成8年5月に友好協力協定を締結してから、今年で30年。区と深いつながりを持つ小布施町の大宮町長と農業団体「おぶせファーマーズ」の島田さんに、これまでの印象深い交流や、これからの交流について伺いました。
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小布施町
大宮 透町長

実は、私は大学院生の頃、1年ほど墨田区の京島に住んでいました。ボランティアスタッフとして食育のイベントを手伝ったり、「すみだ青空市ヤッチャバ」の運営に携わったりして、短くも濃い時間を過ごしました。墨田区は都会でありながら、昔ながらのコミュニティーが残る一面もあります。現在町長として区と関わる中でも皆さんの人情を感じますし、小布施町で開催しているテニス大会に毎年参加してくださる方もいて、人と人とのつながりを実感できるのがうれしいですね。「人が最大の資源」というところが、小布施町と墨田区は似ていると思います。
これまで墨田区とは、交流展・伝統工芸「技人展」の開催や都市農村交流事業の実施、修学旅行で伝統工芸の体験学習を行うなど、積極的に交流してきました。葛飾北斎の縁から始まったこの交流を30年も続けられたのは、町や区の皆さん、関係者の方々のご理解とご協力のおかげです。私自身が住人としてお世話になった墨田区と、今でもこうして関係が続いていることを、ありがたく思っています。

令和6年度都市農村交流事業の様子
墨田区とは、これからも更に連携を深め、様々な取組を進めていきたいです。まずは町民と区民がお互いを知り、心の距離がもっと縮まるといいですね。交流の「型」はある程度できていますが、これからは、交流機会が少ない方にも、友好都市として関わることの面白さや価値を感じてもらえるような、新しい交流ができたらと考えています。特に、町と区の共通項である北斎を軸にした取組を広げていきたいです。北斎館とすみだ北斎美術館だけでなく、そこに町と区も加わりながら、「北斎の町」や「アートの町」として一緒に活動することが増えていくといいですね。これだけ多角的な交流を続けている自治体はあまりないと思うので、これからも身近な存在として歩んでいきたいです。
墨田区の皆さんにも、小布施町を少しでも身近な場所として感じていただけたらうれしいです。ぜひ、小布施町にお越しください!
おぶせファーマーズ
島田 智仁代表

令和元年に、町と共同で20人程度で立ち上げた「おぶせファーマーズ」は、新規就農者や若手の参加も増え、今では約70人で活動しています。ぶどうやりんごなどの果物だけではなく、野菜農家も参加しています。みんなで小布施町の農作物を全国に広めて、町を盛り上げていきたいですね。そのために、県外の様々な直売所で新たに出店したり、集荷や発送を事業者と連携して行ったりして、扱う物量や販売先を増やしています。10月24日(土曜日)に六本木で行われるイベントにも、今育てている農作物を持って行くので、ぜひ遊びに来てください!

取材日(6月)時点のぶどう
墨田区との主な交流は、毎年出店している10月の「すみだまつり・こどもまつり」や、都市農村交流事業で小布施町を訪れた墨田区民の皆さんが参加してくれている農作物の収穫体験です。私個人で墨田区を訪れることも多いのですが、下町らしい町工場が立ち並ぶ風景もあれば、都会のにぎわいもあり、場所によって雰囲気が違うところが面白いですね。
これまでの交流で印象に残っているのは、小布施町の農作物を墨田中学校の給食に提供したことです。縁があってお会いしたPTAの方と話す中で生まれたアイデアでした。協力してくれた皆さんの前向きな姿勢が印象的で、とても感謝しています。小布施町の農産物を知ってもらえるきっかけになったことが、うれしかったです。
墨田区とは、今後もいろいろなことに取り組みたいと思っています。「すみだまつり・こどもまつり」で小布施町の農作物を多くの方に喜んでもらえているので、大きなイベントだけでなく、規模の小さなイベントにも出店し、区民の皆さんに届ける機会を増やしていきたいと思っています。農作物やオンライン販売等の詳細は、提携するAgriUnion 合同会社HPをご覧ください。
*詳細は決定次第、墨田区のお知らせ「すみだ」や区HP、小布施町HP等でお知らせします。
9月26日(土曜日)・27日(日曜日)に墨田区民が小布施町を(今年度の受け付けは終了)、11月28日(土曜日)・29日(日曜日)に小布施町民が墨田区を訪れ、互いの歴史や文化に触れます。
10月3日(土曜日)にすみだ産業会館(江東橋三丁目9番10号)で、大宮町長が30年の振り返りや今後の交流等について講演します。詳細は本紙9月11日号に掲載予定です。
小布施町の少年野球チームが11月28日(土曜日)・29日(日曜日)に墨田区を訪れ、交流試合を行います。また、9年2月21日(日曜日)にひがしんアリーナ(区総合体育館)(錦糸四丁目15番1号)で開催されるボッチャ大会に、小布施町のチームがゲストで参加します。
小布施町が、北斎を文化観光の核として位置付けたまちづくりを始めてから、今年で50年を迎えました。「北斎の町」の根幹でもあり、同じく開館50周年を迎えた北斎館の皆さんに、北斎と小布施町のつながりや、北斎館の展示の見所について伺いました。
一般財団法人北斎館 学芸員
ウェイ 笑さん

葛飾 北斎といえば江戸のイメージが強いですが、晩年には小布施町に滞在していました。諸説ありますが、最大4回訪れたとされ、最初に町を訪れたのは83歳の頃でした。当時、天保の改革による出版規制で江戸では創作活動がしづらくなっており、自由に制作できる場所を求めて小布施町を訪れたという説が有力です。
小布施町との縁をつないだのは、小布施の豪農商・文化人である髙井 鴻山という人物です。鴻山自身も絵を描いており、その師が北斎の絵を高く評価していたことから、北斎に興味を持ったといわれています。その後、北斎が江戸で画材を購入していた店の、小布施町出身の主人が2人を引き合わせたことで、交流が始まりました。鴻山は北斎の弟子である一方で、後援者として生活や制作を支えており、その
小布施町には7基の祭屋台が現存し、北斎館は、そのうち最も長い歴史を持つ「東町祭屋台」と、鴻山が私財を投じて造った「上町祭屋台」の2基を収蔵・展示しています。どちらも北斎が天井絵を手掛けた長野県宝です。なお、残りの5基はおぶせミュージアム・中島千波館(小布施町小布施595)で収蔵・展示しています。
祭屋台と北斎が描いた天井絵の迫力を、ぜひ体感してください。

上町祭屋台と天井絵「怒濤図」男浪(下部左)・女浪(下部右)

東町祭屋台と天井絵「龍」(下部左)、「鳳凰」(下部右)
一般財団法人北斎館 副館長
塩澤 耕平さん

最近は、小布施町と墨田区の距離が近くなり、お互いの顔が見える関係になっていると感じています。今年開館10周年を迎えたすみだ北斎美術館とは、企画展での連携やコンテンツの交換を行っています。昨年は、すみだ北斎美術館で実施している「北斎講談」を小布施町でも開催しました。今後は更に連携を深め、取組を相互に紹介できたら面白いですね。北斎でつながった自治体同士で、食や文化、街並みなど、それぞれの魅力を生かしながら、これからも様々な取組を一緒に進めていきたいです。
北斎館の周辺にはカフェや栗菓子屋もたくさんあるので、小布施町の魅力を感じてもらえると思います。墨田区民の皆さん、ぜひ北斎館にお越しください!北斎館開館50周年記念事業の詳細は、北斎館HPをご覧ください。
アメリカのロードアイランド・スクール・オブ・デザイン美術館(RISD美術館)には、浮世絵を含む数多くの日本美術作品が収蔵されています。その中でも、アビー・A・ロックフェラーから寄贈された花鳥版画群は、質と量ともに優れた貴重なコレクションです。国内巡回の最後の会場となる北斎館。本展では、コレクションから厳選した、全163点の葛飾北斎や歌川広重の花鳥画の名品をご紹介します。
[とき]10月12日(祝日)までの午前9時から午後5時まで
*入館は午後4時半まで
[ところ]北斎館(小布施町小布施485)
[入館料]
- 一般=1,800円
- 高校生・大学生=800円
- 小学生・中学生=500円
- 未就学児=無料
*障害者手帳をお持ちの方とその介助者(1人)は半額
[問合せ]北斎館 電話:026-247-5206
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