すみだ区報（墨田区のお知らせ「すみだ」）　2018年12月11日号

　区では、区の予算と収入・支出の状況を年2回公表しています。今号では平成29年度の各会計決算と30年度上半期の財政状況をお知らせします。
　なお、詳細は区ホームページでもご覧になれます。
［問合せ］財政担当　電話：03-5608-6232
＊端数処理により数値の合計が合わない場合があります。

　29年度一般会計の歳入面では、特別区税や国・都支出金等が増加したものの、特別区交付金が減少したため、全体として前年度決算額を下回りました。
　このような動向を踏まえ、歳出面では行財政改革や効率的な予算執行に努めながら、基本計画に掲げた「“夢”実現プロジェクト」を中心に重点施策を着実に推進しました。
　この結果、29年度の一般会計歳入歳出決算は、48億6,469万円の黒字決算でした（図1）。
　また、3つの特別会計も、黒字決算でした（表1）。
　この決算を、自治体の財政状況を判断する指標でみると、財政の弾力性を示す経常収支比率は、85.0パーセント（前年度83.7パーセント）でした。また、公債費に充当した一般財源の割合を示す公債費負担比率は、3.5パーセント（前年度4.7パーセント）でした（図2）。

　29年度一般会計歳出決算額を人口26万9,815人（30年4月1日現在、外国人を含む）で割った、区民1人あたりの金額40万8,625円の使い道は下表のとおりです。

国民健康保険特別会計

歳入	国民健康保険料	65億5,144万円	20.2パーセント
歳入	国・都支出金	77億9,135万円	24.0パーセント
歳入	療養給付費等交付金	3億1,141万円	1.0パーセント
歳入	前期高齢者交付金	53億2,126万円	16.4パーセント
歳入	繰入金・その他	124億5,934万円	38.4パーセント
歳入	歳入合計	324億3,480万円	100.0パーセント
歳出	保険給付費	170億5,888万円	54.2パーセント
歳出	後期高齢者支援金等	35億1,399万円	11.2パーセント
歳出	介護納付金	15億194万円	4.8パーセント
歳出	総務費・その他	93億8,890万円	29.8パーセント
歳出	歳出合計	314億6,371万円	100.0パーセント

介護保険特別会計

歳入	介護保険料	39億3,967万円	19.0パーセント
歳入	国・都支出金	76億6,549万円	36.9パーセント
歳入	支払基金交付金	51億8,387万円	24.9パーセント
歳入	繰入金・その他	39億9,969万円	19.2パーセント
歳入	歳入合計	207億8,872万円	100.0パーセント
歳出	保険給付費	176億8,973万円	89.0パーセント
歳出	総務費・その他	21億9,539万円	11.0パーセント
歳出	歳出合計	198億8,512万円	100.0パーセント

後期高齢者医療特別会計

歳入	後期高齢者医療保険料	22億9,245万円	40.5パーセント
歳入	繰入金・その他	33億6,186万円	59.5パーセント
歳入	歳入合計	56億5,431万円	100.0パーセント
歳出	広域連合納付金	49億5,679万円	91.3パーセント
歳出	総務費・その他	4億7,263万円	8.7パーセント
歳出	歳出合計	54億2,942万円	100.0パーセント

　

備考1：30年度の額は9月30日現在の数字です。

　景気が緩やかに回復する中、今年度の区政運営においては、基本計画に掲げた各施策を着実に推進するとともに、行財政改革による一層の財政健全化を進め、強固な財政基盤の構築に努めています。
　30年度上半期の収支状況は下表のとおりです（表2）。

会計区分	予算現額	収入額	支出額
一般会計	1,200億2,314万円	488億5,048万円（40.7パーセント）	446億2,788万円（37.2パーセント）
国民健康保険特別会計	280億6,700万円	119億4,953万円（42.6パーセント）	97億1,117万円（34.6パーセント）
介護保険特別会計	212億6,700万円	103億3,287万円（48.6パーセント）	84億3,397万円（39.7パーセント）
後期高齢者医療特別会計	55億2,700万円	27億1,741万円（49.2パーセント）	18億2,127万円（33.0パーセント）

備考1：収入額・支出額欄の（　）内の数字は、それぞれ予算現額に対する割合です。

＊国が定めた「統一的な基準」による財務書類（表3から表6）を公開します。

　会計年度末(基準日)時点で、区がどのような資産を保有し、その資産がどのような財源で賄われているのか、将来支払わなければならない負債がどのくらいあるかを示した表です。29年度は、資産合計が約3,737億円、負債が約549億円、差し引きで純資産は約3,187億円となりました。

【資産の部】

借方	29年度末
固定資産	3,517億7,903万円
・有形固定資産（土地、建物等）	3,331億9,711万円
・無形固定資産（ソフトウェア等）	4億7,536万円
・投資その他資産（出資金等）	181億656万円
流動資産	218億7,405万円
・現金預金	98億1,573万円
・未収金	28億4,124万円
・短期貸付金	1,877万円
・基金	95億6,879万円
・徴収不能引当金	△3億7,048万円
資産合計	3,736億5,308万円

　

【負債・純資産の部】

貸方	29年度末
固定負債	474億8,410万円
・地方債	255億6,920万円
・長期未払金	50億6,694万円
・退職手当引当金	156億1,522万円
・その他	12億3,274万円
流動負債	74億2,009万円
・1年内償還予定地方債	26億179万円
・未払金	5億5,243万円
・賞与等引当金	12億4,826万円
・預り金	27億7,338万円
・その他	2億4,423万円
負債合計	549億419万円
純資産合計	3,187億4,889万円
負債・純資産合計	3,736億5,308万円

　

　行政サービスに要したコスト（費用）と、受益者負担等の収益を示した表です。29年度は、純経常行政コストが約1,452億円に対し、臨時損失が約5億円でした。その結果、純行政コストは約1,458億円となりました。このコストは区民の皆さんの税金や国および都からの支出金などで賄われています。

区分		総額
経常費用 業務費用	人件費（職員給与費、退職手当引当金繰入額等）	188億5,312万円
経常費用 業務費用	物件費等（物件費、減価償却費等）	307億6,607万円
経常費用 業務費用	その他の業務費用（徴収不能引当金繰入額等）	10億8,981万円
経常費用 移転費用	補助金等	625億7,633万円
経常費用 移転費用	社会保障給付	354億4,382万円
経常費用 移転費用	その他	8億4,777万円
経常費用	計（A）	1,495億7,693万円
経常収益	使用料及び手数料	21億9,110万円
経常収益	その他	21億4,665万円
経常収益	計（B）	43億3,775万円
純経常行政コスト	（C）＝（A）－（B）	1,452億3,918万円
臨時損失	資産除売却損	5億2,272万円
臨時損失	その他	36万円
臨時損失	計（D）	5億2,308万円
臨時利益	資産売却益	237万円
臨時利益	計（E）	237万円
純行政コスト	（C）＋（D）－（E）	1,457億5,989万円
区民1人あたりの行政サービスに要したコスト		約54万円

備考1：行政コストには、公共施設の整備などの資産形成につながる支出は含まれません。

　貸借対照表(表3)の「純資産合計」に計上されている数値の1年間の変動を示した表です。28年度末の純資産残高が約3,167億円に対し、29年度末の純資産残高は約3,187億円と、1年間で約20億円増加しました。

区分	金額
前年度末純資産残高（A）	3,166億7,572万円
純行政コスト	△1,457億5,989万円
財源	1,496億8,152万円
財源 税収等	1,037億9,506万円
財源 国県等補助金	458億8,646万円
資産評価差額	167万円
無償所管換等	△18億5,013万円
本年度純資産変動額（B）	20億7,316万円
本年度末純資産残高（A）＋（B）	3,187億4,889万円

　

　一会計年度において、資金がどのように調達・活用されたかを、3つの区分に分けて示した表です。業務活動収支で、29年度は約75億円の余剰が生じました（A）。これが、道路・学校等の公共資産整備や、基金の積立・地方債の償還などの投資・財務活動の財源となっています。29年度の資金は約23億円（D）の増加となり、歳計外現金は約6,300万円の増額（H）となったことから、年度末現金預金残高は、約98億円（J）となっています。

区分	金額
業務活動収支 業務支出（人件費、物件費、補助金、社会保障給付等）	1,448億1,836万円
業務活動収支 業務収入（税収、補助金、使用料及び手数料等）	1,522億7,209万円
業務活動収支 臨時支出（災害復旧事業費等）	0万円
業務活動収支 臨時収入	0万円
業務活動収支 計（業務活動収支）（A）	74億5,373万円
投資活動収支 投資活動支出（公共施設等整備費、基金積立金等）	76億1,320万円
投資活動収支 投資活動収入（資金売却、基金取崩等）	43億6,731万円
投資活動収支 計（投資活動収支）（B）	△32億4,589万円
財務活動収支 財務活動支出（地方債償還）	33億6,656万円
財務活動収支 財務活動収入（地方債発行）	14億1,480万円
財務活動収支 計（財務活動収支）（C）	△19億5,176万円
本年度資金収支額（D）＝（A）＋（B）＋（C）	22億5,608万円
前年度末資金残高（E）	47億819万円
本年度末資金残高（F）＝（D）＋（E）	69億6,427万円
前年度末歳計外現金残高（G）	27億8,815万円
本年度歳計外現金増減額（H）	6,332万円
本年度末歳計外現金残高（I）＝（G）＋（H）	28億5,147万円
本年度末現金預金残高（J）＝（F）＋（I）	98億1,573万円

　主要な公共施設における施設全体のコスト（人にかかるコスト、管理運営にかかるコストなど）の状況を明らかにし、区民1人当たりの税金充当額など単位別のコストを示した表です。これらのコストをもとに、より効率的・効果的な施設の管理運営に努めていきます。

施設名称	すみだ女性センター	社会福祉会館	みどりコミュニティセンター	本所地域プラザ	八広地域プラザ	すみだ生涯学習センター本館	すみだトリフォニーホール	すみだ北斎美術館	スポーツプラザ梅若	墨田区総合体育館
施設全体のコスト	8,829万円	1億1,322万円	9,077万円	7,674万円	1億2,408万円	3億7,272万円	8億5,059万円	2億3,695万円	4,907万円	4億2,861万円
区民1人あたりの税金充当額	311円	416円	341円	288円	466円	1,315円	3,083円	767円	167円	1,609円

　

施設名称	すみだスポーツ健康センター	すみだ産業会館	いきいきプラザ	横川橋保育園	あおやぎ保育園	文花児童館	押上駅前自転車駐車場	錦糸町駅北口地下自転車駐車場	錦糸町駅南口地下自転車駐車場	すみだ郷土文化資料館
施設全体のコスト	1億5,035万円	7,018万円	8,165万円	2億6,674万円	3億496万円	6,436万円	1億256万円	1億2,557万円	4,827万円	9,385万円
区民1人あたりの税金充当額	536円	125円	190円	887円	1,015円	242円	149円	176円	92円	349円

備考1：広く区民に利用されている公共施設のうち、原則として受益者負担のある施設や利用者が相当数ある施設から、20施設を選定して作成しました。
備考2：各施設の行政コストなど詳細については、区ホームページをご参照ください。
備考3：区民1人あたりの税金充当額は、平成29年4月1日現在の人口1人あたりで、施設全体のコストから収入を差し引いた金額を算出したものです。

　財政状況を早期に把握し破綻を防ぐため、下表の4区分による健全化判断比率を算出しています。29年度決算では、4区分すべてが国の定める早期健全化基準を下回り、区の財政が健全であることを示しています。

区分	墨田区	早期健全化基準（参考）
実質赤字比率	－	11.25パーセント
連結実質赤字比率	－	16.25パーセント
実質公債費比率	△0.7パーセント	25.0パーセント
将来負担比率	－	350.0パーセント

備考1：29年度決算では、すべての会計で黒字となったため、実質赤字比率・連結実質赤字比率は算出されませんでした。また、将来負担比率は、充当可能財源が将来負担額を上回ったため、算出されませんでした。