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すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2023年8月11日号

 鹿沼秋まつりの中心となるのは、「鹿沼今宮神社祭の屋台行事」。市内中心部の34か町が今宮神社の氏子で、そのうちの27か町が屋台を保有し、祭りでは屋台がまちを行き交います。
 34の氏子町は「上組」「下組」「田町下組」「田町上組」の4つの組に分かれ、輪番で「当番組」と、当番組の中で運営を取り仕切る「当番町(一番町)」を務めます。今年は当番組が「下組」で、一番町は「蓬莱町」です。
 こだわりと思い入れのある各町の屋台と、祭りに深く関わる方々から伺った祭りの見どころをご紹介します。
[問合せ]広報広聴担当 電話:03-5608-6223

鹿沼秋まつりのホームページはこちらから

【1日目】屋台が1台ずつ今宮神社の境内に入りお囃子(はやし)を奉納する「繰り込み」と、夕方になり神社から出ていく「繰り出し」。祭りの伝統作法が見られる。

【2日目】彫刻屋台が市内を巡る「(そろ)()き」。

【両日】交差点などに集まった複数の屋台が同時にお囃子を披露して競演する「ぶっつけ」。1日目は夜に、2日目は昼と夜に開催する(1面の写真は夜のぶっつけの様子)。

【2日目】祭りの最後には花火が上がる。

 鹿沼の屋台の特徴の1つは、全面が豪華で緻密な彫刻で飾られていることです。大きさは幅が約3メートル、奥行き・高さがそれぞれ約3.6メートルで、内部には囃子(はやし)(かた)が演奏する部屋があります。屋台の半数は200年以上前の江戸期に造られ、修復しながら大切に受け継がれています。中には日光東照宮 五重塔を手掛けた彫り師による彫刻が施された屋台もあります。

久保町の屋台を3D画像



彫工 黒崎 孝雄さん

 私は彫工として約40年、屋台に取り付ける新しい彫刻を手掛けたり、昔の彫刻を修復したりしています。道具のノミは300本以上あり、大きさや形状に合わせて使い分けます。祭りでは、屋台を街なかで()き回しますので、そのときに前後左右でどう見えるかを考えながら彫っています。また、表側は見栄えを重視して部分的に繊細な彫り方を取り入れますが、裏側は強度を持たせる彫り方をします。
 秋まつりの屋台の半数は江戸期に造られていますが、同じ江戸期でも、(ぜい)(たく)を禁止された時代には白木造りの屋台が造られたので、鮮やかに彩色された屋台ばかりではありません。時代背景による違いを見られるのは面白いと思います。
 彫刻のデザインは各町で同じものはなく、例えば同じ龍でも町ごとに構図が異なります。また、その町ならではのものが取り入れられることもあります。例えば、私が携わった上野町の屋台上部には、運送業が盛んで荷馬車が往来していた土地柄にちなみ、(ひづめ)の付いた「龍馬(りゅうま)」を取り入れています。そのほかにも町ごとに様々な動物や植物、霊獣などの彫刻が飾り付けられていますので、ぜひ、各町自慢の屋台をご覧ください。

 1つの木から立体的に彫り出していく。奥行きが30センチメートル以上になる彫刻も。

 屋台上部に取り付ける彫刻は、人が下から見上げたときに一番見栄えがするように彫られている。

上組

久保町

銀座二丁目

天神町

上材木町

戸張町

泉町

御成橋町

下組

仲町

麻苧町

石橋町

下材木町

寺町

蓬莱町

鳥居跡町

田町下組

中田町

下田町

下横町

銀座一丁目

末広町

東末広町

田町上組

上田町

文化橋町

朝日町

府中町

府所町

府所本町

上野町

 祭りでは、屋台の内部に囃子方が入り演奏します。ぶっつけとは、屋台を向かい合わせに近づけて行う、お囃子の競演です。徐々にお囃子の音量を上げ、屋台を接近させていきます。屋台の屋根には、声を上げて場を盛り上げる若衆も。威勢よく自分たちのお囃子をぶつけ合う姿が、祭りの熱気を一気に高めます。

日之出囃子保存会 会長 金子 明弘さん(左)
日之出囃子保存会 副会長 津久井 義久さん(右)

 私たちは今年一番町である蓬莱町の囃子方を務めます。一番町は祭りの最初に行う繰り込みで、一番最初に今宮神社の鳥居をくぐります。そのとき静かだった境内に私たちのお囃子が響きますから、気が引き締まりますね。
 囃子方は5人で、楽器は(しの)(ぶえ)(すり)(がね)、締太鼓2台、長胴を使います。5つの曲で構成される五段囃子に加え、「キントウシ」と「打付」の2曲を演奏しますが、町によって囃子方の流派が異なるので、演奏の速さやリズムなども少しずつ異なります。
 「ぶっつけ」では、そんな各町のお囃子を同時に演奏します。屋台同士が接近する場面では、小さい鐘から大きい鐘に替えるなど、より一層大きな音で主張し、それぞれ自分たちの屋台を盛り上げます。
 私たちの会には約50人が所属し、後進の育成にも力を入れています。秋まつりでは、若手も活躍しますので、ぜひ、見に来てください。

 ユネスコ無形文化遺産に登録されたのが平成28年(2016年)ですが、それ以降、文部科学省文化庁と連携しながら、さらに力を入れて取り組んでいます。以前は、当番組の屋台を中心としたお祭りでしたが、現在は、原則として27か町全ての屋台が毎年参加しています。ですから、非常に見応えのある祭りになっています。
 「ぶっつけ」は、各町の伝統と誇りのまさにぶつけ合いですが、特に優劣を決めるものではなく相手をたたえるものです。お囃子が最高潮に達した後、皆で「パンパンパン」と3回の手打ちを3本で締めます。この手打ちを「鹿沼締め」といい、その場にいる方は、一体感で感動すると思います。
 今年は5年ぶりの開催で、全町気合いが入っています。ぜひ、皆さんもお越しください!

蓬莱町 祭典委員長 文挾 寛さん

 現在、独立行政法人水資源機構のダムが南摩川に建設されています。ダムは観光スポットとしても注目されていますが、完成前の建設中の様子を展望広場から見学できます。また、国土交通省と上記法人が全国で展開している「ダムカード」を配布しています(配布条件あり)。
 現在のところ、関東ではほかにダム建設が予定されていないため、この機会に、見学してみませんか。

ダムやダムカードの詳細は思川開発建設所のホームページを参照

南摩ダム工事中の様子(現在は、大型重機による作業が見られる)
*団体の見学会の申込みは思川開発建設所のホームページを参照

ダムカード

 建設中のダムの近くには、温泉やキャンプ場、()()店等の複合施設が6年春に開業する予定です。

詳細は鹿沼市のホームページを参照

キャンプ場(イメージ図)
*運営は、アウトドアメーカーの株式会社 スノーピーク

このページは広報広聴担当が担当しています。