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企画展

ページID:110930585

更新日:2016年12月2日

平成25年度は、以下の企画展を開催しました。

企画展「花火-技術書と浮世絵」

展示概要

 江戸時代から、両国橋周辺を中心に隅田川は花火の名所として全国に知られていました。当時の様子を伝える資料として、これまで主に浮世絵があげられてきましたが、当館では平成10年の開館以来、技術書の収集も行ってきました。花火の技術は秘伝として師弟関係での継承を原則とし門外不出でしたが、19世紀には書籍としても出版されるほど、その技術は広がりを見せていたようです。
 花火の技術は、江戸時代初期の葭(よし)などの極細い筒から火花が噴射するタイプから、竹筒から小さな玉が噴出する玉火(たまび)の段階を経て、18世紀後半には木筒を用いる打ち上げ花火が誕生するに至ります。玉火と打ち上げ花火には、大きな技術段階の差が見られますので、打ち上げ花火には武士である鉄炮担当の相図(あいず)の技術が大きな役割を果たしたと考えられます。
 本展示では、最古の技術書とみられる『孝坂流花火秘伝書』、打ち上げ花火の技術を伝えている技術書で最も古い『野寺流火術口伝書』、体系だった技術書としては他に類を見ない『在心流火術』などを中心とした技術書と、浮世絵をあわせて展示し、江戸時代から明治時代にかけての花火の歴史に迫りました。

開催期間

平成25年7月13日(土曜日)から8月11日(日曜日)まで

企画展「関東大震災90周年-墨田区域の被害・救護・慰霊-」

展示概要

 平成25年は、大正12年(1923)9月1日に発生した関東大震災から90年目に当たる節目の年です。この震災では、10万5千人以上もの尊い命が犠牲となりましたが、なかでも現墨田区域の南部地域にあたる本所区は、震災の被害を最も激しく受けた地域で、大規模な火災の発生によって、5万4千人以上もの人びとが犠牲になったほか、区域の96.5%が焼失するなど、壊滅的な被害をこうむりました。
 本展示では、現墨田区域が受けた震災被害の実態に加え、被災者の救護活動や犠牲者の慰霊に目を向けて、関係資料を展示しました。

開催期間

平成25年8月31日(土曜日)から11月17日(日曜日)まで

特別公開「鈴木秀太郎の描いた関東大震災」

展示概要

 関東大震災の被災状況を描いた絵画は、プロの画家たちが描いた絵画などが知られていますが、その多くが一枚物で詳細が不明なものが多く、震災時の様子が克明に描かれ、詳しい解説が施されている資料は希であるといえます。関東大震災の被害を最も激しく受けた地域である東京市本所区域(現墨田区南部地域)においても、被災体験を詳細に描いた絵画資料は、出版された画集内の絵画や小学生の体験画以外は、これまで存在が確認されていませんでした。
 しかし、平成25年8月にNHK前橋放送局の呼びかけで発見された、震災時に本所区相生町5丁目(現墨田区緑1丁目)に居住し、被災をした日本画家、鈴木秀太郎(雅号:如醉)の描いた2冊の関東大震災体験記録資料「大正震災本所方面見聞誌」(鈴木富美氏蔵)と「大正震災図絵 本所方面」(清水寛氏蔵)は、本所区の中でも特に甚大な被害が生じた本所区南部地域の被災状況が、絵画と文章で極めて詳細に記載されている貴重な資料であることが、調査によって明らかになりました。
 本資料は、作者が他者への閲覧を許さず、家族に震災被害を伝えることを目的として描いたものであるため、長らくその存在が知られていませんでした。しかし、資料の所蔵者である作者のご子孫の方々のご厚意により、公開の許可が下りたため、資料画像の複製を特別公開しました。

開催期間

平成25年10月31日(木曜日)から12月23日(月曜日)まで

お問い合わせ

このページはすみだ郷土文化資料館が担当しています。

平成25年度

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