すみだ区報(墨田区のお知らせ「すみだ」) 2026年2月11日号

 小布施町で毎年10月に開催される「小布施六斎市」。出店する地元の方に、出店への(おも)いや町のことなどを伺いました。さらに、活気あふれる当日の様子を写真でご紹介します。
 小布施町の観光情報は、小布施文化観光協会HPをご覧ください。
[問合せ]広報広聴担当 電話:03-5608-6223

 その始まりは、江戸時代頃の小布施が人や物、情報が集まる“交通と経済の要所”として栄えたことにあります。一説によると、交通のクロスポイント「()()」が、町名である「小布施」の由来といわれています。そのにぎわいの中で、定期的に開かれるようになった市の名が「六斎市」です。かつては仏教の六斎日にちなみ月6回開かれていました。現在は毎年10月に2日間開催され、小布施の秋の味覚などが楽しめる「大物産展」や、人波の中を練り歩く「小布施万燈神輿」など、地域の魅力を伝える大切な行事として息づいています。

大物産展エリアには、町内産のくりや果物をはじめ、食べ歩きできる食べ物の販売も。

生花を使った「花車」が、会場に彩りを添える。

特設ステージの各団体による歌や演奏等の様子。

1日目は先着で花苗の配付がある。小布施文化観光協会による栗あん汁粉の振る舞いも。

墨田区伝統工芸保存会も出店し、作品紹介と職人体験を実施。

 岩手県大船渡市から直送されるサンマの炭火焼きを提供しています。年によっては、サンマと一緒に届く鮮度抜群のホタテやカキも振る舞います。大船渡産のサンマは、水揚げ量日本一を誇ります。秋に産卵のため栄養を蓄えた状態で太平洋沿岸を南下してくるので、大船渡にやってくるのは1番脂が乗っていて、とてもおいしいんです。六斎市で炭火焼きサンマの販売を始めて約20年が経ちます。私たちが心を込めて焼いたサンマを、毎年楽しみにしてくれる方がたくさんいて本当にありがたいですね。今回は2日目のみの出店でしたが、2日間出店となると提供数はなんと約1500匹!大量に用意しても売り切れてしまうほど人気なんです。
 私たちは地元有志で構成された団体ですが、縁あって全国いくつかの自治体と交流を深めています。町内で開催されるイベントに出店する際には、その時の旬の食べ物を提供しています。だから大船渡産のサンマが味わえるのは、この六斎市だけ!さらに小布施町には、(くり)やブドウ、リンゴなどたくさんの秋の味覚がそろいます。すみだの皆さんもぜひ、六斎市に食べに来てください。町内には素敵な()(みち)やお店が多く、どこに行っても楽しめますが、何よりも町民との交流を通して、小布施の魅力を存分に味わってください!

長年の経験を元に、バーベキューコンロを3台使って丁寧かつ手早くサンマを焼いていく。

午前10時頃でもこの混み具合。盛況ぶりがうかがえる。

コンロの後ろには、色とりどりの大漁旗が。これは大船渡の漁師が廃業する際に譲り受けたものだそう。

 もともと、六斎市には神輿(みこし)を担ぐ風習はありませんでした。六斎市をもっと盛り上げるために「神輿を担ぎたい」と当時の町長に相談したことがきっかけで始まったんです。
 万燈神輿は六斎市の2日目に登場し、会場である大日通りを練り歩きます。当会は町内在住者が集まり、現在は約20人が所属しています。私たちだけでは人数が少ないので、関東一円から担ぎ手が参加してくれ、1基の神輿を交代で担いでいきます。今回は過去最多の約40団体、総勢400人を超える担ぎ手が駆け付けてくれました。六斎市当日は各団体の法被を披露した後、宮出しが始まりますが、神輿の上に最初に立つのは毎年決まって町長(1面右上写真の中央)。町長が(らく)(がん)を投げる「ごくまき」を行う場面が1番盛り上がりますよ。
 この神輿は、約15年前に私たち会員が手作りした物です。会員には大工や建具師がいますからね。間近に迫っていた六斎市に間に合わせるために、約3か月間で制作しました。なんといっても特徴は提灯(ちょうちん)!煩悩の数に合わせて108個の提灯が四方に付いています。神輿の中心部には、天龍と鳳凰の絵、「龍」「鳳」の文字が描かれています。中国では龍と鳳凰は一番縁起が良い生き物ですし、当会の別名が「神龍会」であることと、葛飾 北斎が岩松院の天井に描いた「八方睨み鳳凰図」にも掛けています。六斎市でしか見られない私たちの想いを乗せた神輿を、ぜひ見に来てください。

神輿に取り付けられた108個の提灯。協賛団体等の名前が書かれている。

神輿に描かれた鳳凰の絵。

関東近辺から集まった担ぎ手たち。会場周辺の観光も併せて楽しむそう。

宮出し前の各団体による法被披露の様子。個性的な法被が披露される。

神輿にはパンダやライオンの姿も。

テントが並ぶ道を進む。写真奥には雁田山が見える。

 「おぶせ辛味大根」を薬味に使ったそばと、おでんを販売しています。おぶせ辛味大根は、町内で育つ約20センチメートルの小さな地大根で、強い辛みと独特の風味が特徴です。すり下ろすと辛さの中にまろやかさがあり、思わず癖になりますよ。実はこの辛味大根は、過去に生産が途絶えてしまったんですが、長野県内各地の辛味大根の種を取り寄せて交配し、昔の姿に近い品種を「おぶせ辛味大根」として復活させたんです。
 六斎市で提供するために、本来よりも早い夏に種を()き、10月に収穫する夏栽培をしています。夏は病害虫が多く、地熱の高さもあって、辛味大根の夏栽培は苦労の連続です。でも苦労した分、毎年そばを楽しみにしてくれる方の笑顔を見ると、(うれ)しくて仕方がないですね。
 おぶせ辛味大根の栽培は細かな管理が必要で大変ですが、伝統野菜の“文化”をつなぎ、六斎市に来てくれた皆さんにおいしさを届けたい想いで続けています。六斎市には長年出店していますが、来場者は年々増えている気がします。町内外から多くの方がいらっしゃいますね。“小布施町は昔も今も流通の要所である”と思わせてくれます。小布施は中心部が注目されがちですが、郊外の農村風景もとても美しいんです。ぜひ皆さんも小布施を訪ねて、楽しみを見つけてくださいね。

歯触りの良さを生かし、町内製造のみそを使った漬物を加工・販売している。旬である冬の時期には流通が増え、地元スーパーでも入手できる。

おでんもそばも“小学生の小遣いで買える程度”の金額で提供しているため、客が絶えない。

特設ステージ付近には、座って飲食できるスペースがある。

 葛飾 北斎を小布施町に迎えた豪農商の髙井 鴻山。鴻山は北斎から絵を学び、多くの作品を残しています。本展では、鴻山とその知友が描いた「春」がテーマの作品を展示。さらに今年は町内の北斎館(小布施町小布施485)が50周年を迎えるため、関連企画として、北斎が鴻山に宛てた手紙など、両者の深いつながりが(かい)()()える資料等を紹介します。

[とき]3月7日(土曜日)から6月24日(水曜日)までの午前9時から午後5時まで
*入館は午後4時半まで
[ところ]髙井鴻山記念館(小布施町小布施805の1)
[入館料]

  • 一般=300円
  • 高校生=150円
  • 中学生以下=無料

*障害者手帳をお持ちの方は半額
[問合せ]髙井鴻山記念館 電話:026-247-4049

髙井 鴻山「雛人形」(個人蔵)

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