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平成29年第1回区議会定例会における区長施政方針

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更新日:2017年2月15日

 平成29年第1回区議会定例会の初日である2月15日、山本区長が29年度の区政運営に対する基本的な考え方を示した施政方針説明を行いました。

はじめに

 平成29年第1回区議会定例会の開会に当たり、平成29年度の施政方針の考え方を申し述べます。
 早いもので、本年4月には、私の任期の折り返し点を迎えます。この間、「背私向公」の政治信条のもと、公約に掲げた「すみだの夢」実現に向けて、区議会をはじめとする多くの皆さんのご理解とご協力をいただきながら、誠心誠意、区政の進展にまい進してまいりました。
 昨年の区政を振り返りますと、6月には、区長に就任以来取り組んできた、10年後のすみだの将来像を示し、区政運営の羅針盤ともなる「墨田区基本計画」を策定しました。策定に当たっては、区議会の基本計画調査特別委員会において、熱心かつ慎重なご議論を重ねたうえで、さまざまな視点からすみだの将来を見据えた貴重なご提言を頂戴しました。同時に、学識経験者による有識者懇談会や、公募による区民の皆さんにもご参画いただき、今後10年間の本区の進むべき方向性について、取りまとめることができたものと考えています。
 11月には「すみだ北斎美術館」がオープンしました。連日多くの方々にお越しいただいており、入館者数は開館1年目の年間目標20万人に対して、早くも約13万人に達しています。北斎基金につきましても、約6億5,000万円に及ぶご寄付をいただくなど、順調なスタートを切ることが出来ました。区内外から北斎美術館を訪れる方々が、ここを拠点に区内を回遊し、すみだの特色ある歴史と文化に触れて頂き、文化観光の振興や地域活性化につながるよう、この好機を逃すことなく、関連する施策を推進していきます。
 昨年は、熊本地震や台風等による大規模水害が数多く発生し、各地に甚大な被害が発生した年でもあり、被害を最小限にくい止め、区民の生命と財産を守る災害対策の重要性を、改めて強く認識したところです。
 また、平成28年度は、新たな基本計画のキックオフとなる予算として、計画に掲げる事業等の新規施策に着手したほか、山積する区政の課題解決に向けて、新たな発想とスピード感を持って果敢に取り組むことを基本に、区政運営を推進しています。年度末に向けて、区議会や区民の皆さんの温かいご支援とご協力を頂きながら、区政の更なる前進を目指して取り組んでいきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。

景気と国・東京都の動向

 次に、景気の動向と、国、東京都の予算についてふれさせていただきます。
 昨年末に内閣府から発表された「平成29年度の経済財政運営の基本的態度」における経済見通しでは、「雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が進展する中で、民需を中心とした景気回復が見込まれる」として、国内総生産の実質成長率を1.5%程度と見込んでいます。一方、先行きのリスクとして「海外経済の不確実性、金融資本市場の変動等の影響などに留意する必要がある。」としています。
 こうした中で、平成29年度の国の予算は、「経済再生と財政健全化の両立を実現する予算」として、過去最大となる約97兆4,500億円の予算案としています。
 また、東京都の予算は、小池知事が掲げる「セーフシティ」「ダイバーシティ」「スマートシティ」の3つのシティの実現に向けて、東京が抱える課題の解決と、より一層の成長創出のための施策展開を力強く進めることなどを基本に、「『新しい東京』の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算」と位置付けて編成し、予算規模は約6兆9,500億円としています。
 中小・零細企業が多く集積する本区においては、未だ景気回復の実感が浸透しておらず、国や都の施策の効果が、区民生活の向上となって早期に表れてくることを期待しています。

平成29年度区政運営の基本的考え方

 続きまして、平成29年度の区政運営の基本的考え方について、ご説明します。
 第1は、「“すみだの夢”実現プロジェクト」の本格的な展開です。
 新基本計画策定後に編成するはじめての予算として、「すみだの夢」の目標達成に向けた“夢”実現プロジェクトを中心に、計画に掲げる各施策の着実な推進を図ることです。
 第2は、更なる行財政改革の推進です。選択と集中等による事務事業の見直しや、時代の変化を見据えた新たな施策の推進などにより、更なる行財政改革を推進することです。
 以上、2点の基本的考え方を踏まえるとともに、予算編成の過程においては、次の3点を念頭におき、取りまとめを行いました。
 1点目は、“時代の変化を見据えた、新たな取組に果敢に挑戦する”です。
 これは、特に緊急性が求められる課題や、29年度に対応が必要な課題を選定し、関連する各所管の事業に“横串を刺して”取りまとめ、総合的に推進するということです。
 具体的には、喫緊の課題である待機児童の解消と、在宅で子育てをされている方への支援の充実。子どもの未来を応援する子どもの貧困対策の推進です。保健、医療の分野では、区民の健康寿命の延伸への取組と医療と介護の連携、さらに、防災対策の拡充にソフト・ハードの両面から積極的に取り組みます。
 2点目は、3年半後に迫った東京2020オリンピック・パラリンピック大会の開催を、すみだの更なる飛躍につなげていくために、関連する事業を予算化し、全庁を挙げて取り組んでいくことです。
 3点目は、今年が、昭和22年3月15日に墨田区が誕生して以来、70周年の節目の年に当たることから、これを祝う記念事業を開催し、今日まで本区が発展してきた歴史を踏まえ、“オールすみだ”で、明日のすみだを創るシティプロモーションの推進につなげていきたいと考えています。

区財政を取り巻く状況

 次に、本区の財政を取り巻く状況についてです。
 人口増による納税義務者数の伸びや、景気の回復基調を反映した区民所得の伸びにより、基幹的な歳入である特別区民税の増収が見込まれています。一方、特別区交付金では、法人住民税の一部国税化に加え、昨年前半の円高の進行による企業業績の悪化に伴い、減収が見込まれています。さらに、地方消費税交付金も、清算方式の見直しによる減収が想定されるなど、一般財源で約10億5,000万円のマイナスを見込んでいます。
 歳入環境は、先行き不透明であり、予断を許さない状況にあることから、今後も景気動向等を注視していきます。

平成29年度予算の位置付け・規模

 以上、区政運営の基本的考え方と区財政を取り巻く状況のもとで、平成29年度予算を、『“すみだの夢”実現に向けた着実な事業推進により、新たなステージを切り拓く予算』と位置付けて編成しました。
 各会計の予算規模は、一般会計が1,111億6,800万円で、前年度と比べて7億8,100万円、0.7%の増、国民健康保険特別会計が335億6,000万円で0.5%の減、介護保険特別会計が204億6,800万円で6.7%の増、後期高齢者医療特別会計が52億6,600万円で3.9%の増となっています。これら4つの会計を合わせた予算総額は、1,704億6,200万円で、対前年度比21億1,100万円、1.3%の増となっています。
 次に、一般会計の、歳入歳出科目の主な増減についてご説明します。
 まず、歳入ですが、特別区税は、人口の伸びなどにより、対前年度比5億4,200万円、2.4%増の234億6,500万円を計上しています。特別区交付金は、都区財政調整の財源見通しを踏まえ、前年度より約6億9,200万円少ない、380億6,054万円を計上しています。また、基金からの繰入金は、前年度より約18億円増え、約28億1,600万円となりましたが、一方、特別区債は、前年度より約15億円少ない18億2,100万円に抑えており、財政の健全化にも意を用いています。
 次に、歳出についてです。民生費が約641億円で、子育て支援の充実や生活保護費の伸びなどにより約33億円、5.4%の増、教育費は約97億円ですが、本年4月に予定している組織改正を見据え、スポーツ振興や生涯学習に係る経費などを区民生活費に移行したため、約29億円、22.8%の減となっています。

平成29年度の主要な事業

 次に、予算を重点的に配分した主要な事業について、ご説明します。
 まず、“夢”実現プロジェクト1の『暮らし続けたいまち』の実現です。
 「子ども・子育て支援を充実させ、笑顔があふれるまちづくり」のうち、1点目の「子ども・子育て支援が徹底整備されたまちづくり」は、私の公約でも最も重要な位置にあります。「待機児童の解消」では、私立の認可保育所8か所及び病後児保育施設1か所の整備助成を行うほか、課題となっている保育士等の確保に向けて、宿舎の借上げ支援や「保育士等手当の加算」を拡充します。さらに、子ども・子育て支援事業計画の中間見直しを行い、合わせて児童館のあり方について検討します。
 「在宅子育てへの支援」では、定期利用保育及び一時預かり保育を拡充するほか、地域プラザに児童館職員が出向く“出張子育て相談“を、新たに実施し、一時預かり保育も合わせて行います。
 「放課後の居場所の充実」では、学童クラブの待機児が生じているエリアを中心に、学童クラブ室を2か所増設します。また、京成押上線高架下に整備中の(仮称)子ども未来館について、平成30年度開設予定で内装工事を進めるほか、児童館のトイレ改修についても東向島児童館の工事等を行います。
 「切れ目のない子育て支援」では、妊娠期に専門職員が面接を行い、心配事を聞き取り、支援プランを作成する“出産・子育ての応援(ゆりかごすみだ)”事業、生後2か月時点での出生通知票の未提出者に、助産師が直接訪問を行う”母子訪問指導(こんにちは赤ちゃん)“に加え、これまで妊婦のみであった母子歯科健診の受診期間を、産後1年間まで延長し、切れ目のない支援を充実します。
 2点目は、「知・徳・体の充実を図る教育による将来のすみだを担うひとづくり」です。
 「知・徳・体の充実」では、理科教育の充実と、すみだチャレンジ教室の放課後コースの新設など、学力向上「新すみだプラン」を拡充して推進します。また、児童生徒のいじめ防止対策に引き続き取り組むほか、(仮称)総合運動場等の整備については実施設計と、旧鐘淵中学校の解体工事等を行います。
 「魅力ある学校環境の整備」では、幼保小中一貫教育の推進計画を改定するほか、学校ICT化の推進では、全小中学校においてICTを活用した授業を進めていきます。さらに、校庭整備等の施設整備も順次実施します。
 「子どもの未来の応援」では、子どもの貧困の連鎖を断ち切るため、今年度実施の生活実態調査を踏まえて「子どもの貧困対策実施計画」を策定します。さらに、生活困窮世帯への学習支援を拡充して行うほか、児童虐待の防止に向けて、子どもを対象とした相談窓口等を記載したリーフレット等を作成します。
 3点目は「緑豊かな公園など、子育てしやすい住環境づくり」です。
 子育て世帯等の定住促進策について、平成30年度の制度構築をめざして、各種データや事例等の調査・分析を行います。また、「すみだ良質な集合住宅認定制度」の子育て型に新たな補助メニューを創設するほか、公園の新設・再整備や内部河川の整備も推進します。

 次に、「地域力日本一の、住んでいてよかったまちづくり」のうち、1点目の「災害に強い安全・安心なまちづくり」です。
 「多様な都市機能が調和したまちづくり」では、社会経済状況の変化と、新基本計画や人口ビジョン等を踏まえた本区の将来像の実現を図るため、「都市計画マスタープラン」の改定に向けた調査等を行います。また、東武伊勢崎線とうきょうスカイツリー駅付近の立体化について、鉄道高架化の設計及び工事等を推進します。
 「燃えない・壊れないまちづくり」では、鐘ヶ淵・京島・北部中央地区の優先整備路線を中心とした密集市街地の整備、木密地域不燃化10年プロジェクトなど不燃化を促進します。耐震化の促進では、耐震診断助成、耐震改修計画の作成助成を拡充するとともに、除却費用や耐震装置設置の助成を新設します。
 「大規模災害への備え」では、新たに住民防災組織による感震ブレーカーの設置を行うほか、押上駅周辺における帰宅困難者対策の拡充や、水防法改正に伴い洪水・都市型水害ハザードマップの改定を行うなど、ソフト面での対策も進めます。
 2点目は、「誰もが安心して暮らし続けられるまちづくり」です。
 「日常生活支援の環境整備」では、介護予防・日常生活支援総合事業において、緩和した基準による通所型サービスの提供を開始するほか、都営文花一丁目団地と京成高架下に、福祉総合型高齢者支援総合センターの整備を進めます。また、京成高架下に計画している、重度肢体不自由児(者)生活介護施設の整備支援を行います。
 「安心して暮らせる施設整備」では、都市型軽費老人ホームと地域密着型サービスの整備支援を引き続き行うほか、あらたに重度障害者グループホームの整備支援を行います。
 「区民の健康づくり」では、今年度から導入した「すみだ けんしんダイヤル」を、がん検診・健康診査専用から、若年区民健診、成人歯科健診などに拡充するほか、新たに国民健康保険被保険者を対象に特定健診結果について過去5年分の通知を行うなど、データヘルス計画の事業を推進します。
 3点目は、「地域力を高めるコミュニティとひとづくり」です。
 「地域力の育成」と「連携のしくみづくり」として、若手人材の育成事業や「すみだ未来会議講座」等の実施、住民防災組織活動の支援、地域防犯力の強化支援などを通じて、人材・団体の発掘と育成を図るほか、活動される皆さんが連携するしくみづくりを進めます。

 次に、プロジェクト2の『働き続けたいまち』の実現です。
 1点目は、「新たなビジネスが生まれ、活発な交流が進むまちづくり」です。
 「産業のさらなる活性化」では、すみだ中小企業センターの廃止に伴い、ものづくりを含む、幅広い業種の区内企業を対象とする新たな産業支援として「(仮称)すみだビジネスサポートセンター」を庁舎内に整備します。また、新分野参入の支援や新ものづくり創出拠点整備の支援についても、引き続き取り組みます。
 「“ものづくりのまちすみだ”の継承」では、都立産業技術研究センターでの依頼試験等の利用助成について、工作機械等の利用を補助対象に追加するほか、事業承継の支援も、拡充します。
 「特色ある商業空間づくり」では、作成中の「地域力を育む商業空間づくり振興プラン」に基づき、商業コーディネーターの派遣や、特色ある商業空間創出事業などを新たに実施します。さらに、店舗改装、設備導入、ホームページ作成など既存店舗を対象に支援を行う「商店魅力アップ支援事業」も新設します。
 2点目は、「ワーク・ライフ・バランスを実現し、女性も男性も輝き、活躍できるまちづくり」です。
 「男女共同参画推進プラン」の平成30年度改定に向けて、区民意識調査を実施します。また、今年度実施した、ワーク・ライフ・バランスに関する区内事業者を対象とした実態調査に基づいて、啓発冊子を作成・配布し、取り組んでいきます。
 3点目は、「夢をかなえたい若者や、元気な高齢者・障害者が活躍できるまちづくり」です。
 「働きたい人が就労できる環境整備」では、若者の雇用対策として、「若者人材発掘・就労サポート」や「若者就職サポート」などの「雇用促進就労支援事業」を推進します。障害者の就労対策としては、旧寺島図書館跡地を活用した「障害者就労継続支援事業所」の整備支援や、障害者施設の新商品開発等の支援を行います。
 「“働くこと”を考えるきっかけづくり」では、引き続き、子どもを対象にした「次世代ものづくりすみだプロジェクト」や「アウトオブキッザニア inすみだ」を実施します。

 次に、プロジェクト3の『訪れたいまち』の実現です。
 1点目は、「誰もが安心してまち歩きを楽しめる国際的なまちづくり」です。
 「文化・芸術による賑わいの創出」では、オリンピック・パラリンピックまで、継続して文化プログラムによるPRキャンペーンを展開します。区内外の企業・団体や文化芸術の担い手と連携し、すみだ北斎美術館を活用したプロモーションを展開することで、地域活性化を図るほか、すみだ北斎美術館の魅力を広く発信していきます。
 「まち歩き環境の整備」では、東京都が進める「両国リバーセンタープロジェクト」に参画し、両国地区の水辺の賑わいづくりの核として、魅力的な水辺空間の創出を目指します。また、「オリンピック・パラリンピック競技会場周辺道路の景観整備」を引き続き進めるほか、「道路バリアフリー整備」や「無電柱化基本方針」を策定し、快適な歩行空間の整備を進めます。
 「魅力的なまちづくり」では、「両国観光まちづくりグランドデザイン」の推進や、本年5月に開業する「リバーサイドカフェ」や「ザ・グリーン・マーケットすみだ」などの吾妻橋エリアの水辺の賑わいを創出します。
 2点目の、「観光とものづくりが融合したまちづくり」では、本区が誇るものづくりの技術とその魅力を活かした、「地域ブランド戦略」や「3M運動」の推進、「すみだファクトリーめぐり」への支援等、「地域プロモーションの支援」を進めていきます。
 3点目は、「“おもてなしの心”を育むまち・ひとづくり」です。
 「おもてなしの心の醸成」では、「まち歩き観光ガイド」の推進のほか、国内外から多数の観光客が訪れるオリンピック・パラリンピック大会に向けて、障害者スポーツに対する理解促進を目的としたイベントの開催など「心のバリアフリー育み事業」を新たに実施します。
 「外国人観光客を優しく迎えるまちづくり」では、吾妻橋観光案内所を庁舎2階に移転し、機能強化を図るほか、「商業インバウンド対策」として外国人観光客に、区内の外国語メニュー設置店を巡ってもらうツアーの実施や、モバイルWi-Fiの無料貸出しなど外国人観光客の受入れを促進します。
 「オリンピック・パラリンピックへ向けた取組」では、会場予定地を巡るツアーの実施や、オリンピック・パラリピック教育の推進、高齢者や障害者など歩行弱者が安心して観光できるモニターツアーの実施など、「ユニバーサル・ツーリズム」を推進します。

 次に、これら3つのプロジェクトを更に発展させていく『シティプロモーション戦略』の取組について、ご説明します。
 1点目は、「まちへの愛着、誇りを育むまちづくり」です。
 「すみだの魅力の再発見」では、引き続き「旧安田庭園の再整備」や「すみだ地域学セミナー」を実施するほか、「北斎授業プロジェクト」と名付けて、小・中学校での授業や北斎美術館の社会見学にも活用できる副教材を作成します。
 「新たな魅力の創造」では、大学誘致について、協議を進めている大学の早期の誘致実現に向けて、私が先頭に立って全力で取り組みます。また、23区初の試みとして、文化芸術活動や地域力の向上に資する意欲的なプロジェクトを、区内外から募集し、採択されたものに、ふるさと納税によるクラウドファンディングの機会を提供する、「文化芸術活動・地域力向上事業」を推進します。さらに、総合運動場の整備と合わせて、区民の健康増進やスポーツに対する気運の醸成を図るため、マラソン大会開催の検討を行います。
 「区制施行70周年の取組」では、記念式典の開催に加えて、今日までの区の沿革と現在の姿、そして未来を描く将来像を表現した記念映像の制作や、小学4年生を対象に、10年後の自分の夢や墨田区の将来、日本の未来を描いてもらい、10年後の成人を祝うつどいで振り返る、「10年後の未来図事業」を実施します。さらに、すみだ郷土文化資料館における記念企画展や地域巡回展も行います。
 2点目は、「区外から共感や憧れを生むまちづくり」です。
 「戦略的な魅力の発信」では、地域ぐるみで観光施策を推進することで、地域全体に観光経済波及効果をもたらす「(仮称)すみだDMO」を推進するほか、「シティプロモーションの展開」についても、地域の魅力や人に焦点を当てた魅力的なコンテンツを集約した特設サイトの開設など、取組を加速させて実施します。
 「他の地域との交流・連携の促進」では、引き続き海外や国内の友好都市との交流を進め、新たに、友好都市のイベントへのPRブースの出展も実施します。
 最後に、「シティプロモーションを担うひとづくり」です。
 「まちづくりに携わるしくみづくり」では、タウンミーティングについて、3つのテーマを定めて実施するほか、地域ポイント制度については、健康をテーマに実証事業を行い、その成果を踏まえて環境など他の分野に拡大していきます。
 「シティプロモーションの担い手の育成」では、ジュニアレポーターによるアスリートへの取材活動や、プロモーション動画を作成する講座の開催などを実施します。また、中学生の海外派遣についても実施し、現地の生徒との交流を図ります。

行財政改革の推進

 次に、行財政改革についてです。
 基本計画に掲げる目標を実現するためには、「行財政改革実施計画」の着実な推進による、事務事業の見直し等をさらに進め、これまで以上の財源確保と経費削減に努めていくことが、必要不可欠です。
 そのために、「選択と集中」による行政運営や、「民間感覚」と「スピード感・コスト意識」を重視した地域経営の視点を主眼に置き、持続可能な行政サービスの基盤確立と、簡素で効率的な行政システムを構築していきます。
 そこで、昨年6月に策定した「行財政改革実施計画」に基づき、事務事業の見直しによる効果的・効率的な行政運営を推進し、合わせて「第2次公共施設マネジメント実行計画」による公共施設の再編、効率的な管理運営、施設のライフサイクルコストの一層の低減に積極的に取り組みます。
 平成29年度予算においては、学校管理業務や内部管理業務の委託等の推進をはじめ、緑・立花・八広図書館への指定管理者制度の導入、すみだ中小企業センター等の廃止、受益者負担の適正化を図るための施設使用料の改定、さらには区民行政評価や内部評価を踏まえた各種事務事業の見直しを図り、予算に反映させています。
 また、民間活力を活用した予算措置を伴わない行政効果の創出(いわゆるゼロ予算事業)についても、更に工夫を凝らして取り組んでいきます。

むすびに

 私は、本日までの約2年間、基本姿勢として掲げる「民間感覚と区民目線による区政の展開」、「スピード感のある、区民に開かれた区政の推進」を常に念頭において区政運営に取り組んできましたが、その成果については、まだ不十分ながらも、考え方については、少しずつ浸透していると感じているところです。
 急激に変化する社会経済情勢の中にあって、区民の皆さんをはじめ企業や団体が区政に求める行政ニーズも、極めて多様化・高度化しています。このような期待にお応えするため、すみだの将来に向け区政を加速させる、平成29年度予算を着実に執行し、皆さんに信頼される区政を推進していきます。そして、引き続き私のリーダーシップのもとで、全職員が「すみだの夢」実現への思いを共有して、和を持って仕事に取り組み、この墨田区が夢と希望にあふれ、どこよりも素敵で魅力的な、地域力日本一のまちとなることをめざします。
 結びに、区議会の皆さんにおかれましては、今回ご提案しております各議案について、それぞれ適切なるご決定を賜りますようお願い申し上げまして、私の平成29年度施政方針の基本的な考え方の説明とさせていただきます。
 ご清聴、誠にありがとうございました。


(注)本文は、口述筆記ではありません。表現等について、若干の変更のある部分があり得ますので、ご了承願います。

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