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1148:本所七不思議について知りたい。

ページID:554925346

更新日:2023年7月3日

1148

回答

ある場所や地域にまつわる不思議な話を七つあげることは、江戸時代以前からありました。
江戸時代には、江戸の各地でも七不思議の話がまとめられるようになりました。本所七不思議もその一つです。
各地の七不思議と同じように、本所七不思議にも7つ以上の話があり、「片葉の芦」と「置いてけ堀」の2話以外は時代や記録する人により構成が異なります。
ここでは、『墨田区文化財叢書第2集 墨田区の民間伝承・民間信仰』(墨田区教育委員会 平成20年)をもとに10話を紹介します。

本所の七不思議

【置いてけ堀】
推定地は錦糸堀(現在の北斎通りのうち、錦糸一丁目から三丁目)や御竹蔵周囲の堀(横網一丁目及び二丁目)など複数あります。
ある日釣り人たちが、よく魚が釣れる堀と聞いて釣りを楽しみました。日暮れに帰ろうとすると、どこからともなく「おいてけー、おいてけー」の声が聞こえます。魚籠(びく)の中をのぞくと、釣ったはずの魚が1匹もいません。

【落ち葉なき椎】
隅田川沿いにあった平戸新田藩松浦家の屋敷(横網一丁目)には、屋敷の外の道を覆うほどの大きな椎の木がありました。人々は、周りにもたくさんの樹木があるのに、強風があってもその木だけ葉が落ちないことを不思議がったといいます。

【狸囃子(たぬきばやし)】
本所一帯(現在の墨田区南部地域)に伝わる話です。
夜になると、どこからともなく太鼓の音が聞こえてきますが大きくなったり、小さくなったり、聞こえる方角も時間と共にあちらからこちらへと移り変わっていきます。

【消えずの行灯(あんどん)、灯りなしの蕎麦(そば)】
南割下水(現在の北斎通りのうち、亀沢一丁目から二丁目)に伝わる話です。
寒空の夜に蕎麦屋の行灯が見えるものの、人の気配がなく、火を消そうとしても消えない。この火を無理に消そうとしたものには良くないことがふりかかるという。
灯りなしの蕎麦は、逆に行灯の火をともせないという話です。

【送り提灯(ちょうちん)】
大横川近く、法恩寺出村(太平一丁目)に伝わる話です。
人気のない夜道に2人の男が歩いていると、道の先にパッと提灯のあかりがともりますが、近寄ると急に消えてしまいます。暗闇に驚くと、道の先に提灯がともることの繰り返しで、決して提灯に近づくことはできませんでした。

【送り拍子木】
南割下水(現在の北斎通りのうち、亀沢一丁目から四丁目)と入江町(緑四丁目)に伝わるお話です。
土砂降りの雨の向こうから、入江町の鐘が夜更けを告げます。人通りの絶えた割下水に合羽姿の夜回りが、拍子木を打ち鳴らして歩いていると、後ろからもカチカチと拍子木の音がします。眼をこらしても何も見当たらないのに、先を急ごうとすると、人を送るように、後ろからまた音がしてきます。

【片葉の芦】
お話の舞台は片葉堀・駒留橋(両国一丁目あたり)に伝わる話です。
はじめは、風向きの偏りで芦(隅田川沿いにはたくさん生えていました)の片側にしか葉がつかないという身近な自然現象の話でした。時代が下ると、留蔵という男が心を寄せた娘のお駒に相手にされず、腹を立てて殺害し、死体を堀に捨てました。その堀で生えてくる芦は片葉となりました。

【足洗い屋敷】
お話の舞台は、本所三笠町(亀沢四丁目)に伝わる話です。
旗本味野の屋敷では、午前3時頃になると、生臭い風とともに大きな音がして屋敷が揺れ動き、天井から大きな足が現れます。足を洗うのが毎夜の仕事で、手を抜くと激しく家が揺れ、振動しました。困った味野は同僚に相談し、屋敷を交換した後は不思議なことは起きなくなりました。

【津軽の太鼓】
お話の舞台は津軽家上屋敷(亀沢二丁目及び緑二丁目)です。
陸奥弘前藩津軽家上屋敷では、火事を知らせるのに太鼓を鳴らしました。大名屋敷では火事を知らせるのは板木であったことから、不思議とされました。

【入江町の時なし】
お話の舞台は入江町時の鐘(緑四丁目)です。
本所入江町には時の鐘がありましたが、間違いが多く、あてにならなかったそうです。

問合せ先

 地域教育支援課 文化財担当
 電話:03-5608-6310(直通)

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