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更新日:2005年3月21日
「北斎漫画(ほくさいまんが)」は、北斎が気の向くままに描いたさまざまな図柄を集めた作品で、文化11年(1814)、名古屋の版元である永楽屋東四郎(えいらくやとうしろう)から初編が出版されました。正式な書名を「伝神開手北斎漫画」といいます。
好評で迎えられたため、明治時代にも刊行が続けられて、最終的に十五編までが出版されました。こうした作品は「絵手本(えてほん)」と呼ばれ、絵を学ぶ人の教科書や、工芸職人のデザイン参考書として、また、ながめて楽しむ画集として、人々に活用されました。
身近な事物や空想の世界を生き生きと描いたその内容は、19世紀末のヨーロッパの芸術家たちをも魅了し、印象派(いんしょうは)運動にも影響を与えたといわれています。
「北斎漫画」には、表情豊かに描かれた人物画がたくさんおさめられています。
いずれの図にも、北斎の確かなデッサン力と観察力、人間に対するあたたかな視線を感じることができます。
伝神開手 北斎漫画(でんしんかいしゅ ほくさいまんが)
八編 一冊
体格のよい人たち
文政元年(1818)刊より
葛飾北斎作
(墨田区蔵)
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