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企画展 噺家の話かァ 円朝とすみだの落語

ページID:617298795

更新日:2005年3月22日

平成13年7月7日(土曜日)から平成13年9月2日(日曜日)まで
 三遊亭円朝(天保10年:1839年から明治33年:1900年)は、江戸時代末期から明治時代にかけて活躍した噺家(はなしか)で、「真景累ケ淵(しんけいかさねがふち)」「怪談牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう)」「塩原多助一代記(しおばらたすけいちだいき)」「文七元結(もっとい)」など数々の名作を生み出した落語界の大名人です。7歳のときに初高座にあがって以来、研鑚(けんさん)を積んだ円朝は、元治元年(1864年)から4年間にわたり東両国垢離場(こりば、現・墨田区両国)の昼席で真(しん)を打ち続けるほどの人気者となりました。
 落語界の頂点に立った円朝は、明治9年(1876年)、本所南二葉町(現・墨田区亀沢)に移り住みます。500坪という邸宅は、円朝の生涯のうちで最も贅沢(ぜいたく)で工夫を凝らしたものだったといわれています。
 新宿へ転居するまでの約10年間、彼は「松操美人生埋(まつのみさおびじんのいきうめ)」などの噺を創作し、すでに評判となっていた「怪談牡丹燈籠」「塩原多助一代記」を速記本として出版しました。
 企画展では、円朝の命日にあたる8月11日をはさむ約2ヶ月間、昨年没後100年を迎えた三遊亭円朝についての足跡をたどりつつ、落語の歴史や、すみだと落語のかかわりについて紹介しました。

期間中の講演会 終了しました

企画展記念寄席「円朝の命日に落語を聞こう」
出演:林家うん平師匠、林家すい平さん、
寄席『 』(かっこ)亭のやめ亭ちゃぶだいさん、南亭八つ頭さん
とき:平成13年8月11日(土曜日)、午後1時から
大盛況のうち終了いたしました。ありがとうございます。

主な展示品

塩原多助一代記:すみだ郷土文化資料館 和装本
三遊塚:木母寺 写真パネル
鏑木清方画「三遊亭円朝像」:東京国立近代美術館 写真パネル
「怪異談牡丹燈籠」:国立劇場 錦絵
真景累ガ淵:東京都近代文学博物館 洋装本
怪談牡丹燈籠:東京都江戸東京博物館 和装本
ほか

すみだと落語

 「落語中興(ちゅうこう)の祖」烏亭焉馬(うていえんば)と「近代落語の祖」三遊亭円朝がともに暮らしたすみだには、いたるところに落語ゆかりの地があります。
 たとえば、「文七元結(ぶんしちもっとい)」の文七は吾妻橋から身投げしようとしたところを長兵衛に助けられ、その長兵衛と「業平文治」の叔父さんは東駒形の長屋に住んでいました。「野晒(のざら)し」では尾形清十郎が釣りをしているところで多聞寺(墨田区墨田)の鐘が聞こえ、「たがや」「囃子(はやし)長屋」の主人公たちは立川に住む、という設定で区内のあちこちが落語の舞台として登場します。
 また、木母寺(墨田区堤通)には円朝が建てた「三遊塚」があり、柳島妙見(やなぎしまみょうけん、法性寺・墨田区業平)には三遊派と人気を二分する柳派(やなぎは)が建てた「昔はなし塚」があります。
 そして今日もなお、区内の各所で寄席が開かれ、すみだは今も昔も落語とは切っても切れない縁で結ばれた地域なのです。
 本展示では、落語の舞台となった地域や噺家の誕生地、寄席の跡など、区内にある落語関係地を紹介しました。

本所南二葉町のころの三遊亭円朝

 明治9年(1876年)秋、円朝は本所南二葉(ほんじょみなみふたば)町23番地(現・墨田区亀沢)にあった旗本下屋敷跡500坪を買い取り移り住みました。
 庭は、割下水(わりげすい)から水を引いて池をつくり、多摩川の橋材(はしざい)を用いて庵室(あんしつ)の柱とするなど、円朝の生涯のうちで最も贅沢で工夫を凝らした邸宅だったといいます。また、三遊宗家の故・藤浦富太郎(ふじうらとみたろう)の記憶によれば、庭の隅には方形萱葺き屋根を乗せた2坪半ほどの庵室があり、円朝は就寝・食事・入浴以外のすべての時間をこの庵室で過ごして創作を行っていたようであったとしています(「明治の宵」)。
 この地を選んだ理由は不明ですが、円朝が孝行をつくす母が草花を好むために、家を本所に移したと依田学海(よだがっかい)の日記にみえます。
 円朝は、新宿へ転居するまでの約10年間をこの本所南二葉町で過ごしましたが、ここで円朝作品のうちで最も有名な「怪談牡丹燈籠」「塩原多助一代記」の速記本を刊行し、「松操美人生埋(まつのみさおびじんのいきうめ)」「鶴殺疾刃庖刀(つるころしねたばのほうちょう)」「月謡荻江一節(つきにうたうおぎえのひとふし)」などの噺を創作して「やまと新聞」に発表しています。

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